練習後に大勢のサポーターのサインに応じる鮫島(沢田将人撮影)
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ロンドン五輪で初の金メダルを狙うなでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)が12日、五輪前最後の強化試合となる敵地でのフランス戦(19日)を、五輪の“仮想準々決勝”と位置付けた。1次リーグF組の日本がトップ通過し、同G組のフランスが2位通過すれば、準々決勝で激突。本番で違う相手となっても、準々決勝はフランスと同レベルの相手と想定。佐々木監督は本番モードに突入し、セットプレーも切り札は封印する構えだ。選手たちはこの日、千葉県内で練習を行った。
五輪壮行試合のオーストラリア戦に3−0と快勝したなでしこジャパン。あとは五輪本番まで敵地での一戦を残すのみとなった。この日、フランス戦の位置付けを問われた佐々木監督は「仮想準々決勝。(準々決勝では)あのレベルと当たるし、フランスとも当たる可能性がある」と明言した。
オーストラリア戦は、五輪初戦のカナダ戦を想定していた。「気迫は2ランク下だったね」と物足りない部分はあったが、「タイプ的には似ていた。(カナダエースFWの)シンクレアほどではないけど大型のFWで、左サイドも大型だった」と一定のシミュレーションはできた。
国際サッカー連盟(FIFA)ランク3位の日本に対し、フランスは6位。昨年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会でもベスト4入りした強敵だ。昨季はフランスリーグのモンペリエに所属していたDF鮫島はその強さを肌で感じているからこそ、「私個人としてはフランスが脅威と思っている」と警戒心をあらわにする。フランスも日本を予選で対戦する仮想北朝鮮とし、ガチンコで挑んでくるはず。申し分ない一戦だ。
「隠したりはしないんじゃないかな。でも、必殺の部分は本番でだね」と佐々木監督。オーストラリア戦ではキッカーの宮間に任せていたセットプレーだが、秘密兵器は温存する。それもあって13、14日の千葉県内の練習は非公開にした。ただ、メンバーに関しては「ベストで行くでしょう」とキッパリ。悲願の金メダル獲りへ、もうテスト段階ではない。準決勝進出を懸けた大一番と想定して勝ちにいく。 (島田明)
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