滋賀・いじめ自殺 教育現場への家宅捜索に生徒らからも動揺の声
滋賀・大津市で中学2年の男子生徒が自ら命を絶った事件は、警察が学校や教育委員会を家宅捜索する異例の展開をたどっている。
11日夜、市の教育委員会と中学校に入った捜査のメス。
滋賀・大津市でいじめを受けていた中学2年生の男子生徒が自殺した事件は、県警による教育現場への家宅捜索という異例の展開を見せ、その衝撃が広がっている。
同じ中学校の生徒は「ちょっとびっくりしました。やっぱり中学校に警察が入るというのは、相当やばいなと思って...」と話した。
12日朝、問題の中学校に通う生徒からも動揺の声が聞かれる中、「いじめの真実が明かされればいいと思う」などといった声も聞かれた。
保護者からは、学校側に対する不信感も出ている。
保護者は「隠そうとしているんじゃないかというのは、感じることがあって。隠蔽(いんぺい)しようとするから、こういうことになってしまったのかな」と話した。
生徒に追加のアンケートを行っていた事実や、遺族に対しアンケート結果を口外しないよう確約書にサインをさせるなど、次々と明らかになった教育委員会の隠ぺい体質。
滋賀県警の捜査幹部は、異例の家宅捜索に踏み切った背景について、「本来、学校などに捜索に入るのはよくない。極めて異例だが、(市教委・学校が)訴訟用の資料しか出さない。非公開としている資料も出してもらい、調べなければならない」、「警察に対してまでも非公開のものがあってはならない。強制捜査でないと全て出ないと判断した」と話した。
今回の捜索の容疑は、2011年9月の体育大会で、同級生3人が自殺した男子生徒の手足を鉢巻きで縛るなどした暴行の疑い。
しかし警察は、これまで遺族が提出しようとした暴行の被害届の受理を3回にわたって拒否していたこともあり、一連の対応には疑問が残る。
こうした中、自殺した男子生徒の祖父は「生徒は(いじめがあったと)言っているのに、学校の先生が知らんというのは、おかしいと思う。いじめというのは、いつでもあるけれど、あれは普通のものと違うわ。ものすごいものやということ」と話した。
自殺した男子生徒と同じクラスだった生徒は、FNNの取材に対し、「(男子生徒が亡くなった翌日)黙とうしている時に、いじめた2人は、すごくにこにこしたりして、しゃべったりもしていた」と証言した。