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新たな世界part1
日本はその日も超平和だった。


数年前の第三次世界大戦を何とか勝利、国を復興させ、戦争特需による経済効果、戦後の自衛隊の増強や農業改革、領有件が帰って来た。北方領土や千島列島の開発などにより失業率も下がり。


政府では、かつて政権を握っていた自民と民主は長年の腐った政治のにより、どちらも野党に落ち、某人物が率いる新党があっさり選挙で勝利していまい、政権支持率は政権発足より半年たつのに関わらず90%代を維持している。



日本はひとまず平和を満喫していた。


しかしその一方で数ヵ月前から日本各地で謎の強力な磁気場が発生、電子機器などに異常が多発、しかし電子機器の異常以外に特に何も異常が見られなかったり、専門家達もそのうちに治まると言っていたため日本政府も楽観視していた。そう、それが今後の日本の運命を劇的に替える、事態になるとは誰もこの時点では考えて居なかった。





2022年4月1日午前0時00分


丁度、4月1日になった瞬間、日本中の様々な場所で異変は起きた。


まず気付いたのはネットで海外に接続していた人々、衛星放送で海外の番組やスポーツの中継を見ていた人々、管制塔にいたオペレーター達、日本上空の航空機や日本近海の艦船、レーダーサイトで日本の周囲を警戒する航空自衛隊、領海を見張る海上自衛隊や海上保安庁、最近全面撤退の命令が出て本国に帰る準備をしていた在日米軍などだった。


ネットは海外に接続できなくなり。


衛星放送(海外の衛星)は全てのチャンネルが砂嵐化。


管制塔ではいつまで経っても国際線の到着が来なくなり。


米軍は米国本土や日本以外の基地に一切通信が繋がらず。


海上保安庁や海上自衛隊は領海の外にいた漁船が急に見えなくなったり、普通は絶対嫌でも聞こえる外国船の無線が消えたことや対馬海峡にいた護衛艦は韓国が見えなくなったことに驚き、航空自衛隊はレーダーサイトに日本周辺の航空機や艦船、島や半島が急に全て見えなくなり、何故か強力なジャミングを喰らったみたいになり、他にもGPSがまったく使えないことに気付いたためである。


インターネット管理会社のコールセンターには深夜にも関わらず電話が鳴り響き。


管制塔では国際線が来なくなったことにより苛立ち。


自衛隊の司令部では次々に日本周辺の護衛艦や航空機から入る異常な情報に混乱。


レーダーサイトやソナーが何故か使用できなくなりさらに混乱に拍車がかかる。


米軍の横田基地では兵士や士官達が慌てまくり。


とあるJAXAの職員は日本を含め全ての衛星が消えたことに気付く。


そして自衛隊や海上保安庁を経由して、首相官邸にも連絡は届いた。





〜首相官邸、執務室〜


「う〜・・・・・何で俺の時にこんな事に・・不幸だー!」


総理大臣、上条当麻は机にうつ伏せになり、ぶつぶつ何かを言っていた。


たぶん自分が今までで遭遇した最大の不幸を前に全力で現実逃避をしていた。


「総理なんて、嫌だー辞めたい〜・・・・」


そもそも彼は好きで総理になったわけではない、友人の土御門が勝手に選挙に立候補させ、いつの間にか新党の代表にされ、仕方ないので適当にやってやるかと思い、作られたの台本通りに演説していたら、いつの間にか選挙に勝利。


後は話すまでも無く、素敵なぐらい運に見放された体質により、さっさと総辞職したいのに何故か適当にやった年金対策が大成功。


同じく適当にやった自衛隊の改革やら農業改革、失業改革、少子化対策がまたもや大成功。


おかげさまで、将来が明るくなった若者や自衛官、夫婦達が政権を支持。


何故か閣僚達や党に関係する人達もスキャンダルを一切起こさず支持率はどんどん上がり、今や支持率90%と戦後最大の記録をしてしまい、
「上条ちゃーんは先生の宝物でーす」と元担任からもラブコール。


国民からも、総理大臣らしく無いのにこれまでで一番まともな総理大臣、永遠に辞めないでくれー、と言われ、辞めようにも辞められずにズルズル半年間もやって今に到る。


ちなみに困った人達もいた、これまで政治関係に追いかけをしていた記者達が特にスキャンダルを起こさない上条政権のせいで飯の食い上げになってしまい、一部が失業したり、芸能人の追いかけに転職したりしていた。


しかも、とある週刊誌が上条のスキャンダルの嘘を書いた時、嘘と知った、上条に感謝する国民達がその週刊誌の出版元を襲撃する事件もあり、マスコミはおいそれと上条政権対して記事が書けなかった。


結論から言うと、上条当麻はやる気は無いのにも関わらず、国民から絶大な支持を得ていた。。


しかし今の上条にそんな事は関係ない、今日は久しぶりにベットで妻達とエッチな事するはずだったのに、エッチなことする直前に電話で今すぐ来てくれと聞き楽しみを消されて、もう何もしたくなくなり今に到る。


「バーン」


突如、執務室の扉がノックも無しに勢いよく開き、一人の女性が凄い威勢ですたすた歩いてくる。


「上条当麻!、何なの。その無気力感は!」


ん? と上条は顔を上げる。


吹寄制理。
またの名を、美人なのにちっとも色っぽくない鉄壁の女とも言う。


ちなみに秘書官。


彼女は上条に目を合わせると、
「貴様、それでも総理としての自覚はあるの!」


「もう放っておいてください!駄目なんです、究極の不幸に直面した上条さんはもう立ち上がれない状態なのです」


「だらしがない。少しは努力しようと思う、気力は無いの、貴様は?なにが日本の代表よ、貴様みたいなやる気のない人間を見ると腹がたってくるのよ!」


「そう言いましても私はもう何もしたくありません、疲れはてました、早く総辞職して田舎に引っ込んで家族とのんびりしたいんです!」


「疲れているんなら、糖分を取りなさい!」


そう言うと吹寄はスーツのポケットからブドウ糖?の錠剤みたいな物と謎の緑色の液体が入った注射器を取りだし、上条にゆっくりと迫る。


あの不気味で緑色の液体を注射されたら何か、かなり大変なことが起きそうと上条の本能が逃げろと上条につげ、ヤバイと上条は思い素早く頭を下げ、土下座をする。


「分かりました、分かりました、日本国総理大臣 上条当麻は日本の為に精一杯努力いたします!」


「本当に?」


注射器を持った怪物吹寄の動きが止まった。


「はい!絶対、努力いたします!では私は地下の災害対策センターに行きます!!」


上条はそう言うと吹寄から逃げるように凄まじい速さで執務室から地下の災害対策センターに逃げていった。


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