専門家ゲスト:吉木伸子さん(皮膚科医)
ゲスト:内藤剛志さん(俳優)、くわばたりえさん(タレント)
リポーター:内藤裕子アナウンサー
女性が気になる肌の悩みと言えば顔の“毛穴”。鼻の毛穴が黒くブツブツに・・・。頬の毛穴が広がって肌がデコボコに・・・。今回は、そんな2つの毛穴の悩みを科学的に徹底分析して、意外に知られていない毛穴の真実と対策を紹介しました。
鼻の頭の毛穴の黒いブツブツ。その毛穴を詰まらせているものが「角栓」です。今回、化粧品メーカーで長年、毛穴の研究をしている研究員たちに、角栓の正体を教えてもらいました。研究によると成分は、7割程度が角質(たんぱく質)で残りの3割程度が皮脂でした。このことから、普通の脂を溶かすクレンジング剤などで皮膚表面をなでるだけでは、なかなか、角栓を完全に取り除くことが難しいことがわかりました。
つまり毛穴をできにくくする方法としてご紹介したのが「鼻エクササイズ」です。
普段あまり動かない“鼻”の皮膚を、指で優しく動かすことで、皮脂や角質がつまりにくい環境を作るのが目的のエクササイズです。
※鼻エクササイズは週に2~3回が目安です。
一方、毛穴が開いたように目立ってしまう“開き毛穴”。頬を中心に広がり、加齢とともに毛穴は大きくなっていくという研究もあります。
実はこの「開き毛穴」、化粧品メーカーの研究によると毛穴自体が開いているのではなく、毛穴を囲む皮膚がすり鉢状に変形してしまうことによって、毛穴に影が生まれ、大きく目立って見えてしまうと言います。
【画像左:毛穴の周りの皮膚がすり鉢状になった「開き毛穴」】
毛穴を囲む皮膚がすり鉢のような形に変形してしまうのは、「皮脂」の中に含まれている「不飽和脂肪酸」が原因と言われています。不飽和脂肪酸が長期的に皮膚に触れていると炎症を起こします。その結果、皮膚の老化が進み、すり減ったようなすり鉢状に変形してしまうと考えられています。
開き毛穴の原因となってしまう皮脂ですが、皮膚を守ってくれる大切な役割もあります。
大事なのはバランス。過剰な皮脂の分泌を抑え、余分な皮脂はしっかり取り除くことです。
皮脂の分泌を促す要因として夏に気をつけたいのが「紫外線」と「気温」です。皮脂腺の研究をしている東京薬科大学の実験によると、気温が高く、紫外線量が多い屋外にいると、部屋の中にいる場合に比べて顔の皮脂の分泌量がおよそ1.4倍になっていました。過剰な皮脂を抑えるためには日傘や帽子などで直射日光を避け、紫外線対策をしっかりすること。また、睡眠やバランスの良い食生活など規則正しい生活を送ることも大切です。
普段のケアとしては、朝晩2回しっかり洗顔を行い、日中はあぶらとり紙などで余分な皮脂をとってあげると良いでしょう。
毛穴が目立ってしまう原因のひとつに、肌の「キメ」があります。
キメが整っていると、キメの凹凸が光をよく拡散するため、毛穴に影が出来にくく、毛穴が目立ちません。しかし、キメが粗いと、凹凸が少なく光をあまり拡散しないため、毛穴に影ができて目立ってしまいます。
毛穴そのものをケアするだけでなく、肌全体のキメを整えることが毛穴を目立たなくする近道です。
肌をしっかり保湿することでキメが整います。保湿成分で今注目されているのが「セラミド」と呼ばれる成分です。皮膚の角層の中に存在し、重要な保湿成分です。しかし、加齢とともに減少してしまいます。
番組ではセラミドを皮膚の外側から補う美容液や、セラミドの流出を防ぐ洗顔料などを紹介ました。
できるだけセラミドを洗い流さない洗顔やクレンジングのポイントは
・洗顔料やクレンジング剤は、自分の肌に合ったものを選ぶ。
→洗顔後、さっぱりして、しかも肌がつっぱらないもの。
・洗顔料やクレンジング剤を肌に乗せる時間をできるだけ短く
・肌をこすらないように洗うこと