タイトル通りでっす。
ところで……D×Dの中で人気なキャラって誰なんですかねー?
リアス部長の眷属は、まぁ普通に絡みますけど、敵側とかでこの子、あいつと絡んでほしい! みたいなご意見、ありましたら教えてください。
あと、PV一万が思った以上に早そうなんですが、記念とかやりましょうか。その辺についてもご意見下さい。
ほのぼの日常
「イッセー、起きる」
……朝だが、もう何も言うまい。今日はお前か、オーフィス。
修業して、一月経って、小遣いもらった頃にオーフィスにたかられて……と繰り返している内に、俺も高校二年生になっていた。
それなりに勉強を頑張った結果、結構敷居が高い駒王学園という所に無事入学し、元気にやっている。元女子校だから少し肩身は狭いけど、いい学園だと思う。
他の面子はというと、本人の希望もあり、白音ちゃんは塔城小猫という偽名を使って、同じく駒王学園に入学、俺の一つ下で勉学に勤しんでいる。まだ入学した直後だというのに、一年生の中では早くも人気者になったらしい。さすがは白音ちゃんだ。
偽名なのはイロイロ理由があるのだが、ややこしい事情があるので割愛する。
さて、黒歌さんはというと、とっくに大学を出ているらしいので、いまさら高校で学ぶ必要はないとのこと。つまり平日は基本的に一人お留守番だ。
思ったけど、日中何やってるんだろうあの人。気になるような、知りたくないような……。ちょっと恐い。
と、このように年齢だけは進歩した。ただ、生活自体は黒歌さんと白音ちゃん、オーフィスと出会った頃から何も変わっていない。変わった点といえば、俺の身長体重と小遣いぐらいだろう。
黒歌さんも白音ちゃんもオーフィスも、みんな見た目が変わらないんだよな。さすが、寿命も力も人間と違うだけある。
さて、成長した分小遣いが増えたが、その増えた分はそのまんまオーフィスの腹に納まる供物となっているので実質意味はない。
……はぁ。おかげで俺は同年代の中で間違いなく一番質素な暮らしをしている自信がある。別にいいけどさ?
この数年の月日は、俺からオーフィスに遠慮って言葉を覚えさせるのを諦めさせた。駄目っていう度に悲しそうな顔するし。罪悪感に駆られて結局許しちゃうのは、もはやパターン化していると言っていい。
そしてオーフィスはこの数年の内に、朝俺を起こしに来るぐらいにはウチに馴染んでいる。一回家に連れて来ると、何かがお気に召したようで、よく遊びに来るようになったのだ。
まぁ、連れて来た当初こそ、黒歌さんがオーフィスを本気で撃退しようとしていたが。
「イッセー、あれは龍神よ。無限なんて言葉が代名詞にされるほどの、この世界で一、二を争う強者で、危険にゃん。いい?」
「イッセー、ご飯ご飯」
「……これが?」
強張った顔の黒歌さんに、早く早く、と裾を引っ張るオーフィスを指す。本当に龍だったのか、オーフィス。確かに胃袋と純真さは規格外。でも、それ以外は普通の人と変わらないと思うんだけどなぁ。
白音ちゃんも警戒なんて露ほどもせずに、普通にご飯用意してるし。
「……どうぞ」
「白音っ! ……はぁ、もういいわよ……」
「おかわり」
「もう食べたのっ!?」
と言った具合に。思えば、黒歌さんが本気の表情をしているのを見たのは、あの時だけだった気がする。オーフィス、本当にそんなに強いのかな?
「ほらほら、当たり始めてるわよ? もっと頑張るにゃん♪」
「……どんどん行きます」
「あだだだだだだっ無理無理無理無理! ってかコンビネーション良すぎだって!」
あっちは日常サイド。で、こっちは修業サイドとでも言うべきなのか?
今は組み手をやってる。
黒歌さん(化け物級の師匠。実際化け猫)に師事している事もあってか、四、五年も経てば、そりゃ仙術にも多少慣れてくるわけで。
最近の修業といえば、基本はもちろん継続しつつも、気を固めて打ち出してくる黒歌さんと、気で身体強化して攻撃して来る白音ちゃん。この二人の同時攻撃を捌くなんてモノになっている。
だが。
流石は仲良し姉妹といった所か、息ピッタリな上に特に掛け声とかなくても通じ合ってる二人の攻撃には全然隙がない。
仙術のために体鍛えてるとはいえ、限度はあるし、これを捌ききるのは本気で無理だと思う。
聞けば黒歌さんは最上級悪魔クラス、白音ちゃんでさえ上級悪魔クラスの上位よりちょっと劣る程度の実力者らしい。
対する俺。あいあむあひゅーまん。
どうしろと?
と。このように毎朝のようにボコボコにされるのが日課になりつつある上に、最近はそれが悪化している気がする。少しずつ手加減がなくなっていってるようだ。
その分、俺が強くなったといえば聞こえはいいが――
「はい、朝の訓練は終わり! もう学校行く時間だし! 白音ちゃんも早く用意して!」
「にゃん♪」
「……」
「お二方とも、俺をいたぶるの楽しくなってきてない? 朝の訓練は終了だって! ねぇちょっと聞いてる!?」
――それ以外の思惑が見て取れるのは気のせいじゃないよなぁ……
強くはなった、と思う。主に精神的に、だけど。
「だ、大丈夫? 兵藤くん」
「今日はいつにも増して酷く見えるんだけど……」
「あはは、大丈夫だって……」
もちろん嘘だ。元気なんてある訳無い。
ハードワークをこなしてから学校に行くと、やっぱり色々と持たないわけで、机に突っ伏すこともしばしばだ。おかげで結構な頻度でクラスメートに心配されている。……こんなオーバーキルが日常茶飯事ってどうよ……。
しかも、黒歌さんはともかく、最近白音ちゃんまでサドの気が見えてきたのは純粋にショックだったりする。
あんなに可愛い妹分だったのに、黒歌さんの邪なる部分が白音ちゃんに悪影響を与えている気がしなくもない。というか、絶対そうだろう。泣きそうだ。
「うおおおおおおおっ! なぜ、なぜイッセーは女子に心配なんてされるんだ!?」
「はっ……急に三十九度の熱がっ! イッセーなんかよりも重症だ! 誰か俺を看病してくれっ!」
なんて、俺とは別の意味で泣き出しそうな男二人が大袈裟に女子に近寄ろうとするが――
「死ね」
「変態」
「近寄るな!」
「重症なのは頭の中身でしょ?」
「………………」
――女子の容赦ないツッコミで敢え無く地面に崩れ落ちる。
松田、元浜、いい加減学べよ……まずは机の上にあるアレを何とかしてから言ってくれ。学校に持ってくる物でも、異性の目に触れさせる物でもねーよ、そのDVDは。
「くそおおおおおお! そんな枯れたやつのどこがいいんだ! 何で俺達はダメなんだ!?」
「そうだそうだ! 性に生きてこその男! 女子の体に反応しないそこの賢者もどきなんて男でもなんでもない!」
血の涙を流しながら絶叫する二人。俺からすれば、なぜこいつらが自分がモテない理由に気づかないのか、そっちの方が理解できない。
あとな、枯れてなんてないって。俺だって普通の男子高校生さ。ただ、そんなモノに割く金も体力もない……正確には奪われてるだけだっての。
「……イッセー先輩。一緒にご飯食べに行きましょう」
「わかった、いま行くよ」
昼飯時、白音ちゃんがお弁当を携えてウチの教室にやってきた。その顔はちょっぴり恥ずかしそうだ。
最近は俺達の昼食はお弁当なのだが、それは白音ちゃんの花嫁修業の一環として、黒歌さんと一緒に白音ちゃんが作ったものなのだ。
実質手料理みたいなものだし、それを振る舞うのに緊張してるのかもしれない。が、修業をさせる方なだけあって、黒歌さんの腕前も相当なものなので、俺としては結構楽しみだったりする。
「またイッセー……だと……」
「言うな、元浜……これがいい顔を持つ者と持たざる者の差なんだ……」
「いや、お前らはまずオープンスケベを直せよ」
ざわつく教室の中で一際目立つ、俺が毎朝訓練という名の虐めで味わっている絶望、それに勝とも劣らない表情の二人に思わずツッコむ。二人とも、黙ってればそれなりにモテそうなのにもったいない。
「くそう! 勝ち組に何を言われても全然俺達の心には響かん! 全ッ然、悔しくなんてないからな!」
「そうやって俺達を嘲笑いながら、どうせその美少女な後輩ちゃんに、あーんとかしてもらうんだろう!? ちっくしょおおおおおお! リア充爆発しろおおおおおおお!」
それ、どんな嫌なやつだよ。つか白音ちゃんとはそんな関係じゃないんだけど。
「んなわけないだろうが。ほら、行こう小猫ちゃん」
「……せ、先輩に……お兄ちゃんに、あーん……」
「小猫ちゃん!?」
ちょっと、地が出てるんですけど!? ダメだってここでお兄ちゃんとか呼んじゃ!
……この教室に白音ちゃんを来させるのはやめた方がいいかもしれない。悪影響、受けすぎだよ……。
「どう、白音。学校は楽しいかにゃ? あと二百十回」
「……はい。みんないい人ばかりです。それに……お兄ちゃんが優しくしてくれます。あと二百七回です」
「そう。良かったにゃん♪ あと二百五回よ」
「イッセー、我、学校行きたい。二百二」
「……それは……無理……だよっ」
放課後。家に帰ると同時に黒歌さんに引っ張られ、三人を乗せて、腕立て伏せ五百回の訓練中。朝も訓練夜も訓練。いつもの事ながら、この修業はキツすぎる。
もう黒歌さんは猫又から鬼にジョブチェンジすればいいと思う。割と本気で。悪魔で鬼、ピッタリじゃないか? この仕打ちに。
……ただ、それにしてはやっぱり優しいんだよね、黒歌さん。白音ちゃんには。姉妹の触れ合いの時は、穏やかな笑みまで浮かべてて可愛いのに。料理も上手いし美人だし、性格以外は完璧だよ本当。何で俺には優しくしてくれないんだろうね……。鬼っ、悪魔っ!
……っ。いきなり、背中からとてつもない気配が立ち上りはじめる。
恐る恐る見てみると……黒歌さんがそれはそれは冷たい笑みを浮かべていた!
「へえ、そんな事思ってたのかにゃん♪」
「……言葉に出てます、お兄ちゃん」
「え、マジ?」
冷や汗がドッと吹き出す。聞かれた? 思ってること全部聞かれた? え、最後だけ? ダメじゃんそれ一番ダメなパターンじゃん!
あの、黒歌さん? 今のは別に他意はなくてですね、って黒歌さん、腕つつくのはマジでやめてくださいって! ちょっ倒れるから倒れるから!
白音ちゃんも苦笑いしてないで助けて……いや黒歌さんに加勢しろなんて誰も言ってな――
ちょ、こらオーフィスも、跳びはねないで! 凄く腕にくるからそれえっ!
――拝啓、誰かさん。兵藤家は今日も通常運転です。
「きょ、今日も疲れた……」
「お疲れ様」
「……お疲れ様です」
夜になってオーフィスも帰った。そしてさっきようやく訓練が終わったので、風呂でよく体を解し、ベッドに仰向けに寝転がる。少し遅れて、白音ちゃんたちが横にくる。
で、くっついた後、ポウっと。仙術を使って体を癒してくれる。疲労回復にも使えるってのが凄いよな。それに、これが凄くポカポカして気持ちいい。
「いつもありがとな」
「ふふ、お安いご用よ」
「……はい」
ぎゅっと抱きしめてくれる黒歌さんと白音ちゃん。なんだかんだ言って、アフターケアはきちんとやってくれるし……この時間は、凄く安心する。
「……ふぁ……」
毎日少しだけこうして仙術をかけてくれる二人だけど、さすがに白音ちゃんも眠そうだ。欠伸してる。かく言う俺も、眠いけど。
「白音、今日はここで寝るかにゃん?」
「……ふぇ? は、はい……」
白音ちゃんを慈愛たっぷりに撫でる黒歌さん。普段は普段だけど、こういう時は凄くお姉さんっぽくて素敵だ。
二人とも、改めて布団を被る。
「あんまり、良くはないけどな」
男女七歳にしてってやつだ。もう古いと言われればそれまでだけど、嫁入り前の女の子が年頃の男と同じ布団に入るのはどうかと思う。
まぁ、それでも――
「――たまには、いいよな……」
だって、血が繋がってなくても家族だしね。
二人をぎゅっと抱き返して、目を閉じる。……家族っていいなぁ、本当。
羨ま……ゲフンゲフン、楽しそうな日常を送った原作前最後のイッセーです。いいなー。XEIも小猫ちゃんぎゅってしてみたい。
さて、虐められたイッセーですが、修業の成果で今の彼なら人間の状態でも下級堕天使にぐらいには余裕で勝てます。中級は厳しいけど、悪魔になれば……言わずもがな。レイなんちゃらには負けません。……油断、しなければ、ね。
さ、次回はいよいよ原作ですよー。
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