五輪前Ｊラストマッチ　杉本アピール弾

　「ロンドンで輝け　Ｊ２の星」−。相手の鳥取サポーターからも五輪での活躍を願う横断幕を掲げられると、杉本はチームメートももらい泣きするほど涙を流した。

　五輪前のＪラストマッチで、「ゴールという結果を残して勝ちたい」という公約通りの決勝弾。ロンドンへの旅立ちを前に、万全の状態を力強くアピールした。

　０−０で迎えた後半２１分、エリア右深くに進入したＤＦ森からのグラウンダーのクロスに、持ち前のスピードでニアに走り込む。冷静に右足で合わせ、４試合ぶりのゴールを流し込んだ。「今日はチームを勝たせるつもりでプレーしたのがゴールにつながった」。１８７センチの大型ＦＷは自らのゴールで勝利に導いたことに満足げだった。

　五輪代表入りを目指し、３月末にＣ大阪から東京Ｖへ期限付き移籍。この３カ月半で５得点する活躍をみせたが、今月１７日で契約は満了する。東京Ｖ側からは残留を要請されていたが、この日の試合終了後に、五輪後のＣ大阪復帰が正式に発表された。ふたつの意味での壮行セレモニーに、杉本は感極まっていた。

　ゴールと白星を置きみやげに、試合後は慌ただしく羽田空港へ。「これで気持ち良く五輪に行ける。五輪では一番を目指し、まず１次リーグを突破できるように頑張ります」。今度はロンドンでゴールを決め、日本を金メダルに導く夢をかなえるつもりだ。　（相原俊之）