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和歌山県警新宮署は15日、ユネスコの世界遺産の「那智の滝」でロッククライミングをしたとして、軽犯罪法違反(禁止区域への正当な理由のない立ち入り)の疑いで、アルパインクライマーら男3人を現行犯逮捕した。「日本一の滝に登ってみたかった」という理由からの“暴挙”だが、和歌山県警はその後、3人を釈放。今後は任意で事情聴取を続け、容疑が固まれば書類送検する方針だ。
落差日本一の滝が、先鋭的なクライマーの登はん意欲をかき立ててしまった。新宮署が逮捕したのは、アルパインクライマーとして世界的にも著名な佐藤裕介さん(32)と登山仲間2人。3人は、滝つぼ近くにある「立入禁止」の札がかかった柵を乗り越えると、15日午前8時ごろから滝登りを開始。岩の隙間に入れて、落下を防ぐための「カム」と呼ばれる道具を使いながら登った。
熊野那智大社の職員が気付いて、朝日芳英宮司(78)が交番に通報。警官が駆けつけた時には、滝の約3分の2の高さ約100メートルまで登っていた。道具は回収も可能なもので、岩などに傷はついていない。佐藤さんは当初「川をさかのぼってたどり着いた」などと説明していたが、その後「立ち入り禁止とは分かっていたが、日本一の滝に登ってみたかった」などと話した。
同じく世界遺産の熊野那智大社は、那智の滝をご神体としており、敷地への立ち入りを禁止している。激怒した朝日宮司は「2700年の歴史上、こんなことは初めて。ご神体として祭られているところに入るなんて宗教を侮辱されているようなもの。泥付きの土足で他人の家に上がるよりひどい。有名人だろうが関係ない。ぶん殴ってやりたいぐらいだ」と声を震わせた。
昨年9月の台風12号で同社は損傷を受け、最近ようやく復旧。前日の14日に年中行事の「那智の火祭」で復旧を祝ったばかりだった。
佐藤さんは岩壁や氷壁を登り切ることを目標とするアルパインクライミングの分野で日本を代表するクライマー。2009年には、世界の最も優れたクライミングに贈られる「ピオレ・ドール(金のピッケル)」賞を他の登山家らとともに日本人で初めて受賞した。
和歌山県警はその後、3人を釈放。だが、今後も任意で事情聴取を続けるとしている。
◆那智の滝 和歌山県那智勝浦町の那智川にかかる滝。133メートルの落差は、一段の滝としては日本一。華厳滝、袋田の滝と共に日本三名瀑(ばく)に数えられている。那智山の中の渓流には多くの滝があり、もともとは修行の行場だった48の滝の総称だった。現在は最大の「一の滝」を指す。2004年7月7日、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録された。
(2012年7月16日06時03分 スポーツ報知)
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