カラリと晴れた5月のある日。田舎道を走るオート三輪に乗っているのは、小学六年生のサツキ(日高のり子)と妹のメイ(坂本千夏)、そしておとうさん(糸井重里)。彼ら一家は近くの病院に入院しているおかあさん(島本須美)の退院に備えて、空気のきれいな土地に引っ越してきたのだ。おとうさんが見つけてきたのは今にも壊れそうなオンボロ屋敷だったが、サツキとメイは大ハシャギ! 早速おとうさんに家中のドアや窓を開けるように言われた2人は、家の中で小さくて、真っ黒で、ゾワゾワーと動く不思議なお化けを発見する。隣の家のおばあちゃん(北林谷栄)によると、そのお化けは「ススワタリ」といって古い家を煤だらけにしてしまうらしい。サツキは新しい家がお化け屋敷ではおかあさんが嫌がるのではないかと心配するが、その話を聞いたおかあさんは大喜び。その笑顔に背中を押されるようにして、サツキとメイの新しい生活がスタートした。
サツキの学校が始まったある日。庭でドングリを拾って遊んでいたメイは、2匹の奇妙ないきものと出会う。彼らを追いかけて、木のトンネルを抜け、大きな楠の根元に開いた穴に転がり落ちたメイが目にしたのは…とても大きくてフカフカとしたお化けだった! そのお化けを「トトロ」と名付けたメイは、そこでトトロと一緒にお昼寝。でもメイが目覚めると、トトロの姿は消えていた。トトロにはいつでも誰でも会えるわけではないというおとうさんの言葉を聞いて、メイも納得。サツキはそんなメイをうらやましく思うのだった。
そして季節は梅雨。サツキとメイは傘を持たずに学校に行ってしまったおとうさんを、バス停まで迎えに行くことに。しかし予定のバスにはおとうさんは乗っておらず、そのうち眠くなったメイはサツキの背中で眠ってしまう。バス停でサツキが途方に暮れていると、隣に毛むくじゃらの巨大ないきものがやってきた! トトロだ! そしてそこに現れたのは…道なき道を走り抜ける不気味な「ネコバス」。サツキからおとうさんの傘を借りたトトロは、そのお礼にと木の実がたくさん入った包みを渡して、ネコバスに乗って去っていく。
2人がトトロからもらった木の実を庭に植えて、しばらく経ったある夜。サツキとメイがふと目を覚ますと、庭でトトロたちが不思議な踊りを踊っていた。どうやら木の実を育てる魔法の踊りらしい。見よう見まねで2人が踊りに加わると、みるみるうちに木の実が芽を出し、その芽はやがて1本の大きな木に…。トトロに促されるままに、夜の大冒険に旅立つサツキとメイ。すてきな夢に心躍らせた2人は、翌朝、木の実が小さな芽を出しているのを発見する。トトロと過ごした時間は、夢だけど、夢じゃなかったのだ!!
そして夏がやってきた。おばあちゃんと畑仕事に出かけたサツキとメイのもとに、おかあさんの病院から一通の電報が届く。おかあさんが体調を崩し、退院の日が延びてしまったというのだ。売り言葉に買い言葉でサツキと大ゲンカしたメイは、自分で収穫したトウモロコシを届けておかあさんに元気になってもらおうと、一人で病院に向かって走りだすが…。
メイがいなくなったと大騒ぎになる村。サツキもメイを探して病院への道をひた走るが、メイはどこかで迷子になってしまったようだ。トトロなら助けてくれるかもしれない…トトロの森に向かったサツキに、再び“すてきな冒険”が訪れる!