五十嵐、天国の祖父にベルト捧げる…ＷＢＣ世界フライ級

ハロの予備検診を見つめる五十嵐（右）

　◆報知新聞社後援　プロボクシング世界戦　▽ＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチ　王者・ソニー・ボーイ・ハロ─同級１位・五十嵐俊幸（１６日、埼玉・ウイングハット春日部）　１３日、都内でダブル世界戦の予備検診が行われ、出場４選手いずれも異常なしと診断された。ＷＢＣ世界フライ級１位の五十嵐俊幸は、幼い頃に亡くした祖父に世界のベルトをささげることを誓った。

　五十嵐が、天国の祖父に世界王座奪取を約束した。０４年アテネ五輪出場時から、試合の日には父方の祖父・甚之丞（じんのじょう）さん（享年６２歳）の写真を常にかばんに忍ばせている。「２歳の頃に亡くなったのでほとんど記憶がないが、毎日膝の上に乗せてご飯を食べさせてくれていた」とあふれる涙で声を震わせ、「ベルトを持ってお墓に報告に行きたい」と目頭を押さえていた。

　検診会場で、ハロと初対面。王者とは意識的に目を合わせることを避けたが、「報道ですごい体をしていると聞いたので」と規格外のマッチョボディーをチラ見し、「すごい筋肉をしているが、これは必要な筋肉かな？」とけん制した。０８年に後援会が発足したが、最初の試合を見に来た人は５人だけ。今回は５００人の大応援団が駆け付けるという。