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福島の甲状腺被ばく 国際目安下回る
7月13日 13時29分

東京電力福島第一原発の事故のあと、福島県内の住民を対象に甲状腺の被ばく量を調査した青森県の弘前大学は、成人の被ばく量の最大値が33ミリシーベルトと、健康への影響を考慮して予防策が必要だとされる国際的な目安の50ミリシーベルトを下回っていたことを明らかにしました。

弘前大学被ばく医療総合研究所の研究チームは去年4月、福島県内の住民62人を対象に甲状腺の検査を行い、ことし3月には、被ばく量が最も多い人で87ミリシーベルトだったという調査結果を公表しました。
その後、研究チームは、原発事故の直後の「放射性プルーム」と呼ばれる雲の動きなど、より詳しいデータを基に再び解析しました。
その結果、被ばく量の最大値は成人で33ミリシーベルト、20歳未満でも23ミリシーベルトと、いずれも前回の公表結果の半分以下で、健康への影響を考慮して予防策が必要だとされる国際的な目安の50ミリシーベルトを下回っていたということです。
研究チームの床次眞司教授は「前回の解析は情報が不足していたが、今回は新たに細かなデータを基に解析した結果で、より信頼性が高い」としたうえで、ほかにも放射線量の高い地域に長く滞在していた住民もいると考えられることから、「甲状腺被ばくのリスクが高い子どもなどには継続的な健康支援が必要だ」と指摘しています。

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