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歩道橋事故 明石署元副署長、遺族に謝罪

 兵庫県明石市で2001年7月、11人が死亡した歩道橋事故で、検察官役の指定弁護士から業務上過失致死傷罪で強制起訴された榊和晄(かずあき)・明石署元副署長(65)の第16回公判が12日、神戸地裁であった。指定弁護士と遺族1人による被告人質問が初めて行われ、遺族の問いに対し、榊被告は「悔やみきれない」と涙を浮かべて謝罪した。しかし、指定弁護士には改めて過失を否定した。

 この日の公判ではまず、指定弁護士が当日の署内の状況などを質問。榊被告は「モニターの映像では、歩道橋の一部は人がゆっくり流れており、現場の混雑を伝える無線も聞こえなかった」などと答え、事故を予見できなかったと主張した。

 続いて、次男の智仁ちゃん(当時2歳)を亡くし、被害者参加制度を利用した下村誠治さん(53)(神戸市垂水区)が質問に立ち、榊被告をじっと見据えて「罪状認否で『自問した』と言っていたが、何を自問したのか」と尋ねた。

 榊被告は「警察を憎んでも憎みきれないと思うかもしれないが、事故を一日も忘れたことはない。亡くなった方やご遺族のことを思うと涙が出て、私なりに悩み苦しんできた」と心情を吐露。さらに、「この裁判の結果は分からないが、11人のご冥福を祈り続けていきたい」と涙ぐんだ。

 被告人質問はこの日で終了。今後は、9月に論告求刑、11月に最終弁論があり、来年に判決が言い渡される見込み。

2012年7月13日  読売新聞)
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