碧山につきひざで敗れ、初日から8連敗となった旭天鵬(右)=愛知県体育館で
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◇名古屋場所<8日目>
(15日・愛知県体育館)
23度目の優勝を狙う横綱白鵬(27)=宮城野=と、昨年名古屋場所以来3度目の優勝を目指す大関日馬富士(28)=伊勢浜=が8戦全勝で折り返した。先場所で平幕優勝した旭天鵬(37)=友綱=は、8連敗で早くも負け越した。白鵬は関脇栃煌山を寄り切り、日馬富士は小結豊ノ島を押し出した。大関把瑠都は小結妙義龍に寄り切られ、平幕の大道とともに初黒星を喫した。他の大関陣は琴奨菊が関脇豪栄道を退け、1敗を守った。琴欧洲は隠岐の海に敗れ、稀勢の里、鶴竜とともに6勝2敗となった。全勝の2人を、平幕の魁聖を含む1敗の4人が追う。
先場所、史上最年長の37歳8カ月で初優勝を飾った旭天鵬が碧山に敗れ悪夢の初日から8連敗。優勝力士が翌場所に休場を除いて8日目での負け越し決定は1949年夏場所で1場所15日制になって以来、史上初。1975年秋場所の金剛(現二所ノ関親方)の7連敗を更新した。
支度部屋に戻ってくるなり「いっちゃったぁ。すごいねストレート」と苦笑い。「昨日、上位戦が終わってきょうから新たな気持ちでいこうと思ったが…。足が滑った。(相手と)体が密着してなかったな」と“つきひざ”で自滅した一番を振り返った。
ただ、これだけ負けが込んでも表情が明るいのは救いだ。「落ち込んでないし大阪で8連敗した時と比べれば気持ちは楽」と話し、「たくさんのお客さんから声援をもらったのに申し訳ない」と頭を下げた。
37年前の金剛は7連敗のあと6勝2敗。最終的に6勝9敗と反撃した。二所ノ関親方は「優勝した後は注目度が違う。8連敗は苦しいよね。でもここから7連勝すればいいんだ」と励ました。
9日目は先場所の優勝決定戦で対戦した栃煌山戦。相手も今場所1勝7敗と苦しんでおり「アイツもオレも先場所力を出し切って疲れてんだよ。優勝忘れて頑張ろう! でも普通、優勝した次は勝つと思うじゃない。でも普通じゃないのがオレなんだよ」
少々自虐的なコメントを残しながらも連敗ストップへ力を込めた。 (竹尾和久)
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