社説:日中韓のきしみ 誤解や臆測が負を生む

毎日新聞 2012年07月14日 02時30分

 日本と中国、韓国の関係がきしんでいる。見なれた光景だと言えば言えるが、今年は中国が10年に1回の指導部交代の年、韓国は5年に1回の大統領選挙の年とあって、両国ともリーダーはいつにまして内向きにならざるを得ない。日本は不安定な政局が毎年のように続き、腰を落ち着けた近隣外交ができる状況をつくることができない。この後ろ向きのサイクルから、3国はどうすれば抜け出すことができるのか。

 野田佳彦首相が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化方針を明らかにしたあと、中国の漁業監視船が尖閣付近の領海侵入を繰り返し、挑発行為に出ている。今年は日中国交正常化40周年の節目の年だが、日中の絆を確認し、基盤強化をうたう環境にはほど遠い。韓国とは、北朝鮮の脅威に共同対処するための軍事情報包括保護協定署名が、韓国側の都合で土壇場で延期となった。過去の植民地支配をめぐる複雑な感情から、日本と軍事面での協定を結ぶことに野党が反発したためとされる。

 戦後67年がたって中国は世界第2の経済大国となり、韓国も先進国の仲間入りをした。ともに生活水準は高まり、国力に自信をつけ、日本との力関係もかつてとは様変わりしている。日中韓の相互依存の度合いは深まり、協調と融和しか生存の道はないにもかかわらず、領土や歴史認識が常に妨げとなって、合理的で建設的な判断・行動ができない。いずれの国にも不幸なことだ。

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