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【グラニュース】


遠いゴール

2012年7月15日 紙面から

 後半戦が始まり、名古屋グランパスは仙台と対戦したが、どちらも決め手を欠き、引き分けた。仙台は勝ち点を36としたが、2位・広島が川崎に快勝して勝ち点で並び、総得点差で広島が今季初の首位に立ち、仙台は2位に後退した。浦和は新潟と引き分け、勝ち点31の3位。磐田は札幌を退けた。札幌は9連敗。

◆名古屋0−0仙台

 テクニカルエリアで声をからし続けた90分間が幕を閉じると、ストイコビッチ監督はライン際のペットボトルを蹴り上げた。それだけでは収まらず、看板もけった。主審にはいくつもの不可解な判定の説明を求めて詰め寄った。悔しさを爆発させた一方で、引き揚げてきた選手たちには一人一人握手を求めてねぎらった。選手たちのパフォーマンスは満足だった。しかしそこに、首位・仙台との決戦で何より欲していた勝ち点3は付いてこなかった。

 試合前日、ストイコビッチ監督はサポーターに「3万人来てほしい。これは私の命令だ」と、前代未聞の指令で後押しを要求した。自身のカリスマ性を懸けてまで、勝利を求めた一戦。サポーターも「+3」という2文字をスタンドに浮かび上がらせるコレオグラフィー(人文字)で選手を出迎え、これに応えた。

 しかし、この意気込みを感じとっていた敵将・手倉森監督は、4発完勝した前回対戦とはうってかわって、90分間自陣に引いて守る作戦を取った。そしてグランパスの攻撃陣は、最後まで固く閉ざされた扉をこじ開けられなかった。

 「仙台は富士山を登り切ってようやく勝ち点1をつかんだような感じだろう。われわれはいい方向に進んでいるという保証を見せられたゲームだった。今日からタイトルレースが始まる」。試合後の会見、ピクシー監督は落胆の色を見せず、強気に話した。結局首位と勝ち点7差は変わらなかったが、引き分けた仙台も2位に転落した。まだ16試合ある。優勝戦線はいまだ霧の中だ。

 結局観衆も3万人には届かなかった。それでも豊田スタジアムに詰め掛けた今季最多2万4397人は、絶対に優勝をあきらめないという指揮官の執念を感じとったはずだ。

(宮崎厚志)

 

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