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昆虫の世界へようこそ (ちくま新書)
昆虫の世界へようこそ (ちくま新書)
海野和男著
エディション: 新書
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 4.0 昆虫を撮影する, 2012/6/24
 著者は昆虫写真家として著名な人物。類書も多い。
 本書は、これまでに撮りためた写真の中から数十点を紹介し、また昆虫の生態、写真の撮影法、撮影体験記などをいろいろと語ったもの。
 とにかく写真がいい。独特な質感があり、手触りまで伝わってくるようだ。また、図鑑の写真などとは違って背景まできちんと入れ、生態まで分かるように撮影している点が素晴らしい。
 文章にはやや不満が残る。まとまりがなく、イマイチ説明も下手。しかし、熱帯地方での撮影記などにはワクワクさせられた。また、長年撮影をつづける中での「発見」が語られているのも楽しい。

鏡の魔術 (中公文庫)
鏡の魔術 (中公文庫)
由水 常雄著
エディション: 文庫
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 4.0 鏡の文化史, 2012/6/24
レビュー対象商品: 鏡の魔術 (中公文庫) (文庫)
 1978年に鹿島出版会から出た単行本『鏡:虚構の空間』の改題・文庫化。
 著者はガラス工芸・美術史の専門家。
 本書では、古代の金属鏡と、それから近世ヨーロッパのガラス鏡の技術史・美術史を取り上げている。
 金属鏡については東西の例が挙げられ、それぞれの装飾の特徴などが解説されている。
 ガラス鏡については、ヴェネツィアやフランスでの製造技術が詳しく書かれている。ほとんど知られていない側面であり、きわめて興味深い。
 近世ヨーロッパの鏡の写真が数十点も掲載されており、その優美さと装飾の豪華さに驚かされる(カラーでないのはちょっと残念だが)。さらに王宮や貴族の館では鏡を室内装飾として壁や天井に多数をはめ込むことが多く、そうした実例が示されているのも勉強になる。鏡というものがいかに貴重だったかが良く分かった。

日本の火山災害―記録による性格調べ (ブルーバックス)
日本の火山災害―記録による性格調べ (ブルーバックス)
村山 磐著
エディション: 新書
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 火山災害の恐ろしさ, 2012/6/24
 著者は古記録から日本の火山災害を研究していた人物。主著に『日本の火山』(全三巻)があり、本書はそれらから抜粋し、読みやすくまとめたものとなる。
 まず火山現象についての分類から始め、一次災害と二次災害の区別などが行われる。そして実際に大規模な被害を出すのは熱雲や泥流や津波であるとして、それらを中心に噴火の記録をたどっていく。
 天明3年浅間山の噴火の際の熱雲、完成4年雲仙噴火に伴う前山崩壊によって引き起こされた津波、さらには火山灰による天候不順と飢饉の関係までが説明されている。
 全国の火山と、その噴火の記録の簡単な紹介も。
 ただ、この分野は研究の進展が著しく、1977年に出た本書では内容が古い箇所も少なくない。
 姉妹編に『世界の火山災害』(古今書院,1982年)がある。

日本全国おばけマップ―ココに行けばきっと会える!? (大陸文庫)
日本全国おばけマップ―ココに行けばきっと会える!? (大陸文庫)
おばけ友の会著
エディション: 文庫
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 2.0 雑なつくり, 2012/6/23
 日本全国の幽霊や妖怪の出現スポット、怪奇現象のあった場所などを照会した本。
 ホテルの部屋に自殺した人の霊が……といった現代の話が多いが、番町皿屋敷や四国の妖怪・山爺なども。
 巻末には『水木しげるの妖怪事典』や『日本の死霊ゾーン』がネタ本として挙げられている。
 地図、絵、解説による「マップ」なのだが、それほど詳細な地図というわけでもなく、これだけで実際に見に行くのはちょっと難しいだろう。
 きわめて雑なつくりの本であり、文章は未整理、絵は別の話のを間違って掲載してしまっているのまである。

日本の食事様式―その伝統を見直す (中公新書 598)
日本の食事様式―その伝統を見直す (中公新書 598)
児玉 定子著
エディション: 新書
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 歴史的な栄養, 2012/6/23
 著者は栄養学の観点から日本の近世・近代の食を研究していた人物。
 本書は、1970年代に日本の伝統的食事が礼讃され、そうしたものへの回帰が叫ばれていたのに対して、実際の伝統的食事はどのようなものだったかを明らかにし、さらにはそれらの栄養学的分析を行っている。
 江戸時代の和食についてさまざまな資料からデータを集め、それらが現代の我々が考えるような「和食」とは大きく異なるものだったことが示されている。特に明治維新による断絶が強調され、それ以降の洋食の導入についても詳しく解説されている。
 全体的には、近世の和食が栄養の足りないものだったことが述べられ、安易な伝統食礼讃が戒められている。具体的にどういった栄養分や食品が足りず、あるいは多すぎたのかも書かれている。こういう切り口の本はあまりなく、貴重だ。

不思議の国スイス (1977年) (駸々堂ユニコンカラー双書)
不思議の国スイス (1977年) (駸々堂ユニコンカラー双書)
吉田 康彦著
エディション: -
在庫状況: 現在お取り扱いできません

5つ星のうち 3.0 武装と中立, 2012/6/23
 駸々堂ユニコンカラー双書の47巻。
 カラー写真をふんだんに使った新書版の図鑑・解説書である。
スイスの政治、歴史、産業について写真を交えて分かりやすく解説した本。ウィリアム・テルの伝説、国民投票制度、永世中立国である理由、外国人労働者、時計産業、銀行業など。
 国民皆兵による武装中立の実態などが紹介されており、興味深かった。アルプスと観光の国というのだけではないスイスの姿が見えてくる。

スケッチ 全国町並み見学 (岩波ジュニア新書)
スケッチ 全国町並み見学 (岩波ジュニア新書)
片寄 俊秀著
エディション: 新書
価格: ¥ 819
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 3.0 都道府県ごとに, 2012/6/20
 著者は都市工学、環境設計の専門家。一方で「町並み旅絵師」と自称して全国を旅し、歴史的町並みの保存運動にも関わっているという。
 本書は各都道府県から町をひとつずつ取り上げ、紹介したもの(ただし、沖縄、兵庫、神奈川、東京、北海道は2箇所ずつ)。美々津、柳川、内子、竹原、龍野、富田林、足助、妻籠、佃島、安中、酒田、弘前、小樽などなど。
 町並みのスケッチが付いているのがいい。柔らかみのあるタッチで雰囲気を伝えてくれる絵だ。
 文章では、歴史、町並み、現状、保護運動などが簡単に紹介されている。
 ただ、一ヶ所に付き4ページと短く、やや物足りなさを感じた。

買えない味 (ちくま文庫)
買えない味 (ちくま文庫)
平松 洋子著
エディション: 文庫
価格: ¥ 714
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 3.0 日々の生活で, 2012/6/20
レビュー対象商品: 買えない味 (ちくま文庫) (文庫)
 2006年に出た単行本の文庫化。
 雑誌『danchu』連載の「台所の時間」を本にまとめたシリーズの一冊。
 各回3ページ程度の短いエッセイ50篇が収められている。さらりと読めて味わいがあり、ファンにはたまらないシリーズだろう。
 箸置き、テーブルクロス、野菜の皮とへた、冷やご飯、まな板、トング、買い物かご、皿洗いなど、日々の料理にまつわるちょっとした話題が取り上げられている。仕方なく食べてみた冷やご飯が意外に美味しかったこと、まな板をついつい何種類も揃えてしまうこと、家で皿洗いは誰の担当になっているかなどが軽いタッチで描写され、ああ、こういう台所っていいなあと思わされる。
 いつもの調子で安心して読めた。

熊本もっこすラーメン 123g×10個
熊本もっこすラーメン 123g×10個
価格: ¥ 980
在庫状況: 在庫あり

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5つ星のうち 4.0 濃厚なスープ、歯ごたえのある麺, 2012/6/20
Amazon Vine 先取りプログラム™ メンバーによるカスタマーレビュー (詳しくはこちら)
 熊本県下益城郡城南町にある五木食品が製造している。
 熊本のラーメンと言ってもいくつかイメージがあると思うが、これは濃厚な豚骨スープ、細い麺、黒いマー油のタイプとなる。
 とにかくスープが濃厚。こっくりとした旨味があり、ついついご飯を投入したり替え玉がしたくなってしまう。
 麺は細くて白いストレートのもの。小麦粉の風味を感じる。歯ごたえがいい。
 そして、ニンニクの風味の強いマー油が全体を引き締め、独特の味わいを与えている。
 乾麺で85グラム。ゆであげ、食べたときの感想としては、量的にやや少なめといったところだ。
 ちなみに「もっこす」とは、熊本の方言で「意地っ張り、頑固者、一徹者」のことを指す。

イギリス近代史講義 (講談社現代新書)
イギリス近代史講義 (講談社現代新書)
川北 稔著
エディション: 新書
価格: ¥ 798
在庫状況: 在庫あり

5つ星のうち 5.0 イギリス史の総まとめ, 2012/6/19
 近代イギリス史研究の泰斗である川北稔さんが、50年あまりの研究人生のなかで理解・把握してきた「近代イギリス」の姿を総まとめにした本である。
 都市の生活文化と人口移動、産業革命の効能と衰退、世界システム論、ジェントルマン資本主義の行方……。それらについてデータや実例を挙げつつ、分かりやすくまとめてくれている。
 世界的な歴史の動きの中で近代イギリスを位置づけており、非常にダイナミックで興味深い。また、イギリスの独自性が近代世界を発展させたのだとする指摘も重要だ。
 さらに、講義というかたちで自由にしゃべった内容を本にしているため、論文や学術書には書きにくいような推測や感触といったものが多く語られている点もおもしろい。生活水準論争は結局どうなのかとか、産業革命の出発点がどこにあるのかとか。
 イギリス近代史を学ぼうと思ったら、最初に読むべき本のひとつだろう。

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