『淡海の杜の会』が発足しました

2004年5月23日、近江神宮の近江勧学館で総会を行い、
『淡海(おうみ)の杜(もり)の会』が発足しました。
「滋賀県内の社(鎮守の森)を守り育てることにより、自然と人とが
共生する豊かな淡海を創造していくこと」を目的とする会です。
会発足までの経緯と会の概要について、簡単に報告します。

「鎮守の森」という言葉があります。
最近の若い人には聞き慣れない言葉のようですが、
かってはどの町や集落にも、こんもりとした「鎮守の森」がありました。
交流の場であり、緑に覆われた自然の場であり、地域のシンボルでも
ありました。こうした鎮守の森も、最近は日常の生活から疎遠になり、
その存在が忘れられようとしているように思われます。

そうしたなか、鎮守の森の調査研究や保全・拡充・創出などを目的にした
『社叢(しゃそう)学会』という全国組織が、
2002年5月に発足しました。そして、その年に
関東と関西の6つの市町で、鎮守の森の調査が行われ、
大津市がその一つに選ばれました。社叢学会副理事長の
上田篤さんにご指導いただきながら、専門家と市民49名が参加して、
市内131の鎮守の森について、立地と分布、植生、景観、
境内構成、維持管理状況などを調べました。
2003年9月には、「鎮守の森をめぐる」と題して、
調査結果についての公開報告会を行いました。

この活動をステップにして、調査の中心メンバー十数名で、このたび
『淡海の杜の会』を発足させたものです。
調査するだけでなく、「鎮守の森」の再評価や保全に向けて、
もう一歩踏み込んだ活動を、という思いがあります。
「杜」という漢字には、
「神社のある木立」
「こんもりとした森や林などのカミのモリ」
といった意味があります。
この「杜」という意味深い漢字を用いて、
シンプルな会の名称にしました。

設立総会には70名近い方々にご参加いただき、
総会終了後は、世界各地で
「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」に
精力的にとりくまれている
(財)国際生態学センター研究所長の
宮脇昭さんに、参加者と一緒に近江神宮の森を
散策していただいた後、
「鎮守の森をまもり創れ〜近江から世界へ〜」
と題する記念講演をしていただきました。

会では今後、「杜」を対象に、
楽しく意義のある活動をしていこうと思っております。
会主旨にご賛同いただけましたら、
是非とも会員になっていただき、
活動にご参加下さい。
よろしくお願いいたします。

会長 森川稔


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