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初めましての方は初めまして、激突皇です

アニメも終わって半年以上経つのに今更?と思う方もいると思いますが

暖かい目で見ていただければ幸いです
コーチ就任編 コーチと変質者?
「・・・にしても、俺がコーチ、ねぇ」

俺、小鳥遊翼は今、自転車を走らせ慧心学園に向かっている
なぜかというと昨日偶然出会った篁 美星という人に女バスのコーチをやってくれと頼まれたからである
・・・やっぱ一度は諦めたと思っても諦められないもんなんだな、バスケ
三日間だがまたバスケに触れられるならこれが最後でも構わないかな・・・

「つーか結局来れたの俺だけなのな・・・」

俺の他にも親友の巧と優助も頼まれてたのだが家の都合とかで来れず俺だけが引き受ける形になった

「ま、別にいっか、んな大人数いたって邪魔なだけだろうし・・・ん?」

校門近くに着くとなにやら校門の前でキョロキョロしたり俯いたりと挙動不審な人がいた

「・・・なにやってんだ、この人?」

もしかしていわゆる一つの不審者ってやつか?
とりあえず声かけてみるか

「あの・・・」

「え?」

振り返ったその人は中性的な顔立ちで身長も俺より少し高い、パッと見高校生だった

「なにしてんすか、こんなとこで」

「い、いや俺は・・・そう、でかい学校だなってつい見蕩れてたんだ!」

・・・めちゃくちゃ怪しいな、この人
ほら、警備員の人もすげぇ不審そうな顔してるし

「じ、じゃあ俺はこれで!」

「ばかっ! いくじなし!」

そう言って引き返そうとするこの不審者(仮)に涙声を出しながら華麗な跳び蹴りをかます人がいた

「・・・いつから見てたんだよ」

「一時間三十分前からだ、待ちくたびれた」

「声かけろよ!」

不審者(仮)の質問に対しガムを噛みながらケロッと答えるこの人は俺にコーチを依頼した張本人

「美星さんの知り合いっすかこの人」

「おう、翼もいたのか。 こいつはあんたとコーチをやる私の甥だ」

美星さんの甥、か

「えっと、小鳥遊翼っす、ここでコーチやることになりました、よろしくです」

「え?あぁ、長谷川昴です・・・って俺以外にコーチいんのかよ!?」

自己紹介を終えると不審者、もとい昴さんは美星さんに怒鳴りかかる

「しゃあないだろ、昨日決まったんだから」

「だったらメールかなんかで連絡しろ!」

なんだ?なぜ昴さんは激怒してんだ?

「あの、俺迷惑でしたか?」

「あ、いやそう言うわけじゃ、むしろ大歓迎っていうか」

じゃあなんで怒ってんだ?わけわからん

「あの・・・篁先生?」

「んにゃ?」

「何度も申し上げた通り、校門前での揉め事は・・・」

何度も申し上げられてんのかよ

「あーごめんごめん、すぐ片付けるよ。 翼、着いて来な」

「ってこらやめろ!放せ!」

美星先生は昴さんの首根っこを掴みズルズルと引きずっていった
とりあえず着いて行っか

「篁先生!その方達は?」

「こいつらは女バスの臨時コーチだ、何度も来るからよく覚えておきな」

そう言って昴さんを引きずって行く美星さん
俺は警備員の人に頭を下げその後を着いて行った





「なんかすごい学校だな」

「そうっすね、うちの中学とはえらい違いだ」

絶対に逃げないという条件の下、なんとか解放された昴さんの言葉に俺も頷きながら答えた

「え?小鳥遊君って中学生だったの?」

「はい、中二っす。 それと翼でいいっすよ、俺も昴さんって呼びますから」

つーか既に勝手に呼んでるけど、と心の中で付け加える

「判った、よろしくな翼」

「はいっす」

「あ、あのっ」

そこですれ違った生徒に声を掛けられ振り返る

「あ、お前は昨日の」

「はい、その、昨日はありがとうございました」

昨日助けたヤツの一人がいた、そいつは俺を確認すると礼と共に頭を下げた

「知り合い?」

「はい、昨日絡まれてるところを助けたんっす」

「そんでその後私が通り掛かり、コーチに勧誘したってわけ」

俺の言葉に美星さんが付け足した

「え?ってことは本当にコーチやるんですか」

「あぁ、頼まれたからにはやらないわけにはいかないからな、それに・・・」

「それに?」

おっと、余計なことは考えるな、俺。 今は関係ないことだ

「いや、なんでもねぇよ。 そういやお前の名前聞いてなかったな、なんていうんだ?」

「あ、えぇっと中等部一年、春野はるの 琴葉ことはです」

「俺は小鳥遊翼、ヒノ中二年だ。 よろしくな、琴葉」

「えっ?琴葉って・・・」

「ん?なんかまずかったか?」

「あ、いえ!そんなことないです。 よろしくお願いします、翼さん」

自己紹介も済んだところで琴葉が思い出したようにハッとする

「って早く部活行かなきゃ!それでは失礼します」

「おう、またな、琴葉」

そして琴葉は走り去っていった

「んじゃ、さっさと行くぞ、あいつ等も待ってんだ」

「はい」

俺達もまた体育館へと歩き始めた





さて、ようやく体育館前に到着したわけだが

「なんつーいい加減な顧問だ・・・」

「まさか放置されるとは・・・」

美星さんは教師の仕事だとかで俺と昴さんを置いて行ってしまい、体育館の前に取り残されてしまった

「さて、どうするか・・・」

昴さんは扉を前に考え始める

「いや、開けて入りましょうよ」

「いや、心の準備というものがだな・・・えぇい、悩むだけ無駄だ、行こう」

そう言ってドアノブを握り扉を引き開け・・・



『お帰りなさいませ!ご主人様!』



すぐに閉じた
・・・なんだ、今の

「・・・今のは、俺の幻覚だよな」

「いえ、俺にも見えました・・・」

開けた途端、五人のメイド姿の少女がいたのだ、幻覚と思いたくなるのも無理はない

「・・・今度は俺が開けてみます」

とりあえず俺が試してみる、無論そこにいたのは・・・

『お帰りなさいませ!ご主人様!』

五人のメイド姿の少女達だった
・・・どういうバスケ部だここは

「・・・前途多難だな、こりゃ」

かくして、俺のコーチ生活一日目は始まったのであった
-交換日記(SNS)-

まほまほ『みーたんからまたメールきた! もうひとりコーチついかだって!』

湊 智花『もう一人?どんな人だろう』

  沙希『みーたんが連れて来るから変な人じゃないと思うけど・・・バスケ経験者かしら?』

まほまほ『とにかく、これでしょうりにいっぽちかづいたぜ!』

 あいり『またおとこの人かな・・・』

  沙希『うーん、どうなの?真帆』

まほまほ『そこまでかいてないや、でもアイリーンになにかするようだったらあたしがまもってやる!』

 ひなた『おー。 ひなもおまもりする』

 あいり『真帆ちゃん、ひなちゃん・・・ありがとう』

湊 智花『とにかくいよいよ明日、みんな頑張ろう!』

 みんな『おー!』


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