今回は箒が頑張ります
あとルナテックが愉快なことに(笑)
銀の福音編 月光神龍の怒り?
・・・さて、戦いを終えて俺達は旅館へと戻ってきたわけだが
「「「・・・・・・・・・・(滝汗)」」」
「・・・・・・・・・・」(ゴゴゴゴゴ・・・・・)
戻ってきた瞬間、我等が担任こと織斑先生が鬼の表層で待ち受けていて
俺、一夏、ダンは大広間で正座し、部屋の隅では箒達がガタガタと震えていた
「・・・貴様等」
「「「は、はい・・・」」」
「何か言うことはあるか?」
「「「・・・申し訳ありませんでしたー!!」」」
織斑先生がこちらを睨んだまま冷たくそう言うと俺達はすぐさま土下座した
・・・あのダンまでもが顔を真っ青にして土下座していた
「ちゃ、ちゃんとした命令で出動できてよかったな・・・」
ぼそりと呟いた箒の一言に他のメンバーは何度も頷いていた
くそっ、そんなのありかよ・・・
「そういえば、あの操縦者の二人はどうなったの?」
「あぁ、あの二人は治療を受けてからいろいろ取り調べを受けるようだ」
「自我が無かったとはいえ今回の事件の主犯ですからそれが妥当でしょう」
「だな、ところで出撃する前に言っていたまゐというやつのことを詳しく聞きたいのだが」
「そうだ、確かダンの大切な人だって・・・」
そこから箒達は小声でガールズトークを始めてしまった
あ、足が痺れてきた・・・
その後、俺達は小一時間織斑先生の説教を受けたのであった・・・・・
「ま、まだ足の感覚が無い気分だぜ・・・」
ようやく説教から開放され、俺はふらふらと旅館の廊下を歩いていた
すると一夏が壁に寄りかかりながら天井を仰ぎ見ていた
「よっ、なにしてんだ?」
「月光か、いや、実はな・・・」
黄昏ていた一夏に話を聞くとどうやら今日、7月7日は箒の誕生日らしく、既に誕生日プレゼントも用意しているのだが
どう渡すか悩んでいたようだ
ふむ・・・・・ここは
「んじゃ俺が手を打ってやんよ」
「え?」
「そうだな・・・お前は海岸の端っこにあった岩場に行っててくれ」
「あ、あぁ判った」
不思議そうな顔をする一夏を送り出した後、俺は箒に連絡した
内容は「最高の誕生日プレゼントをしてやるから水着で海岸の岩場に来てくれ」というもの
こちらも不思議そうにしたので一夏が待ってるとだけ言って通信を切った
「げ、月光!?どういう・・・切れてる」
最高の誕生日プレゼント?一夏が待ってるって・・・
と、とにかく急いで準備をしよう。 水着は・・・
私は水着を着て、月光に指示された場所へやってきた
「ほ、本当にいる・・・」
そこには本当に一夏が海を見つめながら立っていた
い、行ってもよいのだろうか・・・?
この水着は変ではないだろうか?
・・・ええい、悩んでも無駄だ、いくぞ
「い、一夏・・・」
「い、一夏・・・」
よし、上手くいってるな
俺は箒に連絡した後こっそり約束の場所へと来ていた
「ん?箒・・・・・」
箒に呼ばれて振り返る一夏
すると一夏は目を見開いて箒を見つめた
そりゃあそうだろう、なんせ今箒が来ている水着は普段の箒からは想像できない・・・と言ったら失礼かもしれんが
白いビキニの水着だったのだ
それが月の光に照らされてるもんだから見惚れるのは無理もないな
「は、恥ずかしいからあまり見ないで欲しい・・・」
「す、すまん・・・」
しばらくすると箒が顔を赤くしながらそう言い、一夏も顔を赤くしてそっぽを向いた
・・・つーかせっかくお膳立てしたのになんで気まずくなってんだよ
「なんか初々しいね、あの二人」
「あぁ・・・ってシャル、なぜここにいる」
二人を溜め息をつきながら眺めているといつの間にか隣にシャルがいた
「月光がこんな時間に外に出るからどうしたのかなって思って」
「着いて来たんか」
まぁシャルなら問題はないか
とりあえずあいつ等に見つからないよう祈るか・・・
「・・・そ、その。 私に何か用なのか・・・?」
「え?・・・あぁ、そうだった。 箒、これ、受け取ってくれ」
ややあって数分後、やっと箒が口を開き、箒の質問に目的を思い出した一夏が持っていた小さな紙袋からリボンを取り出す
「これって・・・」
「誕生日おめでとう、箒」
「私の誕生日・・・覚えててくれたのか・・・」
箒はリボンを受け取り、それを大事そうに胸元に当てる
そういや、いつの間にか箒のリボンなくなってたな
へぇ、鈍感と思ってたがちゃんとそういうとこ見てんだな
「ありがとう・・・一夏・・・。 その、よかったら・・・一夏が結んでくれないか?」
「あぁ、俺でよければ」
そう言って一夏はリボンを受け取り、箒の髪をいつものポニーテールに結んでいく
「ど、どうだ?」
「うん、似合ってる。 やっぱ箒はポニーテールが似合うな」
「そ、そうか・・・」
一夏にそう言われ、箒は顔を更に赤くして俯く
そこで俺は立ち上がる
「さて、戻るか」
「あれ?最後まで見ていかないの?」
「これ以上は野暮ってもんだろ、俺はちゃんとやれるか見に来ただけだしな」
「そっか、そうだね」
シャルも俺の意見に同意したようで立ち上がる
そして二人並んで旅館へと戻り始めた
後ろでは言い争いの声が聞こえたがお互いを非難してるわけじゃ無さそうだし、大丈夫だろ
「・・・ねぇ」
「ん?」
旅館へ戻る為に砂浜を歩いているとシャルが話しかけてくる
「なんで月光は箒をあんなに応援するの?」
そう聞くシャルの表情には少し不安が見えた
「友達、だから・・・って思ったがそうじゃないみたいだな」
「それって・・・どういうこと?」
「友達だからってのもあるし、一夏が鈍感すぎて見てらんねぇってのもあるんだが一番決定的なのは、なんつーかすげぇなって思ってよ」
そう言って俺は立ち止まり、空に浮かぶ月を見上げる
「だって箒と一夏って一度離れ離れになってさ、もう会えないかもしれなかっただろ。 それなのに、ずっと一夏のことを好きでいられる、想い続けていられる・・・そんな箒をすげぇって思って、俺からなにかしてやれねぇかなって思たんだ」
「それでこんなことを?」
「あぁ、これが友達としてできる俺の背一杯ってやつだ」
そこで俺は月から視線を降ろし、苦笑いしながらシャルを見る
「なんて、ちょっと変だったか」
「・・・ううん、月光らしいよ」
そういうシャルの表情からはさっきまでの不安は消えていて、思わず見惚れそうな笑顔になっていた
「そっかぁ・・・もしかしたらって思ったけど・・・よかった」
「ん?何か言ったか?」
「なんでないよー」
シャルがぼそぼそと何か言っていたので聞くとそうはぐらかされてしまった
なんてやり取りをしていると後ろ、つまり一夏と箒の方から叫び声が聞こえた
・・・しまった!忘れてた!!
急いで引き返すとそこには案の定セシリア、鈴、ラウラがISを展開して一夏に迫っていた
「浮気なんて私は許さんぞ」
「--よし、殺そう」
「オホホホホ・・・」
・・・ラウラはともかく、セシリアと鈴はもはや目がいっていた
・・・恐ぇよお前等
「に、逃げるぞ箒!」
「えっ、きゃあ!?」
っと、そんな三人を見た一夏は箒を抱き抱えて逃走を図る
それを見て三人は追おうとする
とりあえず助けねぇと
そう思いルナテックのカードを取ろうとすると・・・
「・・・あれ?」
「どうしたの月光?」
「・・・ルナテックのカードが無い」
そう言うと突然真上から咆哮が聞こえてきた
それに俺達だけでなく、その場にいた全員が上を見た
「る・・・」
『ルナテック・ストライクヴルム!?』
そう、なぜかそこには俺が召喚したわけでもないのにルナテックが月をバックに飛んでいたのだ
その光景に唖然としているとルナテックは口を開く
『・・・今宵の月は美しい』
『・・・・・はい?』
思わず聞き返す
するとルナテックは俺達を見下ろし
『こんな満月の夜にそんな無粋なことをすることは俺が許さん』
「「「へっ?」」」
言いながらルナテックはセシリア達三人を睨む
そして
『クレッセントハウリング!』
「「「キャアーー!!」」」
・・・クレッセントハウリングで吹き飛ばした
「ってなにをやっとんじゃお前は!?」
『許せ月光、月光神龍となった俺にはこの美しい満月を守る義務がある』
「いや、わけわかんねぇよ・・・」
そういやこいつ、満月の日に曇りとかだとものすごい落ち込むんだよな
それがルナテックになってことで悪化したのか・・・
「うわぁ、三人とも見えなくなっちゃった・・・」
「どんだけ吹き飛ばしてんだ」
『ふむ、少しやり過ぎたか』
「はぁ、しゃあねぇ。 あいつ等は俺が回収しとくから気にせず続けてくれ、んじゃ」
「あ、僕も手伝うよ。 それじゃあごゆっくりー」
そう言って俺とシャルはその場から立ち去る
二人とも唖然としていたがまぁいっか
そこまで遠くに飛んでなきゃいいんだが・・・
その後、三人は砂浜に埋まっていたので引っこ抜いて部屋に返しておいた
・・・明日が恐そうだな
ルナテック・ストライクヴルムがだいぶネタなキャラに(笑)
とりあえずセシリアと鈴、ラウラのファンの方々、ごめんなさい!
次回はその後の一夏と箒、それと皆さんお待ちかね(?)ダンとまゐの絡みです
月光は・・・あまり出てきません(エッ
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