平成24年度版

観測日
水位:m
水温:℃ 川の状況
6/5 1.4 19 緩やかに静かに流れています。魚のもじりが見られました。
 6/6  1.3 17  おだやかに流れています。 今日も魚のもじりが見られました。
 6/7 1.42 17.5  涼やかな風、穏やかな川の流れの中、突然1匹の黒い巨体が跳ねました。所々でもじりが見られます。遠くの方に一人たたずむ方も気になり、なかなか立ち去れぬようです。ハクレンを楽しみにしている皆様、工事用のダンプの往来が激しいので、十分お気を付け下さい。
 6/8  1.3  18.4 緩やかに静かに流れています。魚のもじりは少なく、盛んなのは様々な鳥のさえずりです。理解できたのは、カッコウ、ウグイス、キジ、トビ、カラス、ヒバリで、カッコウは輪唱しているようでした。まさしく”河は呼んでいる”そんな光景でした。 
 6/9  1.2  18  関東の梅雨入りも秒読みだそうです。緩やかな流れに波が逆立ち、瀬音が聞こえています。 鳥のさえずりをBGMにして、魚のもじりもそこそこに活発です。
 6/10 2.4   18 昨日、梅雨入りしたようですね。水位も昨日の倍です。水は濁り、怪しい物が次々と流れて来るので、水温計が持って行かれそうです。時折、魚のもじりはありますが、ボートが通って刺激しても、今年の魚ちゃんは動じません。ダンプの通りもなく、鳥のさえずりだけが聞こえる穏やかな休日です。
 6/11  2.2  17 流れは速く、濁りもありますが魚の活性が低いようです。今日は珍しくカエルの合唱が聞こえてきました。 
 6/12  1.75 17  4月中旬頃を思わす肌寒さの川岸に、ハクレンをこよなく愛して下さっているカメラマンの方々にお会いできました。カッコウの鳴き声を背に、皆さんの期待も背負い(?)時折もじってみせるハクレン様でした。
6/13  1.7  16  昨日の雨は川に特段の変化をもたらしませんでした。今日も薄手の上着が必要な天気です。ツバメが川面を舐めるように飛んでいるのは見慣れた光景ですが、飛行中の鳴き声を聞くのは初めてでした。魚のもじりは少なく、しばらくこんな状態が続きそうです。 
 6/14  1.6  16 川岸に着いた途端、歓迎してくれた(?)かのようなジャンプがありました。が、その後はダンプの爆走に圧倒されてか、物悲しげな水音が聞こえる程度です。遠くの方でカッコウやらウグイスやらの囀りが聞こえてくる心地よい利根川でした。
6/15   1.41 16  流れは緩やかですが、濁りもなくなりつつあります。魚のもじりは弱く、鳥のさえずりだけが観測の友となりました。 
 6/16  1.3  17 天気予報が言うような寒さは感じません。釣り人2人がルアーで楽しんでいます。雨音と鳥のさえずりと、時々思い出したようにハクレンがもじります。 
6/17   1.58  18 向岸の木々の間から、心地良い鳥のさえすりが、はっきりしない天気を爽やかな気持ちにさせてくれます。、ハクレンも癒されすぎて、もじりも少休止でしょうか。
 6/18 1.5   18 ここ数日、水温や水位の大きな変化はなく、また蒸し暑く、魚も活性が低い状態が続いています。そこで気になるのは台風4号の動きです。 もたらす降水量によっては、魚に大きな変化が生じます。
 6/19 1.3   20 観測時点では、台風がもたらす風雨は感じられません。水温が20℃あるせいか、魚のもじりも活発に思えます。最新の予報ですと、台風4号ばかりでなく、台風5号が刺激する梅雨前線にも気をつけなければならないようです。 
 6/20  6.83【最大時】  20 台風4号がもたらした雨により利根川の水位が上昇し、朝からハクレンが跳ねています午後になっても増水は続き、午後430分ごろにはピークを迎えました。この増水に刺激されたのか、産卵も始まりました。この産卵行為は明日にかけても続くと思われます。
写真提供:久喜市鷲宮在住 奈良氏
6/21   4.83 18  朝から期待をして川に向かいましたが、あにはからんや、川面は静かでした。 しかし、上流で産卵が続いているらしく、川に網を入れると卵が入ってきます。まだ、ハクレンも霞ヶ浦に帰っていないようなので、ジャンプを見る機会は失われていないようです。
6/22   3.38  17 小雨が降っていて足元を取られ、危うくハクレンと共に去りぬ状態でした。今朝のハクレンはピクリともしません。川面を見つめていると、流れの速さに吸い込まれそうです。網を持つ手にも、かなりの力が入りますが、3粒ほどの透明の卵が・・・。ハクレンは今、どこで何をしているのでしょうか?
6/23   3.86  19  川のあちこちで産卵行為が観察できます。しかし、大勢のギャラリーの皆さんの期待はジャンプですが、ほとんどジャンプしていません。いままでの経験則に照らせば、産卵が終われば霞ヶ浦や北浦に帰るので、今年はもう・・・。 
写真提供:久喜市鷲宮在住 奈良氏
 6/24  2.84 19  カメラマンの方にお声をかけていただき、「昨日の産卵行為があったよ」というお話を伺うことが出来ました。網の中にはごみしか入りません。時々、チャポンという音が聞こえますが、おいてきぼりのハクレン(?)なのでしょうか。今朝のカッコウの囀りもさみしそうです。
  6/25  2.46  18 23日の産卵行為は時間が確認できただけで、午前8時から午後5時まででした。優に8時間も続いたことになります。もちろん、午前8時以前と午後5時以降は確認できていませんので、正確には8時間以上となろうかと思います。どれだけのハクレンがいるのでしょうか? 
また、利根川河口付近の読者の方からメールをいただき、ハクレンの第2群が遡上しているようだ、ということでした。そうだとすると、まだまだ目が離せないということになります。
台風4号や梅雨前線の大雨の影響もそろそろ失せて、夏の利根川になりつつあります。
 6/26  2.28  17  水位計のフェンスの付替工事をしていて、とても恐ろしい状態の中で水位を覗くと、稚魚が数十匹立ち泳ぎしていました。ハクレンの稚魚を妄想しながら、じっと川面を見つめるも、姿は確認できません。しかし、時折聞こえる魚の跳ねてる水音。上空の烏にハクレンの姿が見えるのなら、教えて欲しいハクレンの行方を!
 6/27   1.92   19 穏やかな川の流れで、ハクレンも昼寝でもしているのでしょうか。爽やかな川風、程よい日の光で思わず瞼が閉じそうです。そんな中でもカメラマンの方は、ずーっと、ハクレンを見守って下さっています。
 6/28  1.9   19 トンビがくるりと輪を描いている穏やかな利根川中流部です。ハクレンも時々もじり、存在をアピールしているようです。 
 6/29   1.7  22 涼やかな川風に押し流されて来る波で水温計がさらわれそうです。聞こえてくるのは、波音だけ。ハクレンの動きはありません。
 6/30  1.6  22  向岸の方から、キジの鳴き声が聞こえるのどかな利根川です。太陽の光を浴びて、川もキラキラ輝いています。今朝は、”ハクレン様ここにあり”とばかりに時々モジモジしてます。
 7/1  1.5  22 午後から雨という予報ですが、蒸し暑く微風です。遠くでは時間を惜しむように、パラグライダーやマイクロライトプレーンのエンジン音がしています。川は澄み、穏やかです。水温があるためか、ハクレンが積極的にもじっています。 
 7/2  2.2  21  昨日の雨で、水量は増えたものの濁りはなく、水温もさほど変化がないにもかかわらず、ハクレンのもじりが全くと言っていいほどありません。これは何を意味するのでしょうか。 
 7/3  1.7  21 どんよりとした曇り空、風もなく、じっくりゆっくり蒸されてしまいそうな川岸。ちびっちゃい魚が歓迎の三段飛びを披露してくれました。しばらくすると、どでかい魚の跳ねかえる音が帰ろうとする足を止めます。人間とハクレンの戦い(?)はいつまで続くのでしょうか。
 7/4   1.5  22  梅雨が明けたかのような快晴です。昨日の雨も水位の上昇をきたすには至らず、澄んだ水が緩やかに流れています。観測地点の貼りブロック上にヤゴの抜け殻がちらほらとあり、大河利根でも小さな命の営みは続いています。そして、ハクレンのもじりは活発です。 
 7/5   1.58   23 今朝の利根川は、曇り空で、全くの無風状態。長靴の中はジワジワと蒸し上がり、ハクレンと我慢大会。ほとんど”もじり”は見られません。が、またしても、ちびっこ魚の4段飛び。暑さを忘れるほっこりとした一瞬でした。ハクレン見守隊の皆様、十分な熱中症対策をお願いいたします。
 7/6 1.72   24 昨日夜の雷雨は限定的で、ちょっとは水嵩が増したものの大勢に影響はありません。今夜から土曜日にかけて、雷雨との予報なので期待してしまいます。ハクレンのもじりはほとんどない状態です。 
 7/7  1.68  22 雲は低く、風が強く、蒸し暑いのですが、不快な風ではありませんでした。群馬・栃木県の山間部には昨夜それなりの雨が降ったようで、水位は少しずつ上昇しています。また、今日の午後から明日にかけてまとまった雨が降りそうなので、明日の日中はどうなりますか。ハクレンのもじりの回数が昨日より多く見られたのは、何かを感じているからなのでしょうか。 
 7/8  3.5  20 水量が昨日の倍!、早朝でしかも雨ということもあり、人っ子一人いない利根川。護岸がしっぽり濡れていので、この前の失敗を踏まえ、慎重に川岸へと。流れも急で、怪しげな物体が次々と流れてきます。あまりの寂しさに思わず『ハクレーン』と叫んでみました。哀れに思ったのか、ハクレンが跳ねてくれました。”みんなが期待しているんだから頑張ってくれよ”と思わず独り言が。その時、私の怪しげな行動を心配して見に来て下さった方が・・・。この観測のお陰で、あったかい人情もいただきました。
写真提供:久喜市鷲宮在住 奈良氏
 7/9 3.76   19  7日夜の降雨は関東北部をあまねく潤し、およそ100mmの降水量がありました。このため利根川の水位も上昇し、8にはハクレンジャンプが見られました。そして、今日産卵行為が観察できます。今日いっぱいは観察できそうです。そろそろハクレンはねぐらに帰るときを迎えたようですが・・・
 7/10  2.7   20 岩盤に悲惨なハクレンの残骸を発見。愛に破れた雄なのか、産後で疲労しきった雌なのか判りませんが。
そんな同志を哀れむかのように1匹のハクレンがジャッポン。その後の動きは殆ど見られません。
今年は産卵行為が3回も見られ、ますますハクレンの生態が謎めいています。
写真提供:久喜市鷲宮在住 奈良氏
産卵の光景です。白く見えるものは雌の腹でして、雌が頭を右にして仰向けになっています。彼女の頭付近には雄がいて(背ビレが見えています)、排卵を誘発している状態です。この写真では1対1ですが、1匹の雌に複数匹の雄がまとわりつていることのほうが一般的です。
 7/11  2.1  23  今の時期、利根川もさすがに暑い!穏やかな流れの上空で囀る小鳥達の声で、幾分暑さが緩和されているかのようですが。たまに魚の飛んでる水音はするものの、果たしてそれがハクレンなのかどうか。
この観測もそろそろ終盤を迎える時期なのかも知れませんね。
7/12  1.98   23  梅雨前線の影響で、この地でも天気は荒れています。特に南風が強く、コンクリートブロックに川波が音を立てて当たっています。さて、ハクレンは音沙汰がなくなりました。しかし、いつも写真を提供いただいている奈良氏といい、朝日新聞埼玉東部版に掲載された高橋氏といい、予測不能な魚の動きを惚れ惚れするような構図と、そこしかないというシャッターチャンスで切り取っていらっしゃいます。 お見事というほか言葉がありません。
 7/13  2.25 23  川は澄んで、カッコウ、キジなどの鳴き声が聞こえる川の情景です。また、ハクレンもいるような、いないような川面です。
観測初日から1か月強が過ぎ、2度のジャンプと3度の産卵が記録できました。なかなか思い描くようなジャンプの光景を目の当たりにすることは今年もできませんでしたが、今年の観測は今日をもちまして閉じさせていただきます。
河原で直接声をかけていただき、それが過分にもお褒めの言葉であったことから、担当者は舞い上がってしまい、またそれがモチベーションの維持向上にもつながりました。今年も様々な方に支えられて続けることができました。ありがとうございました。また、来年も宜しくお願いいたします。 

ハクレン観測状況の水位は右の写真の所を基準に測定しています。場所は、国道4号の利根川橋と東北新幹線鉄橋の間です

利根川の水位、雨量については利根川上流河川事務所HPからもご覧になれます。


ハクレンのジャンプと産卵
 ジャンプは産卵をする前日や産卵をする条件が
と整いそうな時に多いようです。
 産卵をするには、産卵日の前日ないし前々日が
雨天で、水温が20℃前後、水の流量が毎秒500立
方メートルから、1000立方メートル前後、また、卵
をカモフラージュするための水の濁り(透明度13〜
22p程度)が適当な条件になったときに産卵をはじ
めるようです。
 おもに6月から7月で、利根川の上流部に大雨が
降り、流量が増加した翌日から、産卵する傾向があ
るようですが、その年の気象条件によっても異なる
ようです。


                                 ハクレンが栗橋付近で産卵する理由

 クレンの受精卵は水の流れがないと川底に
沈んだりして、ふ化しません。栗橋付近で産卵
された卵は下流に流されて、ふ化する2日後ちょ
うど、霞ヶ浦近くにさしかかり、稚魚は流れの少な
い霞ヶ浦や北浦に入り込みます。したがって繁殖
するのに都合がよいのです
       

                        ■ハクレンのジャンプを見るポイント

 国道4号沿いの利根川橋付近から
新幹線鉄橋の間がハクレンのジャンプ
を見るポイントと言われていますが、その
年の気象条件などによっても変動するよう
です。

(案内図はこちらをクリック)