6月19日
文章が半分しかアップされていなかったので修正しました。
外交part2
4月4日 午前9時40分 硫黄島
昨日あった通達の通り、硫黄島にエルベディアの外交使節団が大艦隊を護衛にしてやってきた。
派遣されて来た艦隊は戦艦5隻、巡洋艦8隻、駆逐艦23隻、何に使うか丸見えの揚陸艦や輸送艦が8隻、その他の艦が9隻でどれも日本から見て1940年代から1950年年代の軍艦であり、ビスマルク級に似た戦艦、戦後型ミッドウェー級に似た航空母艦、その他旧ドイツ、アメリカ海軍の所有していた物にそっくりな駆逐艦や巡洋艦、揚陸艦、輸送艦などで構成されている。
(空母の艦載機はFJ-1 フュリーにそっくりな機体)
もちろん艦隊の存在に偵察機やレーダーによって気づいている日本側は硫黄島に先日の戦いの後、敵(エルベディア軍)の上陸を阻止するために派遣されて来た、12式地対艦誘導弾や88式地対艦誘導弾を装備する陸自の第6地対艦ミサイル連隊(2016年に再編成された)や戦自の第3遠征旅団(海兵遠征旅団の日本版、兵員は4000人)や急遽駆り出された海自の陸警隊、航自の基地警備隊などを含め7000人近くが島の防衛に就き、他に海自のむらさめ型やあきづき型、ひりゅう型、ふぶき型などの護衛艦9隻が海上を守り、P-1とP-3Cを合わせて23機と空自や戦自のF-3やF-2、F/A-18EJなど40機が上空から守りを固めている。
そして外務省から急遽派遣された菅原 浩二と外務省の職員達は硫黄島基地にある応接室にて上陸してきたエルベディア公国外交使節団と接触していた。
ちなみに外務省から派遣されている職員や菅原には事前に会談の内容を先日捕虜にした将校の物言いから予想した海原から、馬鹿げた内容の要求をされるかも知れないと忠告を受けており、そして海原と療養中の上条から菅原に相手が先に宣戦布告してきた場合は受け入れても構わないと命令を受けている。
そして各自衛隊はデフコン1が発令され、今すぐにでも日本各地または海外に出動可能な状態で待機している。
「遠路はるばるようこそ。日本側代表の菅原です」
「エルベディア公国、ティデール植民地政府外交官代表、グスターだ」
エルベディア公国の服装は例えて言うなら、ジ〇ン公国の軍服にそっくりだった。
そして挨拶が終わるとすぐにグスターが直ぐにとある書類を部下から渡され、見下した態度で書類に書かれてある要求を突きつけてきた。
「貴様ら蛮人にエルベディア公王、エイジア陛下からのお言葉を告げる光栄に思え」
・日本は我がエルベディア公国の支配を受け入る。
・日本は直ちに保有する軍事力を全てエルベディア共和国の管理下に置く。
・日本は先日の我がエルベディア空軍の殺害した将兵達、破壊した兵器の賠償として8000億シーナを支払い、殺害の責任者及び実行者を引き渡し国内にある鉱山及び炭鉱、油田などの資源採掘権を割譲する。
・日本はエルベディア公国が派遣する内政顧問に一切の内政をその管理下にする。
・日本はエルベディア公国の保護領となる
・日本は国民の半分をエルベディア公国に奴隷として差し出す
・日本が上記の条項を拒否した場合、エルベディア公国は投入できる軍事力を全て日本に侵攻させ、日本人を全て処する
「以上の条項を呑めない場合は我と共に来た無敵艦隊が今すぐにでも貴様ら蛮族を皆殺しにする」
菅原を含め日本側の外交官達があまりに予想を超えた要求に思わずポカンとする。
「我々、優秀なるエルベディア民族は神の命でこの世の全てを支配することが認められている、だから貴様らは今すぐに武装解除して我らに従え、今すぐに植民地になるなら今ここにいる貴様らには普通よりはまともな生活はさせてやる」
すると菅原が急に笑みを浮かべ小馬鹿にした態度で見下すような口調で言う。
「断ります」
「何?」
「だからこう言っているんですよ!あなた方、エルベディアに日本は支配される筋合いは全くありませんと」
「何を!馬鹿げたことを蛮族風情が!」
グスターが机を叩いて、立ち上がり赤村に怒鳴り、使節団の中から「無礼だ!」と声が上がる。
「お前達、下等な蛮族を支配してやると偉大なる我々が言っているんだぞ!光栄に思え!」
「我々からすれば貴方達は偉大でも何でもありませんし日本には主権があります、その主権は他国に犯されるものではありません!ですから我々があなた方の支配されて植民地になる必要は無いと思いますが?」
「貴様ら!先日の空軍を撃破した件と今の行いと言い、我々を侮辱するつもりか!」
「先日は貴方達が勝手に日本領空に侵入したから迎撃したまでです、我々はちゃんと忠告してから迎撃しましたから悪いのは忠告を無視したあなた方と思いますが?我々は何一つ悪いことはしていません」
「無礼な!、帰るぞ者共!これ以上、交渉の余地を蛮族に与えても無駄だ!滅ぼしてくれるわ!」
「なんだ!あの我々を見下した言い方は!」
「この蛮族どもが!我ら優秀なるエルベディア民族を愚弄したことを後で悔やむがいい」
グスターを筆頭にエルベディアの使節達は怒りながら書類を慌てて纏め急いで応接室から出ていこうとする時、グスターが吐き捨てるように菅原に言う。
「今ここにエルベディア公国を代表して言う、我々は貴様ら日本に宣戦を布告する!」
「返り討ちにあっても知りませんよ」
〜硫黄島沖 エルベディア植民地艦隊〜
ビスマルク級戦艦「ゴットフリート」にあるエルベディア植民地艦隊司令部は、先の会談が決裂したことを受けて、あわただしく動き出していた。
「全艦に通達、使節団が島からの退避が完了しだい敵飛行場を中心に1時間の間、艦砲射撃による面制圧を行うように連絡しろ!」
エルベディア植民地艦隊司令官のバルク・レーデン中将は戦いに飢えていた。
これまで負け知らずの彼は戦う度にどんどん名声や勲章が増えていき、敗北させ捕虜にした敵兵をいたぶることに快感を覚えていた。
また勲章が増えることに自然と笑い声がこぼれる。
「艦長!哨戒機からの報告では敵はまともな砲台やトーチカを設置しておらず、艦隊もたった一門や二門の砲を搭載しただけの貧弱な艦や空母で構成されているとあります」
「ふふ、馬鹿な奴らめ我々に刃向かったことを公開させてやる」
バルクは鼻高々勝ち誇ったように笑みをこぼす。
今回の作戦にはエルベディア公国が所有する艦船の4/1が投入されており、兵士達の士気もかなり高く、負けることはまずあり得ないとバルクは考えていた。
「艦長、奴らはこのような貧弱な戦力で我々に挑んだことを分からせましょう!」
バルクの副官が笑いながら言う。
「外交団より連絡!、安全圏に到達した早急に蛮族どもに我らの力を見せてやれ」
通信士官が内火艇で退避した外交団から来た電文を読み上げる。
「全艦に告ぐ。艦砲射撃、対空戦、砲撃戦、用意!揚陸艦は島に上陸する用意をしろ!」
旗艦「ゴットフリート」から発行信号が放たれ、艦隊が一斉に動きだす。
彼らは気づいてなかった自分達が届かない射程から対艦ミサイルや電磁投射砲に自分達が狙われていることに。
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