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リアス部長の裸添い寝どうしよう。

このイッセーが悪魔になって身体能力上がっちゃうと、レイナーレ一派程度ではダメージ負わない可能性ががががが
Life2:明日
『目、覚ませよ相棒。女がお前を待ち侘びてるぜ』

 何か、声が聞こえた気がした。



 いつも通りに目を覚まし、いつも通りに体を起こす。そして……いつもと違って、黒歌さんや白音ちゃんが、泣いている。オーフィスも、じっと俺を見つめている。

 ――。

 手が握られている。白音ちゃんだ。小さくて、でも力強く握られてて、暖かい。そんな感触が可愛らしい。

 涙ながらに笑う黒歌さん。泣き顔なんて初めて見たけど、不謹慎ながら綺麗だ。

 俺が起きたと知るや、服を掴んで揺らすオーフィス。無表情が少し崩れてて、泣きそうな顔にも見える。

「あれ、みんなどうし」

 たの、と言う暇もなかった。

 飛びついてくる三人。いきなりでびっくりする。

 変だな、みんな。いつも変だけどそれ以上に。まるで二度と会えないと思った人に、また会えた。そんな感じの行動だ。

 何か、こんなになる事でもあったっけ? 昨日、俺は確か――

「――っ!」

 少しずつ戻ってくる記憶。天野の事、もう一人の堕天使の事、そして。最後に見えた、紅色の事。

 それを、思い出す。

 ああ、そうか。あの時、殺された、人生はここまでだった、と諦めたけど。俺は、死んでなかったのか。

 改めて、みんなを見回す。なんでだろう……昨日も顔を合わせたはずなのに。凄く、懐かしい気がする。それが堪らなく、嬉しい――って痛い痛い。

「痛いよ、みんな」

 このままだと俺を振り回しかねないオーフィス、俺の左手を両手でおもいっきり握ってる白音ちゃん、腕をキメて離そうとしない黒歌さんを窘める。

 彼女らが徐々に落ち着いていくと同時に、襲ってくる痛み。普段なら嫌なモノであるそれが、今は心地よく感じられた。それは生の実感で、存在の証明だ。

 俺は……生きてる。まだまだ、生きることが出来る。

「あら、起きたの、イッセー」

 ドアの所から、声。

 見ると、赤というより、紅。そんな色の髪をした女性がいた。……知り合いじゃないな。どちらさん?

「……ええ。貴女は?」

 聞くと、ちょっと驚いたようは表情のあと、苦笑される。俺、変なこと言ったか?

「それも含めて、話をしましょう。新しい私の可愛い下僕」

 ……え?



 所変わって、居間。テーブルを挟んで会話をしている。

 あれから大変だった。

 白音ちゃんは泣きながら抱き着いて来て、胸に顔を押し付けて、オーフィスも袖を握ってじーっと俺を見上げる。

 黒歌さんは黒歌さんで、さっきの泣き顔が嘘のように冷静だが。結局。三人とも、俺から離れようとしない。

 随分と、心配をかけてしまったらしい。

「結論から言うと、イッセー。あなたは悪魔なの。私があなたの願いに呼ばれた時には、既に虫の息だった。だから転生させたのよ」

 そんな俺に、主さんが言う。

 言われてみると、確かに殺された記憶はあるが、俺は生きている。どうやら悪魔として転生したらしい。

 人間のままで助けてほしかった、なんてことを言う気はさらさら無かった。それがどういう形であっても、俺はこの人に救われたんだ。

 それだけで、十分過ぎる。

「ありがとう、ございます」

 出来るだけ深々と、心を込めて頭を下げた。

 感謝の念は尽きない。俺がこうしていま生きて、家族と会話できて、まだみんなと一緒にいられるのは、間違いなくこの人のおかげだから。

 俺に倣って、みんなも会釈する。

「いいわ。その代わり、これからよろしくね、イッセー」

「はい、主」

 微笑む顔は、とても無邪気で、それでいて大人っぽさを感じさせる。悪魔だけど、天使や女神みたいな人だな。そう思った。



 さて、俺の主となるこの人だが。実は正体に心当たりがある。なぜ死んだはずの俺が生きているのか、と。起きてすぐは混乱していたから考えが至らなかったが、この髪の色と、種族。間違いないだろう。

「黒歌さん、白音ちゃん、この人は――」

「……はい。リアス=グレモリー先輩です」

「現魔王の一柱、ルシファーの妹さんよ」

 ――リアス=グレモリー。昔、黒歌さんを腐った主人から助けてくれた、魔王の妹さん。妖怪で、人間界に戸籍なんてない白音ちゃんを駒王学園に入学させてくれた人。

 そして――俺の命の恩人にもなった人か。

 リアスさんは話を続ける。

「イッセー、あなたが堕天使に殺された理由だけれど。神器については何か知っている?」

「いえ……」

 朝からそれがずっと疑問だった。天野、いやレイナーレ。奴は俺に神器とやらがあるから殺すなんて言っていた。危険だから、と。だが、持ち主であるはずの俺にはそのワードに聞き覚えすら全くない。

 黒歌さんからも白音ちゃんからも聞いた事はないはずだ。オーフィスは基本自分の願望や気持ちしか言わないので論外として。

 じゃあ、神器って何なんだ? ってのが俺の疑問。リアスさんはうん、と頷く。

「神器……それは言わば力の結晶よ。通常は社会規模程度でしか機能しない効果ばかりなのだけれど、モノによれば、神さえも屠ることが出来る代物なの」

「……神を屠る、と来ましたか」

 もう大抵のことでは驚かない俺だが、素直に驚愕する。黒歌さんと模擬戦を数多く熟し、堕天使との戦闘を経験したからこそわかるんだ。

 それは、ヤバい。

 多分中級と同等ぐらいの俺でも、戦いの最中では不可能だが、かなり気を溜めて殴ればビル一つくらいは吹っ飛ばせる。そんなのとは比較にならないだろう神を、さらに屠るとなると。街、島、果ては国まで吹き飛ばすことも出来るだろう。

 なるほど堕天使がわざわざ一人の人間を殺しに来るはずだ。そんなもん使いこなされたら、一人のために世界の勢力図が変わりかねない。

 宿ってるのか、俺に。そんなアホみたいに莫大な力が。それなら……俺は、今度こそ守れるのか? この素晴らしき日々を。

 目を覚ます前、たった一回しか聞こえなかったあの声。あれがその力だとするならば。

 それがどんなモノでも、奥底に眠る、未知の可能性を使って。俺はみんなと生きていきたい。

「イッセー、あなたの神器は、その神をも屠るものかもしれないわ。とても大きな力を持っている、だからこそ堕天使に狙われた。いいえ、これからも命を狙われるでしょう」

 どうするの、と言外に決断を促すリアスさん。

 取るべき道と、歩むべき未来。それはとっくに決まっている。俺には、一つだけしか望みはないんだから。

 俺は――

「……そんな事、させません」

「イッセーの敵は全員殺すわ。今度は私が守る番にゃん♪」

「消し飛ばす」

「確かに平和のために戦うって言おうとしたけどさ、物騒だなおい!?」

 白音ちゃん以外、特にオーフィス! 消し飛ばすって、お前なら他のモノも巻き込みそうだから冗談でも言わないでくれ!

 黒歌さんも、なんで可愛く言うの? 内容は全然可愛くないからね!?

「そう。それが分かってるならいいわ」

 リアスさん苦笑。いやいやツッコんで下さいよ!?



「それにしても、正直、予想外だったわ。あなたが、小猫が言っていた大切な人だったなんてね」

「大切な人?」

 大分場が落ち着いてきた頃。リアスさんが気になることを言い出した。

「そう。小猫をちょっと前に眷属に勧誘したの。この子は戦車として申し分ない才能を持っていたから。でも、結果はダメ。フラれたわ。そのとき、ある人の傍から離れたくないからって断られたの。迷いのない表情で、ね」

 即答なんて、ちょっと悔しかったのよ、とリアスさん。

 ――! そのリアスさんの発言に驚く。白音ちゃん、そこまで慕ってくれてたのか? 確認の意味も込めて胸元の白音ちゃんを見ると、顔を真っ赤にして目を逸らされた。

「本当に慕われてるのね。傷を治すためとはいえ、あなたを下僕にしてしまった。それを知った時のこの子達の顔、凄かったわ」

「当たり前よ。白音にとっても、そこの子にとっても。私にとっても、掛け替えのない大切な人だもの。他人なんかに任せられないに決まってるわ」

 リアスさんは苦笑し、それに珍しく真顔で言う黒歌さん。俺はその様子に、ちょっと場違いだけど感動していた。

 普段あんなに嬉々とた表情でボコボコにされてるから、そのギャップというか、こういうことを言われると凄く嬉しい。

 オーフィスもこくん、と頷く。

 っ。今ちょっと泣きそうだ。

「だから――イッセーは私のものにゃん♪」

 ……は?

「違うわ。私のイッセーよ」

 へ?

 満面の笑みをリアスさんに向ける黒歌さん。それをそのまんま送り返すリアスさん。何これ状況が全く掴めないんですけど。

 ぼうっと二人のやり取りを見ていると、急に腹を抓られる。

「痛っ! ……白音ちゃん?」

「……」

 返事は来ず、帰ってくるのは痛みだった。不機嫌が見て取れる表情で、じとーっと俺を見る白音ちゃん。女の子の気持ちって、本当によく分からないよ……。

「イッセー♪」

「っと」

 今度は背中に黒歌さんが抱き着いてくる。さっきまでリアスさんと喋ってましたよね? なんでこっちに来るんですか?

 ぎゅうううう! さっきとは比べモノにならない強さで抓られる。白音ちゃんはさらに不機嫌になっていた。

「痛い痛いよ痛いってば!」

「……ドスケベ」

「なんで!?」

 俺、特に何もしてないのに……白音ちゃん、ちょっと酷いよ……って、リアスさん? なぜあなたもこちらに来るんですか? ちょっと、かなり……いや、凄く嫌な予感がするんですが?

「楽しそうね。私も混ぜてもらおうかしら」

 ……やっぱりね。そんな事だろうと思ったよ。止めてください、俺の腹が千切れかねません。

 しかし、そんなリアスさんに立ち向かう黒歌さん。ちょうど俺とリアスさんの間に来る。

「下がりなさい」

「あら、イッセーは私の下僕なのよ? 何か不満があるの?」

「当たり前よ。こっちは家族。どっちが優先されるかなんて分かりきってるわ」

「いくら一緒に暮らしていても、書類上は他人よね?」

「一方的でしかない主従よりは、深い関係だと思うわ」

「……」

「……」

 睨み合う黒歌さんとリアスさん。凄く怖い! 本当にここ俺の家か!? この空間、邪気が渦巻いてる気がするんだけど!

 数秒か、数十秒かの戦いの後、先に視線を逸らしたのはリアスさんの方だった。はぁ、とため息をつき、改めて俺を見る。

「まぁ、今はいいわ。イッセー、あなたの無事も確認したことだし、今日は帰るわね」

 時計を見る。夜中と言ってもいい時間帯だった。

 こんな時間までわざわざ俺を看てくれていたってことは、やっぱりこの人は優しいんだろう。

「はい。……あの、ありがとうございました」

「ふふ。また明日ね、イッセー」

 玄関に向かうリアスさんに、改めて礼を。すると、ニッコリと上品に手を振り返してくれる。

 ――。また明日、か。

 バタン、とドアが閉まった。

 ……さて、もう遅い時間だし、いつまでも感慨に耽ってるわけにもいかない。さっさと風呂入って寝よう。

「オーフィス、今日は?」

「我、お泊りする」

「そうか」

 軽く頭を撫でて、お風呂に入っておいで、と促す。で、みんなを風呂に向かわせようとしたのだが。

 黒歌さんの「一緒に入るかにゃん?」なんて冗談めかして発言が、なぜかみんな拒否しないから危うく可決されそうになったから焦った。

 まぁ、そんな度胸が俺にあるはずもなく。結局はみんなを追い立てた。血が繋がってない美少女と風呂はさすがに問題しか無いしな。

 と、多少イロイロあったけど、もう今日が終わろうとしていた。



「で、こうなると」

 俺も風呂に入り、部屋に戻ると、予想通りというか、三人が既に布団に包まっていた。風呂の一件から察していたけど、今日は俺から離れる気は無いらしい。

 電気を消して、隙間に入る。即座にみんなに抱き着かれた。あ、そういや結局修業してないな。……いいか、明日で。

 明日、で。

「お休み。そして――また、明日」

 偽らざる俺の本心、そのまんまを伝える。

 たった一言。でも、一回死んでみると、この言葉を言えることのありがたさが、つくづく身に染みた。

 死んだら、明日もくそも無い。どんなに望んでも、誰とも会うことも、会話することも、出来なくなる。

 それが凄く、恐い。冷たくて、孤独で、凍えてしまいそうになる。そんなのは、嫌だ。

 だから、約束する。大事な家族と、親しい友人と、次の再会を。またふざけあう事を。

「……また明日、です」

「また明日、ね」

「また明日」

 三人が返してくれる。それだけで凄く幸せな気分になれる。暖かい気持ちに、包まれる。

 ありがとう。もう一度、心の中で。そう呟いた。
ギャ グ が 書 け な い。

イッセー死んだばっかりだし当然だけど。なんか寂しい。

さて、もうリアス部長に会っちゃいました。イッセーを家に運ぶ際にみんなに見つかったようです。

にしても、原作乖離が著しい……極力原作沿いのタグ消そうかな……


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