公開されたMRJの客室部分の実物大模型=11日、英ファンボロー(ブルームバーグ)【拡大】
三菱航空機(名古屋市)は12日までに、国産初となる開発中の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を、米地域航空大手のスカイウェストから100機受注することで同社と基本合意した。ほぼ1年ぶりとなる今回の契約で受注総数は230機となる。三菱航空機は米大手との契約を生かして売り込みを強め、販売拡大に弾みをつけたい考えだ。
スカイウェストは、定期航空運航会社2社と航空機リース会社を傘下に持ち、ユナイテッド航空などの地域路線を手掛けている。700を超える機体を保有し、カナダのボンバルディアなどの機体を使用していた。
受注総額は約42億ドル(約3345億円)で、三菱航空機は2017~20年に納入する。英国南部ファンボローの航空ショー会場で11日会見した江川豪雄社長は「MRJの快適さや燃料効率への期待は高い」と強調した。
同社は小型機の需要が世界的に伸びるとみて、受注目標を1000機に設定したものの、実機がないことで苦戦し、これまでの受注は全日本空輸などからの計130機にとどまっていた。
ファンボローの航空ショーでは、実物大模型を公開。客室の天井高や横幅が大きく、ゆったりしているのが特長で、富士山のモチーフなど「和を感じさせるデザイン」を取り入れている。