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【社会】

原発比率 聴取会始まる 質疑なく不満の声も

2012年7月14日 23時51分

 将来の原発比率はどれくらいがいいのか、政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聴く会が14日スタートした。初回はさいたま市で開かれ、抽選で選ばれた9人が、政府が提示した2030年時点の原発比率(1)0%(2)15%(3)20〜25%の3案に関して意見を述べた。

 意見聴取会は15日に仙台、16日に名古屋で開き、その後も札幌、大阪、富山などに会場を移し、来月4日まで続く。初回のこの日は、さいたま新都心合同庁舎の講堂に、事前に登録した約170人が集まった。

 発言者9人は、登録時に発言希望を出した人から抽選で選ばれ、それぞれが8分以内で考えを述べた。

 青森県むつ市出身で埼玉県川口市の会社員田村久美子さん(48)が「人類は核を制御できない。ふるさとを奪わないで」と原発0%案を支持すると、会場からは大きな拍手が上がった。一方、電気の安定供給を重視する声もあり、同市の元エンジニア松田平生(ひらお)さん(66)は「原発50%のシナリオがあってもよい」と主張。原発比率を従来の2倍にすべきだと訴える意見もあった。

 9人の意見が出そろった後、再度、補足的に意見を言う機会もあったが、持ち時間はわずか1人2分間。発言者の間で意見を交わすこともなく、持論を繰り返して終わった。

 その後、エネ環会議副議長として出席していた枝野幸男経済産業相が「異なる意見を同時に聴けたことは想像以上に意味があった」とあいさつした。

 発言は予定された9人のみで、質疑もなく、傍聴者から不満の声も上がった。司会者が構わず閉会させようとしたため、会場は騒然となりかけ、枝野氏は「ご意見は真摯(しんし)に受け止めます」と引き取った。

 運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂で、発注者の経産省資源エネルギー庁は契約額を明らかにしていない。

(中日新聞)

 

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