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【東京】還付金詐欺が急増 昨年前半被害ゼロ 今年すでに153件「医療費が戻ってくる」などと現金自動預払機(ATM)を操作させて金をだまし取る「還付金詐欺」の被害が都内で増えている。昨年一〜六月はゼロだったのに、ことしは六月までに百五十三件発生、総額一億四千五百万円に上った。警視庁の担当者は「携帯電話で話しながらATMを操作する高齢者を見たら、声掛けか一一〇番を」と呼びかけている。 (樋口薫) 還付金詐欺は振り込め詐欺の一種だ。犯人は社会保険事務所や役所の職員を装い、高齢者に「医療費が還付されるので、最寄りのATMに行ってほしい」と電話する。引き出しではなく振り込みの手順を巧みに指示し、口座に送金させる。 警視庁によると、被害件数は二〇〇八年の千八十三件がピークだった。犯行グループの摘発や「ATMでの医療費や税金の還付はあり得ない」とPRしたことで、昨年は十七件まで減った。「なくなったと安心したところに犯人グループが目をつけた」(警視庁幹部)ためか、ことしは増えた。ATM操作に不慣れな高齢者が狙われ、被害者の75%を六十歳以上の女性が占める。 警視庁は銀行やコンビニ店に協力を要請。被害者は金融機関ではなく、周囲に係員のいないATMに誘導されることが多いため、一般の人にも注意を喚起している。 練馬署管内で五〜六月、ATMの利用者が異変に気付き、被害を未然に防ぐ事例が四件相次いだ。署は六日に女性四人を表彰した。電話で高齢の男性が指示されている様子を不審に思い、交番に駆け込んだという会社役員の女性(59)は「通報するか迷ったが、勇気を出してよかった」と話した。 PR情報
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