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尾崎紀世彦
(9/3)

■おざき・きよひこ
 1943年神奈川県生まれ。中学時代にハワイアンと出合い音楽を始め、「ヒロ・ハワイアンズ」を結成。数年後、カントリーウエスタンのジミー時田に出会い、「マウンテンプレイボーイズ」のセカンドボーカルに。67年に「ザ・ワンダーズ」で本格的なシンガー活動に入る。70年ソロとして「別れの夜明け」を発表。翌71年の「また逢う日まで」が日本レコード大賞、日本歌謡大賞を受賞。2オクターブの音域を持ち、日本ポップス界の第一人者。

「釣りバカ」楽しむ余裕なんてなかったなぁ…

尾崎紀世彦
 「釣りバカ日誌16浜崎は今日もダメだった♪」(公開中)に出演しています。

 映画出演は19年ぶりということになっているけれど、前回の映画ではせりふもなく、バイクにまたがってワーワー騒いでいるだけで、本当の意味で“出演”とはいえないようなものだったから、俺の気持ちの中では今回が“初出演”。

 「釣りバカ」はこれまでも見ていたけれど、まさか自分が出るなんて考えたこともなかったから驚いたね。俺のイメージって、眉間にしわを寄せて怖い顔しているような感じなんだろうね。

 だから今回のような頑固親父の役ができると思われたんだと思う。

 元はロカビリー歌手で、今は佐世保で米軍相手にカントリーのライブハウスを経営している男の役。娘(伊東美咲)と2人暮らしで、その恋人(金子昇)との結婚に反対する嫌なオヤジの役だよ。

 本当の俺は、役とは正反対。うちにも娘がいるんだけど、早く片付いてほしくてね。だから演技をしたといえば演技なんだけど、そんな余裕はなかった。監督の指示に沿って動いて、OKが出れば安心して、NGだったら反省する−。

 出演者の中で俺は、年齢的に見ると三國(連太郎)さんや谷(啓)さんあたりの次になるんだけれど、映画に関してはまったくの新人だから、楽しむほどの余裕がなかったというのが正直なところ。

 試写を見て、「あのシーンとこのシーンがこんな風につながるのか!」ってびっくり。まったくの素人だよな、ハハハ…。

 よく「見どころはどこですか?」なんて聞かれるんだけど、ホントのこと言うと、恥ずかしいから見てほしくないんだよ、ヘヘヘ。でもそういうわけにもいかない…。

尾崎紀世彦
 全編、長崎弁なんだけど、これは自分なりに工夫してみた。言葉のイントネーションやリズムを「音符」にして覚えたんだ。たとえば「あいつが」のことを長崎弁で「あいが」って言うんだけど、これなんかも微妙なイントネーションなんだ。でも、譜面にすると自然に頭に入ってくる。この点だけは「ミュージシャンでよかった」と思えたね。

 あと、自分が経営するライブハウスでハマちゃん(西田敏行)と歌う「MY LOVELY TOWN」というカントリー風の曲。詞は完全な佐世保賛歌なんだけど、これが評判いい。俺も気に入っていて、CD化できないかなって本気で思ってる。佐世保の市歌にしてもおかしくない名曲だよ。このあたりも注目してほしいな。

 映画は文句なく面白く仕上がっている。俺の演技はどうでもいいから、作品そのものを楽しんでもらいたいね。



毎日歌ってないとダメ

尾崎紀世彦
「また逢う日まで」、今まで何回歌ったか? わかるわけないだろ!(笑)。でも天文学的な数字だろうね。

 飽きて歌いたくない時期もあった。だって他の歌い手さんは新しい歌が出るたび、違う歌を歌えるのに、俺はいつも「また逢う−」を歌わされる。

 でも最近は、アレンジを変えて歌うことが増えた。ボサノバ風にしたり、タンゴにしたり。アレンジが変わると新鮮な気持ちで歌えて楽しいんだ。曲の良さを再認識できるしね。

 あと、オーケストラをバックに歌うのは気分いい。60人以上の演奏家が、たった1人の俺の伴奏をしてくれる。60対1、ケンカだったら負けちゃうけど、声量では負けない!

 バックが増えるほど、こっちの声量も大きくなる。これがまた気持ちいいんだ。

 毎日歌っていないとダメな人間なんだね。歌うことが一種の健康法。だからオフの日も友達のライブハウスに行って勝手に歌っちゃう。もちろんノーギャラ。でも、ギャラが出ないほうがリラックスできて歌がうまい。そんなこと言うとギャラもらえなくなっちゃう!?

 そうは見えないかもしれないけれど、俺って本当は小心者なんだよ。今でもステージに出る直前、楽屋から舞台袖に向かう時なんか、すごく緊張する。もちろん歌い始めれば、あとは経験的に緊張を抑える術(すべ)は知っているからどうにかなるんだけれど、人前で歌うのは今でも怖いね。

 「俺なんかの歌でいいの?」って気持ちになっちゃうんだよ。なのに周囲は妙に堂々としているように見えているらしくて、「心臓に毛が生えてるね」なんて言われる。本当にマイッちゃう…。



海、釣り、乗馬…遊ぶために働く

尾崎紀世彦
 今回出演した「釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪」(公開中)の舞台は長崎県の佐世保。今から40年近く前に、ブレンダ・リーの前座で行ったことがあるんだけど、ずいぶん様変わりしていたな。

 確か「九州ラーメン」を初めて食べたのが佐世保だった。あまりのうまさに、その時は一度に2杯食べたんだけど、今回は1杯が限界。やっぱり年だね…。

 年といえば、最近はサーフィンもあまりやらなくなったな。海には行くんだけど、もっぱら眺めるか、船に乗るかだね。

 それでも乗馬は年に数回はやっている。今年も秋になったらホーストレッキングにでも行こうと思っているんだ。

 趣味といえば、今回の映画で俺は釣りのシーンはなかったけれど、趣味ではやるよ。もちろんハマちゃん(西田敏行)ほどのめり込んではいないけどね。でもそう考えると、俺は趣味が多くてよかったと思う。

 最近は定年退職後、何をやっていいのかわからなくなる−なんて話を聞くけれど、そんな人ほど趣味を持ってほしい。それまで会社で十分働いたんだから、今度は自分のために目いっぱい遊ぶべきだよ。

 日本人は、もっと自分のために稼ぐべきだと思うんだ。確かに家族のために働くことは大切だけど、それで終わっちゃ意味がない。50、60まだ青年! もっと自分が楽しむことを考えてほしい。

 昔から「遊ぶために働いている」って公然と言ってきたよ。仕事をしないで遊べれば一番いいんだけれど、それができない以上、働いて遊ぶしかない。でもその考えは今も変わらないね。

 えっ、ハマちゃんみたいだって? 冗談言うなよ! あいつは会社には行っても仕事はしてないだろ。一緒にしないでくれよ!