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九州の豪雨は15日、小康状態となった。福岡、熊本、大分3県で新たに4人の死亡が確認され、豪雨による死者は26人、行方不明者は6人になった。14日に一時、佐賀を含めた4県で36万人に避難指示・勧告が出されていたが、15日夜までに対象は約3万人に減った。一方、山間部を中心に道路が寸断され、福岡、大分、熊本で22集落の約550人が孤立状態にある。
15日は梅雨前線の活動が弱まり、雨雲も北東へ移動。気象庁は豪雨について「峠を越した」と発表した。各地で青空がのぞき、気温も上昇。大分県中津市で全国トップの36.1度を記録した。
各地で行方不明者の捜索が続いた。12日から不明の大分県竹田市の堀正勝さん(80)、熊本県阿蘇市の田中八千代さん(73)が遺体で発見された。福岡県では八女市黒木町で14日の土砂崩れにあった農業松本勝利さん(70)の死亡が確認された。柳川市三橋町の農業用水路でも、みやま市瀬高町の川龍(かわりゅう)正幸さん(28)が亡くなっているのが見つかった。
八女市は14日夜、星野川にせき止め湖ができたとして下流域一帯に避難指示を出したが、崩れる危険がなくなったとして15日朝に解除した。
気象庁によると、15日夜から梅雨前線が再び南下し、16日にかけて局地的に雷を伴った激しい雨の降るおそれがある。
気象庁は11〜14日の大雨を「平成24年7月九州北部豪雨」と命名した。甚大な被害のあった豪雨に名前を付けており、昨年7月の「新潟・福島豪雨」に次いで14例目。