●ズバリ! ジョジョの人気の秘密は?
難しい質問ですね(笑)。ファンの方に聞いても「構図がいい」とか「色使いがすごい」とか「キャラクターが好き」「セリフが好き」と、おそらくなかなか一つに集約しないと思いますよ。そこがほかの作品と少し違うところです。いろんな面白さの要素が含まれているからこそ25年続いているし、新しい世代の読者が途中からもどんどん入って、受け続けているんでしょうね。
●海外での人気も高くてルーブル美術館とコラボしたそうですね。
フランスのルーブル美術館が世界各国の漫画家とコラボするプロジェクトに、縁があって荒木先生が参加したんです。その企画で作った「岸辺露伴ルーヴルへ行く」という本が大変好評でした。
ルーブル美術館とのコラボで誕生した漫画本
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の表紙 |
●奥州平泉の「東北復興平泉宣言」のイメージポスターも、掲載した岩手県のホームページにアクセスが殺到するなど、話題になりました。
実は、世界遺産申請1回目の時も岩手県知事から依頼をいただき、下絵は出来ていました。この時は登録が実現せず、日の目を見ませんでした。現在のポスターは、新たに下絵から描き起こしたものなんですよ。
●荒木先生ってどんな方でしょう?
ジョジョの登場人物に岸辺露伴という、ごう慢で不遜な漫画家キャラクターが登場します。ファンの中には「あれは荒木先生の分身じゃないか?」という声もあるようですね。でも本物はあんな横柄な感じはまったくなくて、気さくで裏表のない方です。とにかく読者を喜ばせたいと思っている人ですよ。
ただ、仕事については露伴と同様、非常にストイック。集中力が高く、妥協しない。原稿が遅れたこともないです。あと「金と名誉のために漫画を描くわけではない」ってところも一緒です。
プライベートでは、昔からお好きな音楽の話をする時が面白いですよ。たとえば「この曲はレコードで聞くと、カリフォルニアのたそがれの感じがする」なんてソムリエみたいなことをおっしゃる。それがデジタルだとそういう感じが薄くなる、とか。鋭敏なんでしょうね、感覚が。
●仙台展の見どころを教えてください。
国内での原画展開催は初めてなので、まずはその迫力。原画ってこんなにすごいんだ、ということを見てほしいです。
特に今回の展示は、仙台をモデルにした杜王町が舞台の第4部と第8部の原画が中心。皆さんも仙台の街の空気を味わった上で、こういう絵になっているってところを感じていただけたらいいと思います。
●10月には東京での原画展開催も決まっているそうですね。
東京ではジョジョの世界全体と、荒木先生の歴史にクローズアップして、規模もかなり大きいものになります。東京の原画展でしか見られないものもたくさんありますので、ぜひこちらにもいらしてください。