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小沢氏と確執「虚報」、藤井氏が財務相辞任の真相を詳述

2010年6月19日

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 通常国会が閉会し、政界は参院選に向け事実上の選挙戦に突入した。「政治とカネ」の問題、社民党政権離脱、そして首相交代など、2010年上半期も政界は大きく揺れたが、新春早々の激震は、藤井裕久の財務相辞任だった。「体調不良」という説明にもかかわらず、小沢一郎との確執が原因では、などという憶測の報道が相次いだ。真相は何だったのか。藤井が詳述した。

 09年12月23日、天皇誕生日。宮中行事に出席後、藤井は官邸に出向き、官房長官の平野博文と相対した。

 「もう、体が持たない」。初めて辞意を明かした藤井に、平野は「今辞められたら、困ります」「総理には、言えません」。

 藤井はその後、周囲のごく一部にも辞意を伝えた。「ギリギリやった。これ以上は無理だ。民主党は役人と敵対するんじゃないかとか、バラマキじゃないかという指摘への、答えは出せる。この予算で、軟着陸できる」。1人は、涙を流しながら慰留をした。

 10年度予算編成作業が大詰めを迎えていた。鳩山内閣が秋に決めた年内編成方針は日程的にタイトになっていたが、藤井は「25日に絶対できる自信があった」。それゆえ、このタイミングで辞意を伝えたのだった。

 年明け、1月5日午前、首相官邸。検査のための入院先から出てきた藤井は、閣議後に首相の鳩山由紀夫と2人だけで約15分間向き合った

 「威一郎先生(鳩山の父)は75歳でお亡くなりになり、一郎先生(鳩山の祖父)は76歳でお亡くなりになりました。私は、77歳ですよ」

 「官房長官を呼んで、もう一回相談をしましょう」

 午後。2人は再び会い、平野が加わった。慰留に対し、「ここで続けて途中で倒れたら、鳩山内閣に、もっと失礼なことになる」と藤井。「財務相を辞めても必ず鳩山内閣を支えます」と続けた。

 が、「体調不良」という藤井の説明にもかかわらず、小沢や菅直人との確執、鳩山への失望があったのでは、などといった報道が相次いだ。藤井は「いずれも、うそ。完全なる誤報で、虚報だ」。

 マニフェストの一部変更などを盛り込んだ予算要望を小沢が行ったことへの反発が要因ではとの憶測に対しては、「党内にあるいろんな意見を小沢さんが抑えてくれた。あの要望は天の助けだった。おかげでいい予算ができた」と全否定。むしろ、ある関係者は予算編成の過程について、「(小沢、藤井の2人の間に)意思の疎通があったのではないか」と指摘する。

 それでは、藤井は一体いつ、辞意を固めたのか。実は、9月の財務相就任前から、高齢ゆえに短期間で辞任する意向だった。

 「昭和2(1927)年、金融恐慌の中で首相となった田中義一は、自由人になっていた高橋是清=当時(72)=を蔵相に任命した。是清は恐慌を打開するための基本的な方向付けを果たし、40日余りで辞職した。当時の内閣書記官長は鳩山さんの祖父、鳩山一郎さんだったんだよね」

 高橋是清の例を引き合いに出すことを「あまりにも、おこがましい」と思いながらも、藤井は鳩山側近にこう言い、短期間で辞職する意思を示唆。身を引く時機を計っていた。そして、期せずして体調を崩した。予算編成など過度の緊張の下では、血圧が急速に上がる状態になってしまった。

 09年12月25日、鳩山内閣は10年度予算案を閣議決定。公約通りに年内編成を果たした。「一つの区切りがついた」(藤井)

 4カ月弱で閣内を去り、静養を続けていた藤井は今月18日、活動を再開した。今後も、民主党政権を支え続けていく意向だ。

=敬称略 

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この記事へのコメント

コージータハラ [2010/6/19 16:50]  編集する
大変興味深い記事であった。しかし、藤井元財務大臣が何をどう感じて執務されたのかは、国民にとってほぼ興味がない。小沢氏との確執があったか無かったかも、今さら気にしている人はまずいない。

民主党が衆議院選挙前に、無駄を無くすことで財源は作れると豪語した国民への公約がどうなったのか、どういう形で予算に反映されたのかが、一番の問題である。

この記事は「公約どおりに年内成立を果たした」などと、形式的な側面に終始し、民主党を擁護したいのだろうが、その予算の中身は、自治体への財源押し付けや、公約が実現できなかったものも多かった。要するに衆院選で民主党は国民にウソをついたのである。

藤井氏、小沢氏がともに現実派であることは、いちいち紙面を使って弁解してあげなくても何となく分かる。しかし、紙面は、県内選出の政治家のために使うものではなく、あくまで住民の目線、立場で書いてもらいたいものだ。
これは民主に限らない。野党議員であっても同じこと。ほんの少しでもよいから住民の目線を感じられれば、文学的には面白い記事だったのではないか。

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