メキシコの名物「トルティーヤ」で佐藤洋太に見立てたパックご飯を巻いてかぶりつく亀田和毅=東京都葛飾区の亀田ジムで
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ボクシングの亀田3兄弟の末弟で、WBCバンタム級シルバー王者の亀田和毅(21)が誕生日の12日、東京葛飾区の亀田ジムでバースデー会見。WBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28)=協栄=に挑戦する世界戦の、準ホームともいえるメキシコでの開催を熱望した。亀田ジム−協栄ジムの本格交渉もこの日、スタートしたが、協栄側が圧倒的に不利となるメキシコ開催をのむのかが、ドリームマッチ実現へ最大の焦点となりそうだ。
会見場には、用意周到に「サトウのごはん」が3パック。まずは挑発パフォーマンス。和毅は、てんこ盛りにされたサトウのごはんに刺さった21本のロウソクの火を吹き消した。メキシコから持ち帰ったというトルティーヤでサトウのごはんを巻いてパクリとやると、こう言った。
「ハイ、これで、佐藤選手も終わり。メキシコで、トルティーヤで巻いてロープ際でまとめてボーンで終わり。トルティーヤもオイシイけど、佐藤選手もオイシイ。3分でチンして終わりや」
呼び捨てではなく「佐藤選手」と一応の敬意は表したものの、挑発発言がポンポン。先日の佐藤の防衛戦を観戦した和毅は、その変則スタイルをまねて「これしかないやん。踊るだけや。オレも一緒にダンスしようかな」と酷評した。
アマ時代の15歳でメキシコに渡った和毅にとっては、WBCの本部があるメキシコは準ホーム。「WBCのスライマン会長の前でベルトを獲ると約束したからな。最初の世界戦はメキシコでやりたい」と、メキシコ決戦が絶対条件のようだ。亀田側の条件は破格なもののようで、和毅は「12月上旬にWBCの大きな興行がある。これで、行かなきゃ、おかしいぐらいの条件。オレに勝ったら、佐藤選手も名前売れて、バアーッと行くで。向こうが逃げへんかったら、実現の可能性はある」と続けた。
21歳で世界王者になって、来夏にもバンタム級での2階級制覇の野望を口にした和毅は「佐藤選手にも何か言ってほしい。盛り上げんと」と呼び掛けた。沈黙の佐藤は、果たして、絶対不利を承知でメキシコまで行くのか注目だ。 (竹下陽二)
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