廃止ありきではない…松山千春流“原発論”の中身は?

2011.06.30


松山千春【拡大】

 デビュー35年を迎えた歌手、松山千春(55)が春のコンサート・ツアーのファイナルを札幌公演(28日)で終えた。

 東日本大震災の被災者に対する黙祷で始まったコンサートは、「月あかり」から始まり「銀の雨」「恋」と懐かしいナンバーや新曲「雨の日曜日」、二十三回忌を迎えた美空ひばりさんのカバー曲「津軽のふるさと」など15曲を熱唱した。

 千春は震災に対して「金がある奴は金を出せばいい。力がある奴は力を出せ、知恵のある奴は知恵を出してくれ。そして、自分は何もないと言う奴は、元気を出せばいいじゃないか」と訴えてきた。

 この間、浜岡原発の運転停止を契機に巻き起こっている原発廃止論には、「脱原発とか簡単に言っているが、オレに言わせれば単に運転を停止したらいいとか、廃炉にすればいいと言う問題ではない」と持論を展開。

 「たとえば運転を停止したとしても原子炉の燃料棒は何十年もエネルギーを出し続けるわけだし、それは次の世代にも引き継ぐことになる。いかに人類が原子力と向き合ってコントロールしていくかが重要。東電は被害の補償のためにリストラなど、対策を計画しているが、だからといって研究費まで削減するのはおかしい。いったん、原子力に頼った以上は、原子力についてもっと研究し、その上で廃炉にするのかどうか今後の方向性を考えるのが本来の責任の取り方だろう」

 7月31日には北海道・いわみざわ公園野外音楽堂キタオンで、「フォークジャンボリー2011 in いわみざわ」に、南こうせつ、伊勢正三、山本潤子らとともに出演する。