現代日本のデモ:「何となく」で参加 國分功一郎さんに聞く

毎日新聞 2012年07月11日 東京夕刊

 関西電力大飯原発3号機の再稼働をめぐって、毎週金曜日の首相官邸前での抗議行動や都心でのデモ、集会への関心が高まっている。これまでで最大規模となった6月29日の官邸前抗議行動には、哲学者で高崎経済大准教授の國分功一郎さん(38)も参加。フランスの大衆運動事情にも詳しい國分さんに、現代のデモの特徴を語ってもらった。

 29日の官邸前で感じたのは、やはりこの何万もの人々は、組織による動員といったものではないということ。原発や再稼働について「何となくおかしい」と感じている人たちが、ツイッターなどのメディアを通じて抗議行動を知り、参加したのだということです。1960年の安保闘争や68年からの全共闘運動とは違い、主体や中心がはっきりしないのが特徴でしょう。子ども連れの母親、自然保護などの運動をしている人、長年デモに参加しているとみられる中高年、若いカップル……。大きな声を上げる人がいる半面、「何となく来た」という感じで立っている人も大勢、見ました。

 この「何となく」参加するということが重要です。デモはフランス語では「manifestation」と言いますが、これは「現れる」という意味です。これまで日本で「デモ」というと、強いメッセージを主張しないといけないとか、確信をもち主体的に参加するもの、と考える人が多かったでしょう。しかしデモの本質は、群衆が大挙して「現れること」そのものにあります。

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