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【大リーグ】

元ナショナルズの鷲谷、陸上転身 駒大苫小牧高でマー君と同級

2012年7月14日 紙面から

陸上選手に転身し、練習で汗を流す元ナショナルズの鷲谷修也さん=東京都内

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 駒大苫小牧高時代に現楽天の田中将大投手(23)のチームメートとして甲子園を沸かせた元ナショナルズ傘下ルーキーリーグの鷲谷修也元外野手(23)が、陸上短距離選手に転身したことが13日、明らかになった。帰国後に日本の独立リーグでプレーしたが、右肩故障で現役引退を決め、4月に上智大外国語学部に編入学。新たな挑戦として陸上部の門をたたいた。現在は100メートルを猛特訓中で自己ベストは今月初めの練習でマークした11秒19(手動)。今秋に10秒台に突入し、まずは大学選手権(インカレ)出場を目指す。最終目標はもちろん2016年のリオデジャネイロ五輪だ。

 バットを捨て、グラブもヘルメットも捨てた。楽天・田中の高校時代の同級生で米球界もかじった鷲谷が大学の陸上選手に華麗に転身。裸一貫で新たな人生を踏み出した。

 「野球はもうおなかいっぱい。もともと40歳で引退しても大学には絶対に行きたいと思っていた。それで編入試験を受けました。そこで出合ったのが陸上だった」

 高校卒業後は波瀾(はらん)万丈だった。ナショナルズに14巡目でドラフト指名されたのが米デザート短大に留学中の2009年。日本人では02年の坂本充(ロッキーズ)に次いで2人目となるドラフトでの入団を果たし、日本のメディアにも騒がれた。

 「ルーキーリーグでは(現エースの)ストラスバーグとロッカーが隣同士だった。1年たって監督に呼ばれたのでやっと上に行けるかと思ったら解雇の通告。右肩を悪くしたので仕方なかった」。わずか1シーズンで解雇され失意のまま帰国。その後独立リーグのベースボール・チャレンジ(BC)リーグ・石川でプレーしたが、思うような結果を残せず、現役引退を決意した。

 そこで思い立ったのが大学受験。990点満点の英語能力テストで945点の高得点をマークするなど米国時代で培った語学力を生かし、昨年12月に上智大学の編入学試験に一発合格した。

 入学直後は就職活動を最優先にするはずだった。が、自分の運動能力をどこかで生かしたい。野球選手時代に走塁を教わった日本人コーチの指導で50メートルを5秒7で走れるようになったことから短距離走に強い興味を抱くようになり、思い切って陸上部に入った。

 「田中とは連絡をたまに取ってるけど、陸上選手になったことは教えていないので、知ったら驚くでしょうね」。専門は100メートル走で自己ベストは練習で記録した11秒19。現在は東京都内の練習施設で猛特訓を続けており、まずは関東インカレの参加標準記録10秒8(男子2部A)の突破が目標だ。

 「秋には10秒台に乗せられると思う。できれば9秒台にも…。オリンピック? 夢としては当然あります」。かつてはハンカチ世代と呼ばれた1988年生まれ組では異色の存在。幾多の挫折と成功を重ねてきた鷲谷が“トラックの星”として新たな道を突き進む。 (鶴田真也)

マーがエール 

「頑張って」

 ○…13日の日本ハム戦後、鷲谷の陸上競技への転身を本紙記者から伝え聞いたプロ野球楽天の田中投手は「そうなんですか。知らなかったです。そんな話は聞いていなかった」と驚いた表情を見せたが、最後は「頑張ってほしいですね」と元チームメートにエールを送った。

 

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