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中国茶・アジアの誘惑―台湾銘茶紀行
中国茶・アジアの誘惑―台湾銘茶紀行
平野 久美子著
エディション: 単行本
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 中国茶のいろいろ, 2012/7/13
 著者はお茶や台所について著作の多い女性。
 本書は、中国茶について、その種類や飲み方、茶館、お茶請けなどを総合的に紹介したもの。台湾が中心になっている。
 多数の中国茶が出ており、それぞれの歴史や特徴、入れ方についても丁寧に書かれている。中国茶の入門書として、なかなかいいのではないか。
 第4章の台湾の茶館を訪ねてまわった紀行文がおもしろい。それぞれの店に個性があり、店主たちの人柄もいい。

幽霊―メイド・イン・ジャパン
幽霊―メイド・イン・ジャパン
暉峻 康隆著
エディション: 単行本
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 文芸上の幽霊, 2012/7/13
 著者は国文学の専門家。長い研究生活のなかで、いつか幽霊を題材にしたいと考えていて、80才を過ぎて本書を執筆したのだという。
 本書は、古代〜明治までの文芸作品にあらわれた幽霊を取り上げ、簡単に日本の幽霊の歴史を紹介したもの。
 日本神話の黄泉の国から始まり、『今昔物語集』、『源氏物語』、能のなかの亡霊たち、井原西鶴、『因果物語』、三遊亭円朝までが論じられている。それぞれ、どんな場面であらわれるのか、どのように描かれるのか、文芸作品中で幽霊のもつ効果などが分析される。しかし、あまり一貫した論じ方はされておらず、分析の説得力という点でもどうなのか。
 ところどころ、やたらと砕けた口調で書かれているのに違和感がある。

駅弁旅行 (1967年) (カラーブックス)
駅弁旅行 (1967年) (カラーブックス)
石井 出雄著
エディション: -
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 2.0 駅弁の魅力と旅, 2012/7/11
 1967年に保育社カラーブックスの第124巻として出たもの。小型の図鑑である。ちょっと出版が古いので、実用的なガイドブックとしては使えないだろう。しかし、当時の駅弁事情を知るにはおもしろい。
 著者は写真家。郷土料理の本などがある。
 本書の前半部分では、全国各地の駅弁が写真で紹介される。半分弱がカラー。大まかには地域・路線ごとに取り上げているのだが、なんだかゴチャゴチャしていてわかりにくい。有名どころがメインで、森のいかめし、高崎のだるま弁当、富山のますのすしなどなど。いまではデザインの変わったもの、消えたものもあり、また値段が現在と比べてものすごく安いことに驚かされる。
 後半は文章で駅弁についていろいろ語ったもの。ホームに立つ駅弁売りが消えつつある事情、プラスチック容器への移行への不満などが書かれており、時代を感じさせる。イタリアやオランダの駅弁事情が出ているのも興味深い。ただ、文章に難あり。

深海生物の謎 彼らはいかにして闇の世界で生きることを決めたのか (サイエンス・アイ新書 32)
深海生物の謎 彼らはいかにして闇の世界で生きることを決めたのか (サイエンス・アイ新書 32)
北村 雄一著
エディション: 新書
価格: ¥ 1,000
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 4.0 ナマコたちの世界, 2012/7/10
 著者は科学・生物関係のライター。
 本書は、深海の生物たちを多数のカラー写真を使いながら紹介したもの。
 図鑑ではない。
 ナマコが中心で、シロウリガイ、シンカイヒバリガイ、ユノハナガニ、ソコダラ、エゾイバラガニなども。
 初島沖に深海底に設置された観測ステーション、深海調査船などが撮影した写真を用いて、深海の生きものたちの生態が語られていく。有名な熱水/湧水の生物群、鯨の死体の生物群のほか、ナマコたちの世界が取り上げられているのがおもしろい。浅い海のナマコとは異なり、柔らかく透きとおった体で、ゆらゆらと揺れながら暮らしているのだ。近年では動画で観察することで、深海生物たちの生活がよくわかるようになってきており、その生家が取り入れられているのが嬉しい。
 ただ、登場する生物のほとんどはグロテスクなので、読者の限定される本ではある。

世界の熱帯魚 (ポケット図鑑)
世界の熱帯魚 (ポケット図鑑)
阿部 正之著
エディション: 文庫
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 4.0 色とりどりの魚たち, 2012/7/10
 文庫版の図鑑である。
 日本で流通している個人飼育用の淡水熱帯魚がカラー写真で紹介されている(一部、汽水域のものを含む)。
 300種類あまりをカラー写真で並べ、それらの飼育の難易度、適切な水温や水質、飼育のコツ、どのくらいの大きさになるか、他の魚といっしょに飼えるかなどが簡潔に解説している。
 カラシン、コイ・ドジョウ、シクリッド、グッピー、ナマズ、古代魚などに分けられているのだが、鮮やかな体色をしていたり、変な姿をしていたり、顔立ちが可愛かったりと、見ているだけで楽しくなってくる。
 きちんとした魚類の研究者が監修に加わっているようで、内容も信頼できる。

ホペイロの憂鬱 JFL篇 (創元推理文庫)
ホペイロの憂鬱 JFL篇 (創元推理文庫)
井上 尚登著
エディション: 文庫
価格: ¥ 651
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 4.0 楽しい仲間たち, 2012/7/9
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
 2009年に出た単行本の文庫化。
 「ホペイロ坂上の事件簿」シリーズの第1弾。
 6本を収める短編集だ。JFLに所属するプロサッカーチームのホペイロが主人公となっている。ホペイロとはスパイク係だが、この物語では実質的に雑用係であり、クラブで起こる事件を担当・解決していくことになる。
 日常の謎系のストーリーで、洗濯物に混じっていた指輪の持ち主を捜したり、ポスターが盗まれる理由を解き明かしたりと、小粒なミステリが多い。謎そのものにはあまり工夫はなく、最初から結末の見えてしまうようなものも少なくない。しかし、巧みな語り口のおかげであまり不満は感じなかった。
 どちらかというと、登場人物の魅力で読ませるタイプの本だ。生き生きと描かれており、みな癖があって楽しい。柔らかなユーモアも心地よい。

都会(まち)の野鳥は夜も飛ぶ―新発見!おもしろ生態学 (ノン・ポシェット―ノン・ポシェット・ビジュアル)
都会(まち)の野鳥は夜も飛ぶ―新発見!おもしろ生態学 (ノン・ポシェット―ノン・ポシェット・ビジュアル)
唐沢 孝一著
エディション: 文庫
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 写真で紹介する不思議な生態, 2012/7/7
 唐沢孝一さんは都市にすむ鳥の研究家。叶内拓哉さんは野鳥の写真家。
 本書は、「ノン・ポシェット・ビジュアル」シリーズの一冊で、カラー写真を多用した文庫本である。
 都市の鳥の写真を中心に構成され、簡単な解説が付いている。庭の餌台のミカンをつついているヒヨドリ、公園の水飲み場に残された野鳥たちの糞、雀蜂の古い巣をスズメが巣にしたもの、横断歩道の道路標識の隙間にかけられたカワラヒワの巣、カラスの巣材に利用されたハンガーなどなど。
 都市にどんどん野鳥たちが進出し、たくましく生き延びている姿がおもしろい。
 軽く読んで楽しめる本だ。

写真は心で撮ろう (岩波ジュニア新書)
写真は心で撮ろう (岩波ジュニア新書)
石川 文洋著
エディション: 新書
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 私の写真, 2012/7/7
 岩波ジュニア新書だが、大人が読んでも充分に勉強になると思う。
 タイトルだけ見るとカメラ技術の実践的な内容かと思ってしまうが、そうではなく、著者のこれまで撮ってきた写真を紹介しつつ、平和や戦争について考えさせるような本であった。
 著者は沖縄出身のカメラマンで、ベトナム戦争や沖縄をテーマとした写真を撮ってきたことで知られる。本書は、半生記と写真が半分ずつくらいで構成されている。写真の部では、ベトナム戦争で殺された人、カンボジアの虐殺の被害者、沖縄の本土復帰、阪神大震災などを撮ったものを示し、簡単な解説を付けている。ほぼすべて白黒。人間の残酷さや狂気について考えさせられるような作品が多い。
 戦場で犠牲者となった報道写真家たちのことも。こんなにも殺されているのかと驚く。

カラー版 里山を歩こう (岩波ジュニア新書)
カラー版 里山を歩こう (岩波ジュニア新書)
今森 光彦著
エディション: 新書
価格: ¥ 1,029
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 4.0 里山の愉しみ, 2012/7/7
 岩波ジュニア新書のカラー版である。多数のカラー写真が美しい。
 著者は写真家で、昆虫や里山をテーマにした著作が多い。
 里山とは、里と山が接するあたりのこと。田畑、林、川などが混じった総合的な環境で、「山」の部分も手つかずの自然というわけではなく、人びとが歴史的に利用・整備してきた場所なのが特徴。
 本書では、著者の暮らす滋賀県大津市の仰木地区が取り上げられている。
 多数の写真を中心にして里山の魅力を伝えようとしており、農作業や祭り、木材の利用、どんな動植物が見られるのか、開発と後継者問題などなどが、里山という一体的な空間の中で説明され、よく理解できるようになっている。
 2008年には続編『里山を歩こう Part2−わき水の里から琵琶湖へ』も出ている。

上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈4〉萬事気嫌よく (ちくま文庫)
上方落語 桂枝雀爆笑コレクション〈4〉萬事気嫌よく (ちくま文庫)
桂 枝雀著
エディション: 文庫
価格: ¥ 945
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 4.0 「アホ」たち, 2012/7/4
 「桂枝雀爆笑コレクション」シリーズの第4弾。
 「代書」「貧乏神」「道具屋」「いたりきたり」「延陽伯」「軒付け」「つぼ算」「ロボットしずかちゃん」「猫の忠信」「時うどん」「くやみ」「夢たまご」「どうらんの幸助」の13編が収められている。
 昭和56〜平成9年にかけてあちこちで口演され、東芝EMI『枝雀落語大全』CD版などに入っているものを活字として起こしている。
 大阪でいうところの「アホ」が登場する話が多い。馬鹿で憎めない主人公がいろいろひっかきまわすという展開で、その会話の噛み合わなさや突飛な行動が楽しい。

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