再調査実施、県警知らず 大津中2自殺
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、生徒が通学していた中学校と市教育委員会を家宅捜索した滋賀県警は12日、押収資料の本格的な分析作業に入った。また、学校が実施していた2度目のアンケート実施について、市教委が10日の記者会見で発表するまで県警に伝わっていなかったことも分かった。
いじめ事件を捜査する県警生活安全部の幹部は、今回の強制捜査に至った理由について「普通であれば任意提出で足りることだが、全部の資料を頂けるか疑問だった」と、市教委への不信感があったことを示唆した。
県警が11日夜に行った家宅捜索では、市教委から43点、中学校から86点を押収した。主な品目は、大津市内の学校現場で昨年に発生したいじめ事案について市教委がまとめた関係ファイルや、生徒指導提要などを市教委から押収。中学校では、教師がつけた日誌やノート、生徒の出席簿などを差し押さえた。
学校が全校生徒に2回実施したいじめに関するアンケートの結果は、今月7日に1回目分を、11日に2回目分をそれぞれ原本で任意提出を受けたという。また、本格捜査を開始した11日に市教委と学校関係者の各1人を事情聴取したという。
県警は、これらの押収資料を分析するとともに、昨年9月下旬の体育祭で複数の目撃があった男子生徒へのいじめ行為を軸に、関係者への聞き取りを重ね、犯罪事実の確認や立件の可否を判断するとみられる。
【 2012年07月12日 15時00分 】