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ゼロの裏の顔が少し出ます
なんのことはありませんけど
ただ色狂いなだけです
少しイメージが崩れそう・・・・・・
旧校舎のディアボロス
悪魔、はじめました。1
 Side ゼロ


 「君が悪魔さん?僕を美少女にしてください!」

 「いい歳こいたおっさんが性転換か?もらってく代価は五百万と処女な」

 「くっ!TSするために呼んだ男悪魔に犯される、いいね!?」

 「・・・・・・まあ、いいか」

 『Trance(トランス)!』

 「ほら、鏡」

 「おお!金髪碧眼のロリ巨乳美少女だ!ヤッター!」

 「ふっ、まさかこの身で元男を抱くことになるとはな。安心しろ本物の女と同じように子供も産める身体だ。さっそく喰わせてもらう」

 「わきゃう!?」

 「これから軽く洗脳をかけて精神も女になるようにしてやるから安心しろ」

 「はうっ!?なんだこれ!?こんなの知らないぞ!」

 「女の感じる快感は男の数倍だとどこかで聞いた気がする、安心しろ。すぐに楽になる」

 「ああんっ!ビリビリするぅ!」

 「フハハハハッ!いい声で鳴けよ!」

 ・・・・・・。































 よう、ついさっき契約取りが終わったところだ。いい汗かいたね。
 代価に処女をもらっていくのは別に初めてじゃないよ?本物で代価にもらったことがあるし。
 毎晩イッセーは自転車で町中を駆け回っているみたいだな。契約取りに行った先でイッセーの叫び声が外から聞こえてきたくらいだもん。

 「入りまーす」

 部室で朱乃と小猫とお茶をしていたらイッセーの気の抜けた声が扉の向こうから聞こえてきた。

 「来たわね」

 リアスがイッセーの姿を確認するなり、朱乃に指示を出した。

 「はい、部長。イッセーくん、魔方陣の中央へ来てください」

 朱乃は立ち上がり、イッセーを手招きする。ついにこの時が来たか。

 「イッセー、あなたのチラシ配りも終わり。よく頑張ったわね」

 普通はチラシ配りなんてやらせないんだけどね。

 「改めて、あなたにも悪魔としての仕事を本格的に始動してもらうわ」

 「おおっ!俺も契約取りですか!」

 「ええ、そうよ。もちろん、初めてだから、レベルの低い契約内容からだけれど。小猫に予約契約が二件入ってしまったの。両方行くのは難しいから、片方はあなたに任せるわ」

 「・・・・・・よろしくお願いします」

 小猫がペコリと頭を下げた。
 俺たちは魔方陣の外に出ている。魔方陣の中央に立った朱乃が初転移のための詠唱を始めた。
 魔方陣が青白く淡い光を発し始めている。

 「あ、あの・・・・・・」

 「黙っていて、イッセー。朱乃は、いまあなたの刻印を魔方陣に読み込ませているところなの」

 しゃべろうとするイッセーをリアスが黙らせる。

 「イッセー、手のひらをこちらに出してちょうだい」

 リアスがイッセーの左手のひらに魔法陣を書き込んでいる。

 「これは転移用の魔方陣を通って依頼者の元へ瞬間移動するためのものよ。そして、契約が終わるとこの部屋に戻してくれるわ」

 これは俺の手のひらにも書き込まれている。

 「朱乃、準備はいい?」

 「はい、部長」

 朱乃が魔方陣から身を引く。
 あれ?確か原作でイッセーは・・・・・・。

 「さあ、中央に立って」

 イッセーは促されて魔方陣の中央に立つ。
 すると魔方陣が強く光り始めた。

 「魔方陣が依頼者に反応しているわ。これからその場所へ飛ぶの。到着後のマニュアルも大丈夫よね?」

 「はい!」

 「いい返事ね。じゃあ、行ってきなさい」

 魔方陣の光がいっそう強くなり、イッセーを覆い尽くした。
 だけど、まあ、あれだ。
 リアスは額に手を当て、困り顔をしている。
 朱乃は「あらあら」と残念そうな顔をしている。
 祐斗は目を点にしている。
 俺か?一生懸命に笑いをこらえているのさ。

 「イッセー」

 「はい」

 「残念だけど、あなた、魔方陣を介して依頼者のもとへとジャンプできないみたいなの」

 イッセーが意味がわからないという顔をしている。

 「魔方陣は一定の魔力が必要なわけだけど・・・・・・。これはそんなに高い魔力を有するものではないわ。いいえ、むしろ悪魔なら誰でも出来るはず。子供でもね。魔方陣ジャンプは初歩の初歩のだもの」

 「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 「『ブハハハハハハハハハッッ!!』」

 俺たちはついにこらえきれずになって笑い出してしまう。

 『魔力が子供以下とか!弱すぎ!無様すぎる!前代未聞の弱小悪魔!そのくせ上級悪魔とか一体何千年掛かるんだよwwwwww!ショボ過ぎるwwwwww!』

 「うっせwwwwww!(涙)」

 「依頼者がいる以上、待たせるわけには行かないわ。イッセー」

 「はい(泣)」

 「前代未聞だけど、足で直接現場に行ってちょうだい」

 「足!?」

 「ええ、チラシ配りと同様に移動して、依頼者宅へ赴くのよ。仕方ないわ。魔力がないんですもの。足りないものは他の部分で補いなさい」

 「チャリですか!?チャリでお宅訪問!?そんな悪魔存在するんですか!?」

 ビシッ。
 小猫が無言でイッセーを指差した。

 「う、うわぁぁぁぁぁぁん!頑張りますぅぅぅぅ!」

 イッセーは号泣しながら部室を駆け出た。
 ストラーダが外に声を出してたけど、イッセーだけは気付かなかったみたいだ。
 他のメンバーは知ってるから特に何もいわない。
 さて、俺たちも契約取りに行きますか。予約も入ってるしね。


 シュンッ。


 魔方陣でジャンプすると、白ゴスの少女がいた。

 「おや、君か。これで二度目だね」

 「はっはい!その・・・・・・この前のことが忘れられなくて」

 顔を赤くして見詰めてくる。
 ちなみにこの子は契約の代価で美味しくいただいた女の子だ。前の契約は母親の病気を治して、と言う親思いな契約だった。
 たしか中学一年生だったな。一応言っておくが俺はロリコンじゃない、守備範囲が広いだけだ。

 「それで、今回の内容はなんだい?」

 「あっはい、実は私の姉がお見合いをするんです」

 「お見合い?となると失敗したくない、または破談にしたいってところかな?」

 「はい。姉は性格が少し悪いので、婚期を逃しているんです」

 これは微妙なやつが来たな。
 まあこれなら一発で何とかなるな。
 俺は神器(セイクリッド・ギア)を呼び出して力を使う。

 『Appear(アピアー)

 「このお守りを持っていけば縁談に必ず成功することができる。でも使い捨てだからね」

 俺は和風のお守りを彼女に手渡す。
 こんなどうでもいい物まで創れる俺の神器(セイクリッド・ギア)ってどうよ?

 『便利なんじゃね?』

 うっさい、お前に聞いてない。

 『じゃあ誰に聞いたんでい?』

 少なくともお前じゃない。だってお前に聞いても仕方がないからな。

 「ありがとうございます!悪魔さんってなんでも出来るんですね!」

 「ふっ、どういたしまして。それじゃあ代価をいただくかな」

 「あっ/////」

 俺は舌なめずりしながら彼女の顎に手を添え、唇を奪う。




















 「・・・・・・」

 次の日の放課後。
 リアスの目の前でイッセーが正座させられている。

 「前代未聞だよ」

 祐斗がそんな二人を見て苦笑している。

 「イッセー」

 「はい」

 「依頼者と漫画のことを語って、それからどうしたのかしら?契約は?」

 だらだらと冷や汗をかくイッセー。

 「け、契約は破談です・・・・・・。あ、朝まで依頼者の森沢さんと、とある漫画のバトルごっこをして過ごしました」

 「バトルごっこ?」

 「は、はい!ま、漫画のキャラを演じて、お互いの空想の戦いを繰り広げる行為です!」

 なんでそんなこと真面目に説明してるんだこいつ・・・・・・。

 「じ、自分でも高校生として恥ずかしい―――いえ、一悪魔として恥ずかしいと思えてなりません!は、反省してます!すみませんでした!」

 ど、土下座・・・・・・こいつ、朝まで何してたんだよ。
 俺はイッセーから目を逸らし、目の前の将棋盤を向く。小猫と一局しているのだ。劣勢とも優勢ともいえない状況だ。
 小猫は意外とこういうのに強いからな、俺でも本気出さないと負けちゃうくらいだ。え?俺の実力か?大会準優勝者を瞬殺したよ?

 「王手」

 「なに!クソこれなら」

 「王手」

 「まだやられるか」

 「・・・・・・王手」

 「クソ!」

 「王手」

 「王手好きだなおい!」

 「王手」

 もう何がなんだかわからないよ!
 クソ!この兵士が邪魔だ!

 「基本のことは守ってね。依頼者と契約を結び、願いを叶え、代価をもらう。いいわね?」

 「はい!がんばります!」

 あっちは元気がいいことで何よりだ。

 「王手」

 「・・・・・・参りました」

 なんか疲れた。















 次の日、契約を取り終えて部室に転移で戻った。
 残念、でもないけど今日はああいう展開にはならなかった。ババアに孫の病気を治してくれ、って言う心温まる契約だったよ。絞れるだけ搾り取ったけどね。

 「あはは、兵藤くんはそういう感じの人に選ばれる魔力があるんだろうね」

 どうやらイッセーはまた契約が破談したらしい。
 今回の依頼者は極度の変態だったらしい。なんだよ、魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブって。










 Side イッセー


 「二度と協会に近付いちゃダメよ」

 夜、俺はまた部長に怒られていた。
 でも契約とは別件だ。

 「協会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで紙側と悪魔側の間で問題になるわ。今回はあちらもシスターを送ってあげた厚意を素直に受け止めてくれたみたいだけれど、天使たちはいつも監視しているわ。いつ、光の槍が飛んでくるかわからなかったのよ?」

 マジですか?俺はそんなに危ない状況だったのか?
 改めて考えると、あの寒気は尋常じゃなかった。恐怖しかなかったもんな。

 「教会の関係者と関わってはダメよ。特に『悪魔祓い(エクソシスト)』は我々の仇敵。神の祝福を受けた彼らの力は私たちを滅ぼせるほどよ。神器(セイクリッド・ギア)所有者が悪魔祓いならなおさら。もう、それは死と隣り合わせるのと同義だわ。イッセー」

 「は、はい」

 「人間としてのしは悪魔への転生で免れるかもしれない。けれど、悪魔祓いを受けた悪魔は完全に消滅する。無に帰すの。―――無。何もなく、何も感じず、何も出来ない。それがどれだけのことかあなたはわかる?」

 ・・・・・・無、正直わからない。
 反応に困る俺を見て、部長はハッと気付いたように首を横に振った。

 「ごめんなさい。熱くなりすぎたわね。とにかく、今後は気をつけてちょうだい」

 「はい」

 部長の会話がそこで終わるかと思われたとき。

 「なあイッセー。近所の教会って言ったよな?」

 ゼロ兄が横から声を掛けてきた。

 「え?うん、そうだけど」

 「あの教会ってたしか、ずっと前に潰れたんじゃなかったか?」

 「え、あっ!」

 俺はその事柄と共にクリスチャンだった幼馴染を思い出した。
 彼女に連れられてよくあの教会に行っていたんだった。

 「潰れたってどういうこと?」

 部長が聞いてくる。

 「えっとですね部長。実は俺が案内した教会なんですが、だいぶ前に潰れて誰もいなくなったんですよ」

 「誰もいない?なんでそんなこと知ってるの?」

 「幼馴染がクリスチャンだったんでよく教会に行っていたんです。中学に上がってからは一度も行っていませんでしたけど」

 そこまで聞いて部長は思案顔になる。やっぱり何かひっかがるところがあったんだろうか。

 「あらあら。お説教は済んでいたようですね」

 「おわっ」

 いつの間にか背後に朱乃さんが立っていた。

 「朱乃、どうかしたの?」

 部長の問いに朱乃さんは少しだけ顔を曇らせた。

 「討伐の以来が大公から届きました」











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