高野山の歴史や風土の中でつちかわれた、林業や伝統工芸などを次の世代に受け継いでいこうという冊子「高野の手仕事」がこのほど高野町から発行されました。
冊子は40ページからなり、山仕事をはじめ、宮大工や檜皮葺といった寺院にまつわるものから、数珠や位牌、祈とうのための木札、それに経典に使われる高野紙づくりといった仏教にまつわる仕事、また神社に祀られる御幣や注連縄の代わりに飾られる切り紙、宝来といった神仏混淆の信仰を色濃く残すもの、さらに精進料理に欠かせない胡麻豆腐や生麩など食事にまつわるもの、お供えに用いる高野槇をはじめ、薄板や桧紐づくりといった山林資源を活かしたものなど、あわせて33の手仕事が職人らが作業するカラー写真とともに分かりやすく解説されています。冊子の企画・編集にあたった高野町まち未来課では「高野山という小さな地域に昔ながらの作業や技術が継承されています。人口が減少する中で、この価値を多くの人に知ってもらえれば」と話しています。