トップページ科学・医療ニュース一覧地形や人工物が津波被害に影響
ニュース詳細

地形や人工物が津波被害に影響
7月13日 15時32分

宮城県石巻市は、市内を襲った津波の大きさや水の流れを地域ごとに分析し、周辺の地形や人工的な構造物が被害の状況に影響を及ぼした可能性があるとする調査結果をまとめました。

この調査は、石巻市が民間のコンサルタント会社に委託して行ったもので、建物の被害状況や、電柱が倒れた方向などを基に津波の大きさや水の流れを分析しました。
このうち多くの子どもが亡くなった大川小学校の周辺では、学校の裏山にぶつかった津波が山と山の間の低い土地で渦を巻いたような状態になり、被害が拡大したと分析しています。
また、ほとんどの建物が流出した南浜町と門脇町は、近くの海岸が東側の防波堤と西側の埋め立て地に挟まれ、津波が集まりやすいリアス式海岸のような形になっていたとしました。
一方で、大きな建物によって津波の勢いが弱まったとみられる場所もあり、周辺の地形や人工的な構造物が被害の状況に影響を及ぼした可能性があると指摘しています。
石巻市は、この調査と並行して、地震発生直後の行動について市の職員などに聞き取りを行い、再び地震が起きた時などの初動対応を中心とした職員用のマニュアルも作ったということです。
亀山紘市長は、「今回の分析は、住宅や避難ビルを整備する際の防災にも役立つ貴重な資料になった。マニュアルは、いつ起こるか分からない災害に備えた暫定版で、今後も検討を重ねたい」と述べました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ