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“経験ないような大雨”厳重警戒を
7月12日 14時30分

“経験ないような大雨”厳重警戒を

活発な前線の影響で、九州北部では局地的に猛烈な雨が降り続き、熊本県で12日未明からの雨量が500ミリ近くに達するなど、記録的な大雨となっています。
気象庁は「熊本県と大分県を中心にこれまでに経験したことがないような大雨になっている」として、川の氾濫や土砂災害などに厳重に警戒するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、西日本では暖かく湿った空気が流れ込んで前線の活動が活発になっていて、鹿児島県から宮崎県を中心に強い雨雲が発達しています。
午後2時までの1時間には、鹿児島県曽於市で41ミリの激しい雨を観測しました。
九州北部では12日未明から1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降り続き、午前0時からこの半日に降った雨の量は、熊本県の阿蘇市乙姫で500ミリ近くに達したほか、菊池市で300ミリを超え、大分県竹田市でも250ミリを超えるなど、記録的な大雨になっています。
九州北部では各地で川が増水し熊本県と大分県では氾濫の危険性が非常に高くなっている地域があります。
また、熊本県と宮崎県、それに和歌山県、奈良県では土砂災害の危険性が非常に高くなっている地域があります。
九州北部の大雨について気象庁は「熊本県と大分県を中心にこれまでに経験したことがないような大雨になっている」という、予報官の危機感を伝える新たな情報を出して厳重な警戒を呼びかけています。
猛烈な雨を降らせた雨雲はゆっくりと南下しており、九州にかかっている強い雨雲はこのあと数時間でいったん海上に抜けるとみられています。
しかし、13日にかけて前線が九州を北上すると予想されていることから、九州南部や北部では発達した雨雲が流れ込み、局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。
13日の昼までに降る雨の量はいずれも多いところで、九州と四国、それに東海で200ミリ、関東甲信で150ミリ、東北で120ミリ、近畿で100ミリと予想されています。
気象庁は引き続き川の氾濫や低い土地の浸水、それに土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけるとともに、落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。

熊本県など記録的な雨量に

熊本県などでは各地で記録的な雨の量を観測しました。
1時間に降った雨の量は、▽熊本県阿蘇市乙姫で午前5時53分までに108ミリ、▽阿蘇山で午前6時39分までに94.5ミリ、▽高知県田野町で午前9時5分までに80.5ミリの猛烈な雨を観測し、いずれも統計を始めてから最も多くなりました。
3時間で降った雨の量も、▽熊本県阿蘇市乙姫で午前5時までに288.5ミリ、▽阿蘇山で午前6時10分までに214.5ミリ、▽熊本県菊池市で午前3時10分までに181.5ミリ、▽熊本県八代市で午前10時までに150ミリ、大分県竹田市で午前7時20分までに135ミリと、それぞれ統計を始めてから最も多くなりました。
さらに、24時間に降った雨の量としては、午後1時現在で▽熊本県阿蘇市乙姫で507.5ミリと、20年余り前に水害が起きた平成2年7月に観測した452ミリを上回り、統計を始めてから最も多くなりました。

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