滋賀・いじめ自殺問題について中川 真理子記者の解説です。
滋賀・大津市で、いじめを受けていた男子生徒が自殺をした問題で、警察が学校や教育委員会を家宅捜索する異例の展開をたどっています。
フジテレビ社会部警察庁担当の中川 真理子記者の解説です。
(警察は被害届の受理を3回拒否した。なぜ今ごろ捜査?)
自殺から9カ月たっての本格捜査ということで、批判の声も多数集まっているんですが、きょう(12日)、警察のトップである警察庁長官は次のように話しました。
警察庁・片桐 裕長官「少年の生命身体の安全が脅されるような重大事案があれば、これは、警察として積極的に、捜査・補導等の措置を講じていかなければならない」
このように、警察トップも非常に強い決意を示しているんですが、今回の学校への家宅捜索というのは、極めて異例なんですが、実は、いじめが原因で刑事事件に発展したものは決して少なくないんです。
警察庁のまとめによりますと、2011年の1年間で刑事事件に発展したものは、113件にのぼっています。
また、逮捕や書類送検、補導された少年というのは、219人もいるんですね。
つまり、少年による学校での面白半分のいじめであっても、暴行や障害がともなえば、刑事事件として、場合によっては逮捕されることもある、れっきとした犯罪なんです。
(滋賀県警は、暴行した疑いが持たれている同級生3人をはじめとする生徒への事情聴取を、授業日程を優先して夏休みなどに集中して行う予定で、8月にも立件できるかどうかを判断するとみられている。今回のように、少年が容疑に問われる場合、少年法というものがあるが、今後の捜査はどういうふうに進められていく?)
今回の中学2年生という学年ですが、13歳と14歳の生徒がいる学年です。
13歳と14歳、年齢では1歳の差なんですが、少年法では大きな差があります。
14歳以上ですと、刑事責任能力があるとされ、捜査の対象となり、容疑が固まれば、逮捕や書類送検されるなどして、家庭裁判所に送致される可能性があります。
そして、14歳未満、13歳ですと、刑事責任能力はないとされるので、警察も逮捕ではなく、補導などの手続きを行って、刑事責任が問われることはないんです。