異例捜査に生徒ら動揺 大津中2自殺
突然の友だちの死は二転三転し、普段は歓声が飛び交う中学校を警察が11日夜に家宅捜索する異例の事態となった。大津市内で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)が自殺した問題。12日夜には保護者説明会が開かれ学校側が経緯を説明したが、保護者や生徒が不安やいら立ちを募らせるなど動揺が広がっている。
2年生の生徒を持つ母親(42)は「説明会では校長から申し訳ないとの謝罪があったが、(解明へ)進展しているとは思えない。解決策を示してほしいが、このままでは子どもらがかわいそう」と表情を曇らせた。
学校では12日朝、校内放送で滋賀県警が家宅捜索に入ったことが説明された。2年男子(13)は「真実を突き止めるため、中途半端な捜査に終わってほしくない」と話す。違う2年男子(13)は「人が亡くなってるし、警察や報道が問題視するのは当然だと思う」と冷静に受け止めた。
その一方で、自殺から約9カ月を経て本格化した捜査に疑問を投げかける声も。2年女子(13)は「本当に大変ないじめと考えていたのなら、なんで今頃になって真剣に捜査するのか」と話した。
ネットではさまざまな情報が飛び交うなど、事態の過熱化を危ぶむ意見もある。下校途中だった2年女子(13)は「ちょっと取材にしゃべったことが騒ぎを起こすかもと思うと怖い」と不満顔。3年女子(15)からは「ネットでは中学校全体が悪く言われ悲しい」と声を落とした。
部活動や受験勉強などに集中できる夏休みが約1週間後に迫る。運動部に所属している3年女子(14)は「受験があるし、部活も最後の追い込みのとき。いじめは実際あったけど、大騒ぎになって力を入れたいことに集中できない」と胸の内を語った。
【 2012年07月12日 22時50分 】