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【芸能・社会】

450人最後の別れ山田五十鈴さん 芸能一筋72年女優人生に幕

2012年7月13日 紙面から

高嶋政伸らによって霊きゅう車に納められる山田五十鈴さんの棺=東京・青山葬儀所で(五十嵐文人撮影)

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 多臓器不全のため9日に95歳で亡くなった女優の山田五十鈴さんの葬儀・告別式が12日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、北大路欣也(69)や司葉子(77)ら親交の深かった俳優ら約450人が参列、最後のお別れをした。

 戦前、戦後を通じ天性の美貌とたぐいまれな演技力で、日本の芸能界をけん引した“大輪”が、72年にわたった女優人生のフィナーレを迎えた。

弔辞を読んだ“芸養子”の一人、西郷輝彦

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 山田さんを慕う“芸養子”の一人、西郷輝彦(65)は、「2月5日の山田先生の誕生日にご一緒できたことは僕の誇りです」と弔辞を読み上げた。「『徳川の夫人たち』では、先生の演じた春日局の臨終の場で、徳川家光役の私は先生を抱き上げ『そなたは母じゃ、わしの母じゃ』と号泣し幕が下りましたが、先生は『私の時もそんな風に優しくして下さいね』とおっしゃりましたね。あの時の先生の立ち姿。あふれる気品の中に女性の優しさを併せ持つあの姿を僕は永遠に忘れません」と、芸道一筋に生きた大女優の死を悼んだ。

 4度の結婚離婚を重ね、一人娘で女優の嵯峨三智子さんとも死別し身寄りの少ない山田さんは、生前に戒名(寳光院天猷〓津大姉=ほうこういんてんゆうみょうしんだいし)、命日を刻むだけにした墓石も京都市の大徳寺にある三玄院に作っていたという。

 大の日本酒好きだった山田さんのために、盟友だった故森繁久弥さん愛用のおちょこ、20年以上にわたり住まいにしていた帝国ホテルの部屋のキープレートが納められた棺は、舞台「ながれぶし」で特訓したという津軽三味線の「津軽じょんがら節」の生演奏の調べの中で出棺。“芸養子”仲間の俳優の榎木孝明(56)や高嶋政伸(45)、松井誠(52)らに担がれ霊きゅう車に。ファンの「五十鈴さん」「女優の神様」の掛け声に送られ、天国へと旅立っていった。

 ▽「華岡青洲の妻」(91年)などで共演した平幹二朗(78) 本当に残念ですが、すばらしい仕事をお残しになった。大輪の花を咲かせきってお亡くなりになったと思う。美しい人でした。(共演したのは)かなりのお年でしたが、舞台でもお酒の席でも色っぽかったです。

 ▽「必殺仕事人」で共演した中条きよし(66) 僕の中にある大女優はこの人だけ、共演したときは震えましたね。「おっかさん」「ゆうさん」と役名で呼び合い、とても可愛がってもらった。高視聴率だったのはおっかさんのおかげですよ。個人的な思い出はいっぱいありすぎていえないな。

 ◆主な参列者 池上季実子、平幹二朗、大空真弓、林与一、加藤武、江戸家猫八、吉村実子、中条きよし、高嶋政伸、大村崑、浅利香津代、長谷川稀世、北大路欣也、司葉子・相澤英之夫妻、松井誠(順不同、敬称略)

※〓は玄へんに少

 

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