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旧校舎のディアボロス
New Life.1
 Side ゼロ


 「ところでイッセー。あなたに発破をかけた人は誰なの?」

 部室で朝からアーシアの歓迎会をやっていると、ふとリアスがそんなことを言い出した。
 発破って?原作にはそんなものなかったはずだが。

 「ああ、黒髪の和服を着た色気の強い美女です」

 ・・・・・・心当たりがあるんですけど。

 「えっと、『グレモリー眷属のみんなに伝言をお願いするにゃ。近々妹の顔を見に行くと』って伝言を頼まれました。あと人間じゃないっぽいです、猫耳と二本の尻尾がありましたから」

 「「にゃ?」」

 朱乃と祐斗が疑問を漏らす。リアスは顔を強張らせ、小猫は顔を引きつらせる。イッセーとアーシアはそんな様子に首をかしげた。
 俺は・・・・・・。

 「ブハッ」

 つい紅茶を吹き出した。なんで紅茶を飲んでいたかって?ノリだ。
 間違いない。間違いなく黒歌だ。語尾ににゃを付けて妹に会いに行くといったらあいつしかいないだろ!
 そのことを報告しなかったことをお仕置きしておかないとな・・・・・・。ってあれ?なんで皆俺のことを見てるんだ?

 「ゼロ、心当たりがあるの?」

 リアス、直球過ぎるぜ。

 「黙秘権をしゅちxy―――」

 「却下で」

 えぇぇぇぇ。

 「先輩・・・・・・」

 右隣に座った小猫が不安そうな瞳で上目遣いしてくる。ちなみに左隣には朱乃が座っている。
 イッセーはうらやましいものでも見るかのような目を、祐斗は苦笑を向けてきている。
 アーシアは・・・・・・話についていけてないみたいだ。朱乃はいつも通り笑顔だ。

 「「・・・・・・」」

 あれ?小猫とリアスの視線が・・・・・・これって話さなきゃダメな雰囲気?誰か助けてくれよ。

 『頑張れ、俺っちには無理だ』

 助けろよ!
 なんとか追及を逃れる術は!黒歌本人から会いに来る(?)まで何も話さないつもりなんだよ!

 「・・・・・・」

 「・・・・・・(ジ――――ッ)」

 「・・・・・・(じ――――っ)」

 「・・・・・・(ニコニコ)」

 「・・・・・・(羨望?)」

 「・・・・・・(苦笑)」

 「・・・・・・?」

 何この沈黙。誰か助けて・・・・・・。
 マジで話さなきゃならないの?

 「はぁ、わかったわ。いつか話してもらうわよ?」

 リアスが折れてくれた。助かったぜ。

 『よかったな。にしても、黒歌の奴なんでエロガキに発破なんかかけやがったんだ?』

 ・・・・・・おい。声、外に出てるぞ。

 『あ』

 あ、じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
 イッセーにアイコンタクトを即効で送る。家の黒猫(黒歌)のこと話したら後で半殺しにする、とな。理解してくれたようだ。なに納得顔してるんだよチクショウ!

 「やっぱり知っていたのね」

 いやーん。

 「先輩、話してくれませんか?(うるうる)」

 小猫・・・・・・それは反則だ、拒んだら罪悪感に蝕まれる。
 お前のせいだぞストラーダ!

 『ゴメンね』

 結局所在と関係以外のことを言わされるはめになった。

















 Side イッセー


 「まさか自分の家の飼い猫(?)があなただったなんて、想像も付きませんでした」

 「イッセーとストラーダのせいでばれちゃったにゃん。どうしてくれるにゃ」

 俺はいま、ゼロ兄の自室で普通の黒猫だと思っていた黒歌と対話していた。
 まさか、ゼロ兄が元はぐれ悪魔を匿っていたなんて全く気付かなかった。ゼロ兄がそんな昔から裏の世界に関わっていたということにも驚きだ。

 『ゴメンなさい・・・・・・』

 「近いうちに会いに行くが物凄く近くなっただけだ」

 ゼロ兄がため息をつきながら告げる。
 ストラーダ(呼び捨てでいいと言われたから)は絞られたのか声にいつもの元気(?)がない。

 「ゼロ兄と黒歌さん(呼び捨てにするなと言われた)はどういう関係なんですか?」

 俺はふと思ったことを口にする。

 「恋人?」

 「雌奴隷ね」

 『ハーレム要員だな』

 三者三様に答えてくれた。おかげでどんな生活をしているのか思いっきりわかった。
 特にゼロ兄が恋人と言ったのに黒歌さん自身が奴隷といった辺りが特に・・・・・・あれ?目から汗が流れてきた?
 つうかゼロ兄はすでにハーレムを構築していたのか!朱乃さんや小猫ちゃんだけに飽き足らずこんな美女まで侍らせて!

 「ところでイッセー。お前、アーシアは好きか?」

 「?まあ友達だし」

 「違う違う、異性として好きかって聞いてるんだ」

 ・・・・・・え?

 「だってお前、いくら友達とはいえ、会って間もない女のために命張って敵地に乗り込んだんだぞ?」

 唯一無二の親友ならともかく、と付け加えてゼロ兄は口を閉じた。
 ・・・・・・あっ!!
 考えてみればそうだ。客観的に見ても俺はアーシアのために体を張りすぎている。死んでもアーシアだけは助けるって言ったし。

 「ほう、自覚したか」

 はい。なんか滅茶苦茶ハズイです。

 「よかったな。相思相あ―――むぐっ!」

 「そういう野暮なことは言っちゃだめにゃ♪」

 ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!止めるの遅いです!そこまで聞いたら俺でもさすがにわかります!しばらく眠れなさそう!

 『まあ、そういうことだから頑張れやエロガキ』

 「困った時はアドバイスくらいしてあげるにゃん」

 「ぷはっ、ちゃんと段階を踏めよ?」

 三人(?)の激励が心に響く・・・・・・。頑張ってアーシアを俺の彼女にして見せます。

 『よい夢を!』

 「さっさと寝ろよ」

 「グッナイにゃ」

 「また明日」

 俺はゼロ兄の部屋を出て自室に戻――――――らずにゼロ兄の部屋に聞き耳を立てた。

 「あんな初々しいのを見せられたら身体が火照っちゃったにゃ」※余裕でイッセーに気付いています

 「仕方ないな、今夜は日が昇るまで相手してやるよ」※普通にイッセーに気付いています

 『んじゃ俺は寝るわ』※何故かイッセーに気付いていません































 今日は日が昇るまでゼロ兄の部屋の中を覗くことになった。体の節々が痛く、いつもより眠くてそのくせ興奮しています・・・・・・。
 ゼロ兄に一言、あんなに綺麗でエッチで従順な美女は羨ましすぎる!!



・現在の兵藤零の実力はこんな感じ

 生身状態=弱体オーフィスと同等

 神器発動=二天龍二体分

 禁手状態=通常オーフィスより二回り下

 ????=本気(?)グレードレッドの八割ほど。オーフィスよりは強い


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