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お久しぶりです、神成 陣です。
今回は、いつも以上に力を入れ過ぎた気もしますが……。
では、どうぞ(^_^)/
第五話 告白……
ある夏の日の朝。
心地好い風が吹き抜けた時、その声は朱莉(あかり)の耳に届いた。
「朱莉ぃ〜、一緒に出かけない?」
誰かが朱莉を呼んでいる。
「朱莉、誰かが来たみたいよ?」
朱莉の実の姉、双葉葵(ふたばあおい)は、彼女にそう伝えた。
「分かりましたの、姉様♪」
そう言うと朱莉は、家の外に出た。
望月(もちづき)さん、いらっしゃいですの♪準備して参りますので、少し待っていて下さいまし」
「分かったわ♪なるべく早く、ね?」
「了解しましたの♪」
望月と呼ばれた彼女は、この三日月(クレシェン)島一の美人な事で有名な望月亜梨沙(ありさ)の事だ。
そんな彼女は、女性しかいないこの島でも毎日の様に告白されるのだ。
しかし、そんな時に亜梨沙決まってこう言うのだ。
“ゴメンね。私、身も心も捧げようと思っている人がいるの…”
この事で何人が泣いた事であろうか。
だが、振った後でもその人と友達として付き合うのは、亜梨沙がそれだけ好かれているってことだろう。
ただ、朱莉だけは違うのだ。
そうなのだ、亜梨沙が心奪われた相手が朱莉なのだ。
だが、その想いを朱莉には伝えていない。
彼女は、伝えると友達という関係が崩壊しそうで怖いのだ。
「お待たせしましたの。では、望月さん、行きましょう♪」
「行きましょう♪」
出発する朱莉と亜梨沙。





───────星降ル(スターフォーリング)公園(朱莉'sパート)
朱莉たち、二人は、星月夜公園に来ている。
ここは、休みの日には子供連れの家族で賑わうのだ。
ここには、ある伝説があるのだ。
その伝説とは、“ここで告白したカップルは、絶対に別れる事はない”というモノ。
それについては、ハズレがないのだ。
「も、望…月…さん?わざわざ、この公園に来た理由っておありですの?」
そういった伝説を知っていた朱莉は、亜梨沙が何か言うのではないのかと感づいた様だった。
「朱莉から、聞いてくれるなんて♪説明する手間が省けたわ♪言うけど、イイ…?」
「な、なんですの…?こんなトコロで言うのですから、相当重要な話なんでしょうけど……」
「そう、その相当重要な話だよ。朱莉、大好き♪付き合って…?」
「なっ…」
亜梨沙の告白に対して、朱莉は絶句している。
「朱莉、すぐに返事が出ないなら、私、待つわ♪朱莉が、返事をくれるまで……」
「望月さん、いえ、亜梨沙♪実は、私も大好きですの♪」
「じゃあ、さっきの反応は、何…?」
「いえ、貴方が唐突に切り出してきたコトに驚いただけですの……」
何が、どうあれ朱莉たち二人は両想いだった様だ。
「朱莉、二人だけのトキは、私のコトは、亜梨沙って呼んで…?」
亜梨沙は、上目遣いで、朱莉にお願いした。
朱莉は、頬を真っ赤にして照れている。
「わ、分かったわ…、亜梨沙♪」
「朱莉、ちょっとこっちに来て…?」
と、言うと亜梨沙は朱莉を人気(ひとけ)の少ない所に連れて行った。
「朱莉、私がイイって言うまで目を閉じてて…」
「分かりましたの……」
と、言って亜梨沙はキスをした。
「ん」
「んふ、亜…梨…沙…」
朱莉は、亜梨沙に抱き着いた。
亜梨沙は、手を下に伸ばして朱莉にもっと触れようとした。
そのとき、朱莉に遮られたのだ。
「ここでは、ダメですの…」
「わ、分かったわ……」
「あっ、朱莉。二人のコトはしばらく内緒にしておかない…?」
「何故ですの?」
「月夜さん、そういうコト好きそうじゃない?だから、よ」
「なるほどですの。分かりました」
しばらく、公園を二人で散歩することにした。
手を繋いで───。



─────雨音家(あまのねけ)(葵、月夜'sパート)
「葵、朱莉ちゃんたちのコト気にならない…?」
「だから、どうしたって言うの…?」
「いやぁ、偵察みたいなコトをしない?」
「う〜ん……。私も気になるから、イイけど……」
何か胸騒ぎがする葵である。



「という訳で、公園まで来ましたよ〜♪朱莉ちゃん発見!追跡開始♪」
「ちょっと、月夜…」
葵は、月夜の後ろをついて行く。
「あっ、朱莉たち、あっちに行くわよ…?あっちって、人通りが少ない所よね…?」
「行けば、分かるんじゃない…?」
朱莉たちをこっそりと追いかける二人。
そして、草むらから見える絶好のポイントを発見して、そこに身を潜めた。
そして、あの光景を目にすることになる。
あの光景とは、そうだ。
朱莉と亜梨沙のキスシーンのことだ。
「あっ……」
そう言って、葵は口を手で押さえている。
「朱…莉…ちゃんよね、あの()?」
「う、うん…」
「何があったんだろう…?葵、ゴメン。私何か、変なキブンになってきちゃった……。キスしてイイ…?」
「だ、ダメよ…、そんなの……」
「葵の意見は、却下で♪ちゅっ♪」
葵の拒否を無視して月夜は、口づけをした。
「んふ……、ふひよ(月夜)?ん…」
「ちゅ……れろ…ん…」
葵は拒否することを止めて、月夜を求めた。



───あれから、何分たったのだろうか、葵たちはキスをやめて、我に返った。
「ふぁ〜……、月夜、何するのよぉ…、もう……」
とは、言うものの葵は嫌がってはいない。
「葵!朱莉ちゃんたちいないよ…」
「それは、月夜があんなコトをするから…。」
「だって私、葵が好きだから♪だから、私と付き合って…?」
「えっ…?な、何を…?いや、私だって、月夜のコト、好きよ…?」
葵は、動揺している。
「私、今までこんなコトしたりするのは、抑えてたのよ…?それだけは、分かって…?」
「それは、一応分かってるつもり…。じゃあ、言うね。月夜、私も貴方のコトが好きよ♪付き合いましょう♪」
なんと、意外なことになった様だ。
葵と月夜までもが、付き合うことになったのだ。
「葵、帰りましょ♪」
「うん♪」
そうして、二人は帰ることにしたのだ。



─────その夜
「朱莉ちゃんに発表があります♪」
「なんですの?月夜姉様♪」
「私と葵は、付き合うコトになりました♪」
その場に居合わせた葵は、赤面している。
「まぁ♪姉様たち、お似合いですものね♪」
「ありがとう、朱莉ちゃん♪」
朱莉は、月夜たちを祝福している。
「…で、朱莉?今日は、楽しかった?」
朱莉は、明らかに動揺している。
「えっ?も、もちろん、た、楽しかったですの…」
「どうしたの?」
「い、いえ。なんでも、ありませんの…」
そう言うと、朱莉は部屋に走って行った。
「もう、葵…。しばらくは、そっとしておいてあげようよ♪」
そう言って、葵を抱きしめた。
「う、うん…」
「困ってる葵もかわいい♪ちゅっ☆」
「ん!?」
月夜は、葵にキスをした。
二人の口が離れた後には、糸を引いていた。
「葵、エロ〜い♪」
「そ、それは月夜のせいでしょ…!」
葵は、照れて赤面している。
「もう、月夜…。私、知らないからねっ!!」
そう言うと葵は、部屋に走り去って行った。
「葵、かわいいなぁ」
月夜は、呟いたが反応してくれる相手は今は傍らにいない。
「さぁ、私はどうしよう…?葵の部屋に行きましょう♪」
ピンクな雰囲気に満たされた雨音家の夜は、今からな様だ。
どうでしたか??
今回、書くにあたりイロイロと情報を集めてみた結果、この文章になりました。
ほとんど、“情報”に影響されて、っていうののが事実ですが……。
では、また次回お楽しみに


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