隆の山を寄り切りで破る千代大龍(左)=愛知県体育館で
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◇名古屋場所<7日目>
(14日・愛知県体育館)
白鵬(27)=宮城野=は若荒雄を上手出し投げで退け7連勝。把瑠都(27)=尾上=は碧山を豪快な上手投げで下し、日馬富士(28)=伊勢浜=も松鳳山を寄り倒して、ともに無敗を堅持した。平幕の大道(29)=阿武松=を含む4人が土付かず。琴奨菊と琴欧洲は1敗を守ったが、稀勢の里は豪栄道のすくい投げに屈して2敗となり、優勝争いから後退した。鶴竜は5勝目。
千代大龍が天下統一に向け、再び進撃を開始した。尾張徳川家と織田信長。偉大な武将たちが400年の時を超え、千代大龍に力を授けてくれている。
「やべえ、負けたと思った。軍配が自分で、物言いがつかなくて、まじうれしいっす」。くせ者の隆の山のうっちゃりを堪えて寄り切り。1敗を死守した。
実は九重部屋宿舎となっている名古屋市東区の徳源寺には、セイヨウミツバチの巣箱が設置されている。そこから、徒歩2分にある尾張徳川家ゆかりの徳川園へ、数万匹のミツバチが蜜を集めに飛んでいる。
そうして採れたクロガネモチ、ボダイジュの花の蜜を持ち帰って完成したのが、同市東区の「Bee Home」が手がける『徳川のハチミツ』である。
そのハチミツが6日目の朝稽古後に、田中智代表(26)から千代大龍に届けられた。勝負師にとってゲンのいいハチミツであることもさることながら、体にとってもすこぶるいい。
「善玉菌が酵素を食べて増え、腸内環境を整えます。また、年中花粉を体に入れておくと、花粉症を発症しにくくなります」と田中代表は効能を説明する。
さらに、織田信長の菩提(ぼだい)寺の愛知県清須市の総見院でも『総見院のハチミツ』を手がける田中代表は、「こちらの方も食べていただければ」と話す。「濃厚でおいしい。寝る前にスプーン1杯食べたり、稽古後にプロテインに入れて飲んでます」と絶賛する千代大龍は、織田信長ゆかりのハチミツも「ぜひ食べたいです。勝ち越したらメッチャうまいって広めたい」という。
幕尻からの下克上。勝ち越しだけじゃなく、その先の天下統一も夢ではない。(岸本隆)
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