2 低音の話・その1 低音・超低音を再生するスピーカーはなぜ1本でいいの?
2.1CHとか5.1CH と言って低音・超低音(以下低音と言います)は1本のスピーカーで再生します。
この事は今は誰も疑問に思わずごく普通のことと受け止めています。でも、普通ステレオと言えば左右2本の
スピーカーで左右の楽器の音をそれぞれ出しているのに低音だけはなぜ1本のスピーカーでいいのでしょうか。
低音楽器のコントラバスやバスドラム・ティンパニーだって必ずしも中央とは限らず左右に別れて置かれていたりするではありませんか。
今から30数年前は低音を1本で再生するなどとんでも無い、邪道であると言われたりしました。しかし、低音は1本で十分であると考えこれを普及しようと尽力された方々がいらっしゃいました。そのお一人が故 池田 圭 氏で低音を1本で再生する方法を3D方式と呼んでいました。 3DのDはディメンション(次元)のDです。現在は3D言えば立体映像の事ですが、昔は3Dと言えば超低音を再生する方式の事だったのです。
この3D方式で低音を補う方法は一部のアマチュアの方々の間で実験的に行われていました。また、ごく一部のメーカー製の一体型のステレオに取り入れられ製品としても販売されていました。しかし、一般的に普及することはなく、むしろハイアマチュアの方々には無視ならともかく、低音を1本のスピーカーで出そうなど何を馬鹿なことをしてるのかと蔑まされる事もありました。 これからしばらくはこの3D方式について仲間と悪戦苦闘した歴史を書いていこうと思います。
1970年始めころからの話です。
なお、記述内容が科学的・技術的に誤っている場合があるかも知れませんがご容赦ください。なんせ記憶力がどんどん低下しているものですから。
古いオーディオ関係の本はほとんど処分してしまいましたが、なぜかこの本が残っていました。
昭和40年発行ですが、この本は昭和50年(1975年)・第9版発行のものです。
上記の本の目次です |