内山「王座統一ボディー」でＶ５！粟生戦も見据える…ＷＢＡ世界Ｓフェザー級戦

予備検診を受ける内山（右）（後方はファレナス）

　◆報知新聞社後援　プロボクシング世界戦　▽ＷＢＡ世界スーパーフェザー級タイトルマッチ　王者・内山高志─同級６位・マイケル・ファレナス（１６日、埼玉・ウイングハット春日部）　ＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者の内山高志が発展途上の「王座統一ボディー」でＶ５を達成する。１３日、都内でダブル世界戦の予備検診が行われ、出場４選手いずれも異常なしと診断された。２年半前から師事する土居進フィジカルトレーナー（４１）の指導で、今後見据える王座統一戦、海外でのビッグマッチといった試合にも耐えうる肉体に改造していることを明かした。ＷＢＣ世界フライ級１位の五十嵐俊幸は、幼い頃に亡くした祖父に世界のベルトをささげることを誓った。

　内山は検診結果を見ても表情を変えなかった。ファレナスに身長で７・３センチ、リーチ８・９センチ上回ったが、そんなものは関係ない。前回、昨年大みそかの４度目の防衛戦から体格を示す数値はほぼ変化なし。「今回から体の中心部の筋肉を鍛えている。少しでも試合で成果を出せればいい」とうなずいた。

　卓越した技術と理詰めの攻撃、そしてとどめのビッグパンチでＫＯの山を築いてきたのは、将来の大一番を見据えているからだ。「この階級でステップアップするための体づくりを始めた」。２０１０年１月の世界奪取の直前から指導を受ける土居氏と話し合い、週に２～３回の筋トレに約２か月前から新たなメニューを加えた。

　「以前から下半身の弱さが気になっていた」と土居氏。バーベルを使ったスクワットで太もも裏、トレーニングマシンで背中や腰回りといった体幹の筋力強化を図っている。下半身の踏ん張りがきけば、体の軸が安定してハンドスピードが速くなり、多少体勢が崩れてもパンチの強度を落とさずに打てるという理論だ。

　内山は「スパーリングで相手ともみ合った時や疲れた時でも強いパンチを打てるようになった。体のラインも変わってきたと思う」と手応えをつかみつつある。次戦で期待されるＷＢＣ王者・粟生隆寛（帝拳）との王座統一戦や将来の米国進出を視野に入れるが、土居氏は「強豪相手だと、今までのようなきれいな戦い方で勝てなくなるかもしれないので底上げが必要」と説明した。

　手つかずだったパーツが強くなれば、内山はさらに「怪物」となるはずだ。「自分の手が上がっている姿だけをイメージする」と今は目前の試合に集中。肉体改造中のＶ４王者はファレナスで腕試しする。