'12/7/12
オフィス街にマンション回帰
広島市中心部でマンションの開発が相次いでいる。オフィスビル需要の低迷や都心回帰の流れが背景にある。昨年の市内の新築分譲マンションの発売戸数は前年に比べて7割増え、リーマン・ショック後に落ち込んでいたマンション需要の回復も追い風になっている。
中区の紙屋町交差点近くに14階建てマンション(48戸)を建てるのは日本アイコム(中区)。外観にアルミやガラスを使いオフィス街との一体感を出す。2014年2月下旬の完成を予定する。
商業地やオフィス街として一等地の紙屋町、八丁堀地区の相生通り沿いで、マンションは初めて。
GAパートナーズ(同)はオフィスビルやホテルが並ぶ平和大通り沿いの中区中町に、19階建てマンション(51戸)を計画する。14年春の完成予定で今夏にも着工する。卜部(うらべ)清和社長は「他都市と比べて広島市は都心型のマンションが少ない。需要はある」とみる。
三菱地所レジデンス(東京)は来年11月の完成を目指し、南区稲荷町に19階建てマンション(108戸)を建設している。中区上幟町にもマンションの建設計画がある。
不動産経済研究所(東京)によると、昨年の広島市内の新築分譲マンションの発売戸数は1516戸で、10年に比べ72・3%増えた。07年は2326戸だったが、08年のリーマン・ショック後はマンション業者の相次ぐ破綻もあって半減していた。
【写真説明】日本アイコムが紙屋町交差点近くに計画するマンション(右側)の完成イメージ