「風鳴さんの作品、最高に面白かったです。サササッ! とレヴュー書かせていただきました」
感想欄の二番目を飾る人物の名前は知らない名前ではない。
むしろ色々な感想欄やお気に入り小説の作者の活動報告に登場する名前である。
まさか、接点を持つとは夢にも思わなかっただけで。
「で。どこをどう間違えたらこうなるのよ」
潤子はフラフラする頭を抑えて呟いた。やっぱり貧血がよくないんだ。
というか、さっさと止血しろ。ちょっとヤバい。
「大丈夫。昨日の晩レバー食べたから」作者の地の分にレスすな。独り言ならもっとヤバいけど。
「……」
潤子はユーザーページの上部を飾る。初めて見る赤い文字の集まりに閉口していた。
左上にはメッセージの着信を知らせる文字。ユーザーページ上にはレビューの追加と感想、そして活動報告の更新を知らせる赤いメッセージ。
もうパチンコならジャンジャンジャラジャラの777状態だ。
「ナニコレ」
なにこれって言われても。
レビュー着信と感想欄更新と活動報告のコメント一覧更新を知らせるメッセだが。
潤子はとりあえず。レヴューを見た。
自分の作品に初のレビュー! 遂に自分の作品が認められたのかっ?!
『虹の都のレビュー』と書かれていた。
「ナニコレ」自分で書いた作品だろ。覚えておけよ。
先日の話である。
……某小説の感想欄を見ていたら、自分の作品の感想欄と違い、更新のたびに超盛り上がっている。
……急にカッとなった潤子は、コトもあろうに……。
「チ●ポチ●ポ、そんなにチ●ポが好きかぁぁぁぁ??!
わたしゃ好きでもないのに毎日5本は銜えているわぁ~~~~~~~~! 」
と、ブチキレ(理不尽にも程がある)、性器やら糞尿やらのネタ満載の歴史物をコメディジャンルでUP。
そのまま酒飲んで寝てしまったが、寝ている最中に店から急にヘルプ要請が来たうえ、
「遅刻したら給料差っ引く」と理不尽な命令を受けて店に入り、
予約3件他の子の代わりにこなすだけと思ったら延長二回突入。
其の上更に『みるくちゃん指名入ったよ~! 』と仕事用のケータイに着信。
「死ねっ! 」と大声で叫びそうになりながら何とか入ったら、120分フルタイムで奉仕する羽目になった。
フラフラになりながらホテルを出、『みるく』こと潤子が
『お店』の待機室を出たときには日付が変わっていた。
そして、帰宅し、一息ついて。PCを確認してみたら。
「ナニコレ」
最初の状況に戻る。というか、一息ついて手首切るな。
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