名古屋グランパスのロンドン五輪代表FW永井謙佑(23)が12日、首位・仙台戦(14日、豊田スタジアム)に向け、トヨタスポーツセンターで調整するチームに合流した。前夜に国立競技場での五輪壮行試合ニュージーランド戦を終え、この日の午前練習に駆けつけた。仙台戦翌日の15日には五輪代表は再集合し、イギリスへと出発。わずか3日間の“一時帰宅”だが、五輪前最後の一戦で勝利を置き土産にすることを誓った。
五輪代表のエースとして存在感を示した国立での壮行試合から一夜明け、永井の姿はトヨタスポーツセンターにあった。15日の再集合まで、3日間のチーム復帰。左内転筋痛で別メニュー調整のDFダニエルと一緒に強くなる風雨の中をランニングしつつ、リラックスした表情でチームメートと言葉を交わした。
「疲れ? まあまあっす」。そう答えたが、疲労の色は隠せない。70分間プレーした前夜は日付が変わるころに宿舎に戻り、翌11時からのチームの練習に余裕を持って参加するため、早朝6時半には宿舎を出発した。この1カ月間はリーグ戦5試合で6ゴールを挙げるなど全力で駆け抜け、表敬訪問などの行事も多かった。そのため今季の好調を支える高反発マット「エアウィーヴ」ブランドの枕を再び光山チームドクターから渡され、使用し始めた。
そんななか、中2日で五輪前最後のリーグ戦を迎える。勝てば勝ち点差は「4」に縮まり、負ければ優勝がかすむ「10」に広がる首位・仙台戦。永井も「勝たないとまずいっすね」と気合はみなぎる。前回対戦では0−4で完敗したが、悪いイメージはない。「自分たちのミスで崩れただけ。やりづらかったわけでもないし、チャンスは全然ある」。逆に高いDFラインでプレスをかける仙台守備網の裏には、永井のスピードが生きるスペースが空いている。
「1回負けてますし、借りを返せるように。どんどん崩してやっていきたい。ゴール? がんばります」と力強く宣言した永井。勝ち点3という置き土産を残す3日間のミッションをクリアし、気持ち良くロンドンへと旅立つ。 (宮崎厚志)
◆闘莉王は勝って復興支援試合へ
21日にカシマスタジアムで行われる復興支援スペシャルマッチのPRのため、三重県出身でJリーグ特命PR部女子マネージャーのタレント足立梨花(19)が12日、名古屋グランパスのクラブハウスを訪れた。足立は同試合に出場するGK楢崎、DF闘莉王、田中隼の3人に、ユニホームを贈呈しつつ談笑。「闘莉王選手がすごくニコニコして優しかった。試合ではいつも怒っているので、怒られなくて良かったです」と喜んでいた。
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