ペリー来航(6月23日投稿分）
2005-11-10 16:44:06
カテゴリー： Weblog
記憶違いというものは、どんなに賢い人にでもつきまとってきます。さるとても偏差値の高い私立大学を卒業して、フランス語にも堪能なぼくの知り合いの女性は、「ペリーは浦和に来た」と長く信じていました。大学を卒業する頃までそう信じていたというから驚きます。もちろん賢い彼女のこと。浦和が内陸の都市だということは知っていました。そこで彼女は次のように考えて「ペリー浦和来航説」の正しさを自分に納得させていたのです。
彼女は二つの可能性を考えました。�．撻蝓射莵凖�時、浦和は東京湾に面していた。しかしわずか100年余りの間に急速な地形の変動が生じ、東京湾は現在の位置にまで後退してしまった。��当時から浦和は内陸の都市であった。しかし黒船の来航によって幕府は混乱の極みに陥り、「浦和来航」という本来ありえない間違った報告をそのまま受け取ってしまった。本当にペリーがどこに来たのかは当時確認されておらず、いまも分かっていない。
ペリー「浦和来航」という思い違いは、彼女が「賢いにも関わらず」ではなく、「賢いが故に」生じ、そして長くそう思いこんでいたのだと思います。「地形の変動」、「幕府の混乱」。こうした補助線を導入すると、不思議なことに本来はありえない「浦和来航」がにわかにリアリティを帯びてきます。こうした論理操作は本当に賢い人にのみ可能なものでしょう。
彼女のパートナーの方もやはり大層知的な人物です。彼は中国の反日デモの模様をテレビで眺めながら、「これは中国の国内政治のいわゆるとげ抜きだな」とおっしゃっていたそうです。「ものを知らない」と彼女は嘆いていました。しかし賢いこの方が、「ガス抜き」と「とげ抜き」とを故なくいい間違えるとは思えません。このまま中国の反日姿勢がエスカレートすれば、日本人の中国への感情も悪化していくに違いない。するとやがて巣鴨のとげ抜き地蔵に集う善男善女までもが暴徒化し、大規模な混乱が生じるのではないか。そうした憂慮が、彼をして「とげ抜き」と言わしめたのです。
彼女は二つの可能性を考えました。�．撻蝓射莵凖�時、浦和は東京湾に面していた。しかしわずか100年余りの間に急速な地形の変動が生じ、東京湾は現在の位置にまで後退してしまった。��当時から浦和は内陸の都市であった。しかし黒船の来航によって幕府は混乱の極みに陥り、「浦和来航」という本来ありえない間違った報告をそのまま受け取ってしまった。本当にペリーがどこに来たのかは当時確認されておらず、いまも分かっていない。
ペリー「浦和来航」という思い違いは、彼女が「賢いにも関わらず」ではなく、「賢いが故に」生じ、そして長くそう思いこんでいたのだと思います。「地形の変動」、「幕府の混乱」。こうした補助線を導入すると、不思議なことに本来はありえない「浦和来航」がにわかにリアリティを帯びてきます。こうした論理操作は本当に賢い人にのみ可能なものでしょう。
彼女のパートナーの方もやはり大層知的な人物です。彼は中国の反日デモの模様をテレビで眺めながら、「これは中国の国内政治のいわゆるとげ抜きだな」とおっしゃっていたそうです。「ものを知らない」と彼女は嘆いていました。しかし賢いこの方が、「ガス抜き」と「とげ抜き」とを故なくいい間違えるとは思えません。このまま中国の反日姿勢がエスカレートすれば、日本人の中国への感情も悪化していくに違いない。するとやがて巣鴨のとげ抜き地蔵に集う善男善女までもが暴徒化し、大規模な混乱が生じるのではないか。そうした憂慮が、彼をして「とげ抜き」と言わしめたのです。